セルフチェックの結果の見方
当てはまる項目があっても、それだけで強迫性障害とは限りません。大切なのは、やめにくさ、つらさ、生活への影響です。
「確認で遅刻する」「頻回の手洗いで皮膚が荒れる」「考え込みで仕事に集中できない」などの困りごとがあれば、該当数にかかわらず相談を検討してください。
当てはまる項目がなくても、この記事にない症状や別の原因で困っている場合があります。結果だけで受診の必要性を決める必要はありません。
強迫性障害とは
強迫性障害(OCD)は、望まない考えが繰り返し浮かんだり、不安を和らげるための行動を繰り返したりして、時間を取られ、苦痛や生活上の支障が生じる病気です。
強迫観念
自分が望んでいないのに浮かび、頭から離れにくい考えやイメージ、衝動などを指します。「汚染されたかもしれない」「誰かを傷つけたかもしれない」といった疑いや不安が代表例です。
強迫行為
不安や不快感を和らげるため、または自分の中の厳密なルールに従って繰り返す行動です。手洗いや確認のほか、頭の中で数える、記憶を確かめる、言葉で打ち消すことも含まれます。
一度は安心できても、また疑いが戻り、同じ行動を繰り返すことがあります。外から見える行動が少なくても、頭の中の作業に長い時間を費やしている場合があります。
▶︎ 確認行為がやめられないのは強迫性障害?確認強迫の症状と治し方心配性や几帳面さとの違い
戸締まりを確認したり、清潔に気を配ったりすることは、誰にでもあります。強迫性障害では、確認や洗浄を切り上げにくく、つらさや生活への支障が生じているかが重要です。
例えば、宛先を確かめてメールを送れる場合と、問題が見つからなくても不安で何度も見直し、送れなくなる場合では、負担が違います。
必要な感染対策や仕事上の安全確認は、状況に応じて判断します。また、「やりすぎだ」と自覚できる程度には個人差があり、その自覚の有無だけで強迫性障害かどうかは決まりません。
医療機関に相談する目安
次のような状態があれば、精神科や、強迫性障害に対応する心療内科へ相談してください。
- 確認や洗浄、考え込みに時間を取られている
- やめたいのにやめられず、つらさが続いている
- 仕事、学校、家事、睡眠などに影響が出ている
- 不安を避けるために、外出や人付き合いが減っている
- 家族に何度も確認を頼むなど、家庭生活に負担がある
診断では、症状に費やす時間の例として「1日1時間を超える」が挙げられます。ただし、1時間未満でも、強い苦痛や生活への支障があれば医師に相談をするべきです。
受診時は、「いつから」「何が気になるか」「そのために何を繰り返すか」「生活で何に困っているか」を、分かる範囲で伝えましょう。
強迫性障害の診断と治療
診断は、症状の経過や生活への影響、他の病気との違いなどを医師が確認して行います。必要に応じて、Y-BOCSなどの尺度で症状の重さを評価することもあります。
治療には、曝露反応妨害法(ERP)を含む認知行動療法や、SSRIなどの薬物療法があります。ERPでは、治療者と相談しながら、不安が生じる場面でいつもの確認や洗浄などを控える練習をします。治療法は、症状や本人の希望を踏まえて検討します。
詳しくは、Y-BOCSによる重症度評価、曝露反応妨害法(ERP)の解説もご覧ください。
気になる症状があれば相談を
セルフチェックは、困りごとを整理するきっかけです。結果が気になって何度もやり直してしまうときは、そのことも相談してください。
「やめたいのにやめられない」「生活で困っている」と感じたら、一人で抱え込まず、医療機関へ相談しましょう。