うつ病とは?症状・原因・治療法と自己診断チェックリスト

更新日 2024年11月13日

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「最近、気分が落ち込んで何もする気が起きない…」

「仕事に行くのがつらい」

このような気持ちは多くの人が経験するものですが、つらい気持ちや症状が長く続く場合はもしかしたら、「うつ病」かもしれません。

実は、うつ病は約15人に1人が経験するといわれており、決して珍しい病気ではありません。

この記事では、うつ病の症状や原因、治療法について詳しく解説します。

自分や大切な人がうつ病かもしれないと感じたら、ぜひ参考にしてみてください。一人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。


うつ病とは?

うつ病について説明する画像

うつ病は、強い憂うつ感ややる気が出ない、身体がだるい、眠れないといった症状が見られる病気です。単なる一時的な気分の落ち込みとは異なり、2週間以上症状が続きます。

重症度もさまざまで、中等症や重症になると、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れることもあります。

一方、軽症の場合は周囲が変化に気が付かないことも少なくありません。

日本人の約15人に1人がかかる病気

うつ病は、日本人の約15人に1人が経験する病気といわれ、誰もがかかる可能性のある身近な病気です。(参照:厚生労働省『こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜』)

精神疾患の中でももっとも多い病気であり、ストレス社会といわれる現代ではうつ病が大きな問題になっています。

早期に適切な治療を始めれば軽快・改善できる病気のため、つらさを感じたら我慢せずに早めに専門家に相談しましょう。

双極性障害(躁うつ病)との違い

うつ病と双極性障害(躁うつ病)は、似て非なる病気です。

うつ病が落ち込みの状態のみが見られるのに対し、躁うつ病では躁状態(気分が高揚する、行動的になる、自信満々になるなど)とうつ状態を繰り返します

適切な治療法が異なるため、自分で判断せず専門医の診断を受けましょう。

その他の病気との違い

その他、適応障害(ストレス性障害)・不安障害(不安症)・パニック障害といった病気との違いは以下のとおりです。

適応障害(ストレス性障害)特定の強いストレスにより不安感や抑うつ気分などさまざまな症状が起こり、社会生活に支障をきたす疾患のこと
不安障害(不安症)過度な不安により日常生活に支障をきたす疾患の総称(他の精神疾患と重複することもある)
パニック障害突然激しい不安に襲われパニック発作が繰り返される疾患。予期不安など特徴的な症状を伴うものを指す

うつ病の症状

うつ病の症状

うつ病と聞くと、憂鬱な気分や落ち込みなど、精神的な症状をイメージする方が多いかもしれません。

しかし実は、最初のうつ病の症状は身体の不調や行動として現れることがほとんどです。ここでは、うつ病の症状を「精神症状」と「身体症状」に分けて見ていきましょう。

精神症状

うつ病では、以下のような精神症状が見られます。

  • 気分が落ち込む
  • 楽しめなくなる
  • 体重が減少する
  • 意欲が低下する
  • 無関心になる
  • 集中できなくなる
  • 悪い方にばかり考えてしまう
  • 見た目や服装が気にならなくなる
  • お酒の量が増える

うつ病のこのような症状は、はっきりした原因が思い当たらないケースも多いです。また逆に、落ち込む原因となっていた出来事が解決したとしても、気分が回復しないこともあります。

これまで楽しめていたことが楽しめなくなって気分が落ち込むばかりか、物事を悲観的にばかり考えてしまい、どんどん気持ちがつらくなったり眠れなくなったりといった悪循環が起こることも、うつ病の特徴です。

また上記症状が出ているからといってうつ病であると決めつけることはできません。甲状腺機能低下症や糖尿病、ステロイド服用など、別の原因による精神症状の可能性もあります。その場合は治療方法も変わってきますので、必ず専門医に相談をするようにしましょう。

身体症状

うつ病は、気分の落ち込みや何をしても楽しめないといった精神症状が現れることが特徴ですが、それより先に以下のような身体の不調として現れることもあります

  • 睡眠障害(不眠・過眠)
  • だるくて疲れやすい
  • めまい
  • 口の渇き
  • 食欲不振、過食
  • 性欲減退
  • 消化器症状(胃の不快感、下痢、便秘)
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 動悸
  • 肩こり、腰痛
  • しびれ

病院に行っても検査で異常がないため不調の原因がわからず、悩んでいる方も少なくありません。気になる症状があれば、早めに医師に相談してみましょう。

忙しくてなかなかメンタルクリニック・心療内科に通う時間が取れない方は、医師や心理士によるオンラインカウンセリングであれば、空き時間や遅い時間でも相談が可能です。

例えば、かもみーるのオンラインカウンセリングサービスでは、24時までオンライン診療で医師や心理士に相談ができます。仕事帰りの夜遅い時間の予約も可能です。

うつ病のサイン?自己診断チェックリスト

うつ病のサイン?自己診断チェックリスト

「もしかしてうつ病?」「最近なんだか気分が落ち込んでいる」そう思ったら、以下の点を自分でチェックしてみましょう。

  1. 今まで楽しめていたことに興味が持てない、楽しめなくなった
  2. 日常生活に物足りなさを感じる、充実感がない
  3. 理由もなく疲労を感じる
  4. これまで簡単にできていたことも億劫に感じる
  5. 自分に価値がないように思う

上記に2つ以上あてはまり、毎日続いている場合や2週間以上続く場合、生活や仕事に支障が出ている場合は、なるべく早めに専門家のカウンセリングを受けましょう。

さらに詳しくチェックしたい方は、以下から10項目でのテストを行ってみてください。

うつ自己診断チェックリスト



うつ病の原因

うつ病の原因

うつ病発症のメカニズムは明確にはわかっていませんが、脳の不調によって、精神を安定させたりやる気を起こさせたりする脳内の神経伝達物質が減ってしまう病気と考えられています。

うつ病の発生に影響する原因は、以下のとおりです。

  • 環境要因(職場・学校・家庭など)
  • 生活習慣や季節の影響
  • 性別や年齢
  • つらい出来事
  • 遺伝的な要因
  • 病気の影響や薬の副作用

ここから詳しく見ていきましょう。

環境要因(職場・学校・家庭など)

職場でのストレス、学校でのプレッシャー、家庭内の問題など、日常生活におけるさまざまなストレスがうつ病のきっかけとなることがあります。

特に、長時間労働や過度な責任、高すぎるノルマ、仕事量が多すぎるといったことは大きなストレスです。

この他にも、いじめや人間関係のトラブル、介護問題、家庭内暴力といった環境要因が長期間続くと、心身に大きな負担がかかり、うつ病を引き起こす可能性が高まります。

生活習慣や季節の影響

生活習慣や季節の変化も、うつ病の原因の一つです。

秋から冬にかけて発症し、春〜夏になると軽快する「季節性うつ」は冬場の日照時間不足が原因であるとされています。

また、いわゆる「五月病」は正式な病名ではありませんが、新年度やGWによる生活習慣の乱れが影響していると考えられています。

規則正しい生活リズムを保ち、適度な運動や日光浴を心がけることが、うつ病の予防に役立つ可能性があるでしょう。

性別や年齢

うつ病の発症率は女性の方が男性よりも1.6倍高いといわれていますが、原因は完全には解明されていません。

ホルモンバランスの変化や社会的役割の違いなど、さまざまな要因が関係していると考えられており、特に出産後や更年期などのライフイベントに伴うホルモンの変動が、女性のうつ病リスクに影響しているといわれています。

また、うつ病は一般的に20〜30歳の若年層に多く見られることが特徴です。

特に30代は、結婚や出産など人生の中でも大きな変化の起こる年代です。大きなライフイベントに加えて仕事での責任も増え、20代の頃とはまた違ったストレスを抱えるようになります。

30代の方の場合、これまでの経験や年齢、立場などから「これくらい大丈夫」「甘えたらだめだ」と、ストレスを感じていてもそのままにしている人が少なくありません。

しかし、すでにうつ病を発症しているとしたら、放置すれば悪化してしまう可能性が高いです。

つらい出来事

離婚や失恋、大切な人との死別、失業、重大な病気の診断、トラウマになるような出来事など、重大な出来事や喪失体験が、うつ病のきっかけとなることがあります。

つらい出来事を経験した際は、一人で抱え込まず、周囲の人や専門家に相談することが大切です。

遺伝的な要因

うつ病は遺伝的な要因も影響しており、詳しいメカニズムはわかっていないものの、うつ病(大うつ病)の遺伝率は約30~50%とされています。

東京都医学総研究所『うつ病になりやすい体質が遺伝する仕組み

遺伝的要因があるからといって必ずうつ病になるわけではありませんが、家族にうつ病の人がいる場合は、早めに専門家に相談するようにしましょう。

病気の影響や薬の副作用

以下のような病気によって、直接的もしくは間接的にうつ病が引き起こされることもあります。

  1. 脳血管障害
  2. 認知症
  3. 甲状腺機能障害
  4. 全身性エリテマトーデス
  5. 糖尿病
  6. エイズ など

この他にも、インターフェロン製剤、副腎皮質ステロイド薬、降圧薬など特定の薬の副作用によってうつ病が引き起こされることがあります。(薬剤惹起性うつ病)

またこれらの要因の根本的な原因として「セロトニン仮説」といった仮説も提唱されています。しかしながら現状ではあくまで「仮説」の域を出ないのが現実です。



うつ病になりやすい人はいる?

うつ病になりやすい人はいる?

うつ病は誰もがなる可能性のある病気ですが、うつ病になりやすい性格(気質)傾向があり、以下のような特徴を持つ人は、うつ病のリスクが高まるといわれています。

  1. 完璧主義者
  2. 真面目で責任感が強い
  3. 他人からの評価が気になる
  4. 仕事や家事を人に任せられない

ただし、これらの特徴があるからといって必ずうつ病になるわけではありません。逆に、これらの特徴がなくてもうつ病になる可能性はあります。



うつ病の治療法

うつ病の治療法

うつ病の治療には、以下のようにさまざまな方法があります。

  1. 十分な休養をとる
  2. 薬物療法
  3. カウンセリング・精神療法

ここからは、それぞれの方法について解説します。

十分な休養をとる

十分な休養をとることは、うつ病の治療の基本です。

ストレスの原因から距離を置いてゆっくり心と身体を休ませつつ、抗うつ薬などを使って治療を進めます。

休むことに罪悪感を感じる人も多いですが、休養は怠けているのではなく、回復のために必要な治療の一環だと理解することが大切です。

医師や周囲の人と相談しながら、適切な休養期間を設定しましょう。

薬物療法

薬物療法は、うつ病の症状を軽減し、回復を促進するために欠かせない治療です。

日本では主に「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」や「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」といった抗うつ薬による薬物療法が行われています。

この他、症状に合わせて、睡眠導入薬や抗不安薬、非定型抗精神病薬などが用いられることもあります。

症状が軽くなったからといって勝手に薬を飲むのをやめたり、反対に薬を増やしたりすると副作用や悪化を招くことがあるため、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。

カウンセリング・精神療法

薬物療法だけではなかなか症状が改善しないケースもあり、このようなケースではカウンセリングや精神療法が効果的なことがあります。

カウンセリングは、患者さんの話に耳を傾け、考え方のクセや課題に気づいてもらい、修正していくこと(認知行動療法/CBT)がベースです。

解決志向ブリーフセラピー(SFBT)や対人関係療法(IPT)といったアプローチを取ることもあります。

アドバイスを押し付けたりせず、じっくり患者さんの話を聞いて理解することを重視するため、安心して自分の気持ちを話せる環境で徐々に問題解決の糸口を見つけていけるはずです。



つらいときすぐ相談できるオンラインカウンセリング『かもみーる』

つらいときすぐ相談できるオンラインカウンセリング『かもみーる』

メンタルクリニックの需要は年々増加傾向にあり、本当につらくなって「病院に行こう」と思い立っても、すぐに受診できないことがほとんどです。

3ヶ月待たなければならないケースもあり、受診を諦めてしまったり、その間にうつ病が悪化してしまったりするケースも少なくありません。

医師監修オンラインカウンセリングの『かもみーる』では、24時間以内に悩みを医師・心理士に相談できます。

24時までオンライン診療を行っており、仕事から帰ってきた夜遅い時間にいきなり予約することも可能です。

まずはゆっくり、胸に抱えている不安やつらさをお話してみませんか?お気軽にお問い合わせください。

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うつ病かもしれないと思ったら我慢せずまずは相談を

うつ病は、誰もがかかる可能性のある身近な病気です。最初のうつ病の初期段階であることに気づかないケースもあります。

うつ病は早期発見・早期治療が回復への近道となるため、少しでも「おかしいな」と思ったら早めに専門家に相談しましょう。

医師監修オンラインカウンセリングの『かもみーる』では、うつ病をはじめ、さまざまな心の健康問題に対応しています。

経験豊富な医師・心理士によるカウンセリングを提供しており、必要に応じて診断書を発行することも可能です。もし自分や大切な人がうつ病かもしれないと感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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