うつ病の人への接し方│やってはいけないこと&避けるべき言葉や心構えを解説

更新日 2024年12月02日

うつ病
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うつ病は、誰もがかかる可能性のある脳の病気です。身近な人がうつ病になったとき「なんて言葉をかけたらいいかわからない」「どのように向き合っていけばいいのか悩んでいる」と戸惑う方も多いでしょう。

周囲のサポートは、うつ病の人の回復を助け、再発を防ぐ重要な役割を果たします。一方で、不適切な対応は症状を悪化させてしまう危険もあります。

この記事では、うつ病の人への正しい接し方や、避けるべき言動について詳しく解説します。うつ病についての理解を深めたい方、適切なサポート方法が知りたい方、大切な人の回復の手助けがしたい方はぜひ記事をチェックしてみてください。

うつ病の人に接するときの準備や心構え

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家族やパートナー、仲の良い友達であっても、うつ病になった本人の苦しみを理解するのは簡単なことではありません。

しかし、十分な理解がないままでは、適切なサポートが難しいばかりか、これまで築き上げてきた信頼関係を損なってしまう可能性があります。

接し方の前に、まずはうつ病の人に接するときの準備や心構えを知っておきましょう。

まずはうつ病について理解する

うつ病の人に接するときには、まず「うつ病はどのような病気か」を理解することが大切です。

うつ病は脳に機能障害が起こる病気で、それにより心や身体にさまざまな不調が現れます。強い気分の落ち込みや倦怠感が起こり、それまでは当たり前にこなせていた仕事や家事ができなくなることもあります。

珍しい病気ではなく、日本人の約15人に1人が経験するともいわれるとても身近な病気です。

▶うつ病とは?症状・原因・治療法と自己診断チェックリスト

うつ病の人への接し方

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ここからは、うつ病の人への接し方や注意したいポイントを紹介します。

何も言わずに見守る

かける言葉や接し方がわからない場合は、無理に何かをしなくても大丈夫です。何も言わず、ただそばにいるだけでも「あなたの味方だよ」という意思表示になり、うつ病の人の心の負担を軽くできることがあります。

否定せず話に耳を傾ける

うつ病の人と接する際は、相手の話をじっくりと聞くことが大切です。「そのくらい大丈夫だよ」「気のせいじゃない?」「それは違うよ」など批判や否定、反論をせずに、相手の気持ちに寄り添う態度で話に耳を傾けましょう。

安心できる居場所をつくる

うつ病の治療には、十分な休養が欠かせません。強い不安や焦りを抱えるうつ病の人が安心して休養できるよう、家庭や職場で、ストレスを感じにくい環境を作り出すよう心がけましょう。

本人のペースを大切にし、無理はしない

もしも相手が話したくない様子であれば、無理に聞き出すことは避けましょう。本人のペースを尊重し、焦らせたり無理をさせたりしないことが大切です。

「時間はかかるが必ず治る」と信じて寄り添う

うつ病の治療には時間がかかりますが、「適切な治療を続ければ、必ず回復する」と信じて接することが大切です。

うつ病の人にやってはいけないこと

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ここからは、うつ病の人に対してやってはいけないことについて、詳しく解説します。

励ます言葉をかける

「頑張れ」「元気出して」などの励ましの言葉は、うつ病の人にとってはプレッシャーになってしまうため、避けましょう。

否定する・偏見を持つ

うつ病を「怠け」や「気の持ちよう」と捉えるのは間違いです。うつ病は脳の病気であり、本人の意思で簡単に改善できるものではありません。

一般化する

「私もそんなときがあったよ」「そういうこともあるよね」といった言葉は、励ますつもりであったとしても避けましょう。

無理に気分転換を勧める

気分転換は良いことのように思えますが、無理に勧めると負担となり、逆効果になる場合があります。

急かす・焦らせる

うつ病からの回復には時間がかかります。「いつになったら良くなるの?」「早く元気になって」などの言葉や態度は、本人を焦らせてしまいます。

大きな決断を迫る

うつ病になると判断力や決断力が低下するため、重要な決断は避けることが望ましいです。

安易なアドバイス

注意したいのが、「運動すれば良くなるよ」「◯◯さんは△△で治ったみたいだよ」「熱中できる趣味を見つけたら」といったアドバイスです。

うつ病の人にかける言葉の例

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うつ病の人にかけてあげたいのは、「味方であることを伝える言葉」「相手をねぎらう言葉」「相手を尊重し寄り添うような言葉」「認めてあげる言葉」といった言葉です。

- 「大変だったね」
- 「頑張ったんだね」
- 「ゆっくり休んでいいんだよ」
- 「あなたの気持ちを理解したい」
- 「一緒に、焦らずゆっくり治していこう」
- 「あなたは大切な存在だよ」
- 「いつでも相談に乗るからね」
- 「気が向いたときでいいからね」
- 「そのままのあなたでいいよ」

うつ病の人にかけてはいけない言葉の例

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反対に、うつ病の人の負担になってしまう可能性がある言葉もあります。

- 「がんばって」
- 「元気出して」
- 「いつ良くなるの?」
- 「気の持ちようだよ」
- 「みんな同じように大変なんだよ」
- 「あなたよりもっと大変な人がいるよ」
- 「そんなことで落ち込んでるの?」
- 「どうしてうつ病になったの?」

うつ病の人と連絡を取り合うときの注意点・ポイント

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うつ病の人と連絡を取り合うときは、以下の点に気をつけましょう。

電話ではなく「メール」がおすすめ

複雑な内容は避け、わかりやすく簡潔にまとめる

返事を催促しない

うつ症状がつらいときは、判断力や思考力の低下によってうまく答えられなかったり、疲れてしまったりするため、電話は避けましょう。メールであれば、自分のペースで返信できます。

また、急ぎの用でなければ「返信はしなくても大丈夫」「気が向いたらでいいよ」などと伝えておくと、プレッシャーに感じさせることを避けられます。

周囲の適切なサポートがうつ病回復の大きな支えになる

大切な家族やパートナー、友達、同僚がうつ病になったとき、もしくはうつ病が疑われるときは、かける言葉に悩んでしまうものです。

うつ病の人への接し方でもっとも大切なのは、相手の気持ちを理解しようとする姿勢です。つらい気持ちに寄り添い、ゆっくり休養できるよう、安心できる環境を整えて見守りましょう。

もし、あなたやあなたの大切な人がうつ病の症状に悩んでいる場合は、『かもみーる』のオンライン診療やオンラインカウンセリングをご利用ください。

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