休職期間から復職に至るステップ

更新日 2021年05月31日

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職場でのストレスなどで、色々な心身の不調を抱えてしまい、医師からしばらく休養が必要と診断されることもあると思います。 また、皆さんご自身で、とても辛くて、今のままでは仕事を続ける自信が持てないとか、ゆっくり休養したいので、しばらくの期間休職したいと思うこともあるでしょう。 そんなとき、皆さんはどんな思いになるでしょうか。 もちろん、早く仕事に戻りたいという気持ちもあると思いますが、先々のことを考えると、色々なことが頭をよぎって、多くの不安に包まれるのではないでしょうか。 休むと言っても、有給休暇があまり残っていないとか、こんなことで休暇は使いたくないという考えもありますね。 そんな時に、休職という選択肢があるのですが、休職となると、休んでいる間の収入も心配です。 たとえゆっくり休めたとしても、その後どうやって仕事に戻ればよいのだろうか。休んでいる間、自分の仕事はどうなるのか、誰がやってくれるのかとか、戻った後に、ちゃんと仕事はあるのかなども、心配だと思います。 また、休むことで、周囲からどう思われてしまうかなども気になるところですね。 でも、この様な心配で休職をためらってしまったり、先送りにしてしまうと、症状が悪化してしまい、もっと苦しい状況になってしまいます。 タイミングを逸せずに必要な時に休むことは、皆さんが今後も長期にわたり良い仕事を続けていけるために、とても大切なことなのですが、そうは言っても、休職や復職に関して、この様に多くの不安を持たれているのではないでしょうか。 そこで今回は、休職をしなければならない時に、その後どんな流れで仕事に復帰できるのか、特に心の健康にかかわるところでの基本的な考え方について書いてみます。 休職中の収入については、健康保険の傷病手当金制度があり、このコラム欄でも紹介していますので、参考にして下さい。

<職場復帰支援について> 職場復帰支援とは、傷病などにより長期休業していた従業員の復職のための支援を、会社側が行う支援活動のことです。 厚生労働省の資料を紹介しますので、参考にして下さい。 メンタルヘルス対策における職場復帰支援

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-1_0001.pdf

ここに書かれているのは、会社など雇用主向けの資料ですが、従業員の皆さんは会社にとって大切な人的資源であり財産なので、休んでいる本人のことを良く考慮しながら、休職からのスムーズな復帰を進めるとともに、その後の仕事環境をどう整備していくかなどを示しているものです。

では、まず休職から復職の流れについて説明しましょう。 もちろん、会社によってこの通りではない場合も多いのですが、基本的な考え方として参考にして下さい。

<第1ステップ:病気休業の開始及び休業中のケア> 従業員本人から職場の上司などの管理者に、医師による診断書が提出され、休職の意思を伝えることで、休職(休業)の流れが始まります。 そして、職場の管理者から、人事や総務の労務管理担当者などに伝えることで、休職が始まります。 また、本人に対しては、安心して休めるように、傷病手当金や休職中の控除などの経済的なこと、休職手続き、休職可能な期間や職場復帰支援の手順などを説明します。この休職可能な期間と言うのは、会社によって大きく異なりますので、よく確認しておくことが必要です。 更に、休んでいる間の不安やお困りごとの相談先なども、紹介します。 ここから実際の休職が始まるのですが、休みの間はゆっくりと療養をしながら、医師による治療や、必要に応じてカウンセリングなどを受けて、心身の快復を目指します。 休みの後半には、状況に応じて、復職のための訓練(リワークなど)に参加してみることも有効です。

<第2ステップ:主治医並びに産業医による職場復帰の可否判断> ゆっくり療養し、適切な治療なども受けて順調に快復が進むと、医師からだけでなく、本人からもそろそろ仕事に復帰したいと思い始める時期が来ます。 その場合、主治医と相談し、職場に復帰が可能であるという診断書を書いてもらい、会社に提出します。 その診断書には、仕事を進めていくうえで必要な配慮に関して、主治医の具体的な意見も記入してもらいます。 ただし主治医が復帰可能と判断しても、具体的な職場での仕事内容や仕事の負担を考えた場合、その職場で求められることと同じでない場合もあります。 そのため、会社は、主治医の判断と職場で必要とされる業務遂行能力などについて、産業医の見解なども含めて、復帰可能かどうかを判断します。

<第3ステップ:職場復帰の可否判断及び職場復帰支援プランの作成> 次に、復帰後はどのように仕事に就くのか、仕事内容や量、勤務時間、通勤の負荷などを考えて、スムーズに職場復帰ができるようなプランを作成します。 このプランは、会社が一方的に作るものではなく、医師の見解に基づき、会社と本人が十分な打ち合わせをしながら、無理のない内容で作っていくものです。 下記は、プランの例です。 いつから復帰するか。 勤務時間などはどうするか。 例えば、復帰後一ヶ月間は、10時から15時の勤務として、週一回は通院受診と、職場の上司との面談を行うなど。 その段階がスムーズに進められれば、二ヶ月目からは、10時から17時の勤務にして、月二回は通院受診を行い、週一回の上司との面談を行う。そして、三ヶ月目以降は9時から17時の勤務にするが、残業や遠方への出張は行わないなど、本人の状況や仕事内容によって色々なプランが作られます。 また、仕事内容に関しても、期間を決めて、本人にとって負担の少ない様に変更するとか、場合によっては異動なども含めて色々な配慮がなされます。 これらは一例ですが、プランはこのように具体的に作られていることが大事です。

<第4ステップ:最終的な職場復帰の決定> そのプランを検討して、会社として職場復帰を決定します。

<第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ> この様にプランに沿って仕事を進めるのですが、実際に仕事に戻ってみると、予測通りに進まないこともあります。そのため、職場の管理者、上司や会社内の産業保健スタッフなどが、本人の状況をよく見ながらフォローアップをしていくことが必要です。 そして、プラン通りに進んでいない場合には、プランの見直しを行って、本人にとって無理のないペースで復帰が進められていくのです。 また、プランを見直しながら進めても、時には再度休む必要が出てくる場合もあります。そのような時のために、再び療養が必要だと判断する場合の基準も作っておきます。 週何日以上、病欠、遅刻、早退があった場合とか、仕事を進めることが明らかに困難だと判断されたとき、また、例えば三ヶ月を経過しても、元々の通常業務に復帰できない場合などというようなものです。 この様に、一度復帰したら必ず続けなければいけないという事もなく、状況によっては再度の療養も可能だと考えてください。 休んでいる本人は、ゆっくり療養しながら、その間は主治医による治療や、適切なカウンセリングなどを受けて、快復、復職に向けて準備を進めていることと思います。 一方会社では、このように色々な観点から、スムーズな復職ができる様に準備を進めるのです。 不安の多い休職や復職ではありますが、この職場復帰支援の仕組みを知る事で、少し安心できるのではないでしょうか そして、休職中の治療やカウンセリングは、元の仕事に戻れるようになるだけでなく、再び辛い状態に陥らないような、ストレスへの対処方法を身に付けたり、物事の捉え方の変化やライフスタイルの見直しなどにもつながっていくものだという事も知っておきましょう。