うつ病が再発することはある?症状や原因・対処方法

更新日 2024年12月06日

うつ病
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うつ病になってしまって仕事を休職し、やっと復帰したのにまた再発したのでは?と感じると、不安になり自己肯定感が下がる原因にもなってしまいます。

しかし、うつ病の再発率は60%とされており、決して珍しいことでも、自分だけと感じることもありません。

とはいえ、再発が疑われると「なぜ自分だけ……」と不安になってしまいます。

この記事では、再発の症状や原因、再発したときにどうしたらよいかの具体例を紹介します。

うつ病が再発したかもと不安な方、自分だけなのではと落ち込んでしまっている方は、ぜひご覧ください。

うつ病の再発について

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うつ病は、ひと昔前までは「心の病気」とされていましたが、近年では脳内の神経伝達物質がうまく機能していないのではともいわれており、はっきりとした原因はいまだ解明されていません。

ストレスや職場の環境といったさまざまな複合的な要因が絡み合って発症しているともされ、再発率も高い特徴があります。

うつ病の再発率

[厚生労働省の発表]によると、うつ病の再発率は60%とされています。さらに、2回うつ病に罹患した方は70%、3回罹患した方は90%と、徐々に再発率が高くなる傾向にあります。

この数字からわかるように、うつ病は一度治ったと思っても再発する病気であり、症状が落ち着いているからといって医師の指示なく服薬をやめるべきではありません。

再発したと感じると、それだけで気分が落ち込んでしまう方もいます。症状が出ているときに他のことを考える余裕もないでしょう。

そのため、再発が疑われる際は、症状が落ち着いてからその後うつ病とどう付き合っていくかを患者さんなりに考える必要があります。

うつ病が再発しやすい時期

うつ病は、以下の経過を辿っていくのが特徴です。

経過特徴
急性期・投薬と休養によって症状の回復を目指す時期
・ゆっくりと症状が回復していく時期
継続期・症状が落ち着いて日常生活を楽しめるようになる時期
・自己判断で服薬をやめるのは危険
維持期・症状が安定してくる
・この時期に服薬をやめると再発リスクが高まる

急性期には、うつ病の症状が強く現れているため、少し症状がよくなったと感じても医師の指示通りに服薬を続ける必要があります。

また、ゆっくりと症状が回復していくため、服薬だけではなく身体をしっかりと休めることが重要です。

継続期には症状が落ち着いて、家事や仕事ができるようになるのでは?と感じたり、友人や家族との食事を楽しめたりするため、本人は「治った!」という喜びから服薬をやめてしまうことがあります。

維持期になると、症状が治ったと感じる状態が続きますが油断してはいけません。

継続期・維持期に自己判断で服薬をやめてしまうことで、再発リスクが高くなるため医師の指示通りに過ごすことや服薬をすることが重要です。

うつ病再発の症状

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うつ病は長く付き合っていく可能性がある疾患であるため、症状が現れるたびに「またか……」と余計に落ち込んでしまう方も多いです。

再発の症状は主に初期症状と同様ですが、どのような症状が現れるか患者さんも周りの方も知っておく必要があるでしょう。

うつ病の初期症状?12のサイン丨受診目安・対処法・顔つきの変化も解説

不眠症状

うつ病の患者さんに多いのが、不眠症状です。不眠症状はいくつかに分けられますが、なかでもうつ病の患者さんに多いのが以下の3つです。

  • 入眠困難……ベッドに入ってもなかなか寝付けない
  • 中途覚醒……夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 早期覚醒……眠りが浅く、朝早く目が覚めてしまう

不眠症状は加齢やストレスなどでも起こるケースがあるため、これだけで再発したといえるものではありませんが、何日も症状が改善されない場合はうつ病の兆候の可能性があります。

感情のコントロールができない

うつ病の初期症状にもよくみられるのが、感情のコントロールができないことです。このサインは再発の症状でもあるため、患者さんやご家族は普段と違う状態であれば再発を疑う必要があります。

小さなことでイライラする、なぜかわからないが悲しくて涙が出る、不安で胸がいっぱいになるなど、感情が不安定になるのが特徴です。

女性の場合、生理前に上記のような症状がでる方もいるため、「生理前だからかな」と考えて受診が遅くなることもありますが、いつもと違うと感じたら早めに主治医に相談することをおすすめします。

食欲の変化

うつ病による食欲の変化は、食欲がなくなるだけではなく、過食状態になることもあるため、いつもと違う変化を感じたら再発を疑う必要があります。

また、食事をしていても楽しくない、満腹感が得られない、味を感じないなど、何らかの変化があったら再発の可能性があります。

食べられない、食べたくない、甘いものばかり食べすぎてしまう、吐き気を感じるなど、食欲の変化も敏感に感じ取る必要があるでしょう。

意欲的になれず疲労感が続く

うつ病の典型的なサインとして、何に対しても意欲的になれないことが挙げられます。

これまで楽しめていたことを楽しめなくなった、人と話すのが億劫だと感じるなどの状態が長続きするようであれば、再発を疑います。

また、うつ病を発症すると常に疲労感が続く方もいます。

近所のスーパーに行くだけで息切れがする、家事をするだけで疲れてしまうなど、いつもと違う自分に戸惑ってしまうことも少なくありません。

うつ病が再発する原因

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うつ病は再発を繰り返す方もいて、治療が長引くため服薬を続けるのが嫌になってしまう方も少なくありません。

しかし、再発する原因を知って予防に努めることがうまく付き合っていく近道になることもあります。

うつ病が再発する原因として挙げられることを紹介します。

途中で治療を中断した

前述のように、うつ病には「急性期」「継続期」「維持期」があります。急性期は自分で何かを判断するのが難しい状態であることから、医師の指示通りに服薬できる方がほとんどです。

しかし、継続期、維持期に入ると症状が改善したように思えるため、早く職場復帰したい、周りに病気だと思われたくないなどの心理から、治療を自己判断で中断してしまう方もいます。

継続期や維持期は、まだ脳内の神経伝達物質のバランスが崩れている状態で、完全に回復しているとはいえません。

服薬をやめることで再発するリスクが高まるため、自己判断で治療を中断することはせず、主治医に相談しましょう。

過度のストレス

ストレスはうつ病と大きな関わりがあります。

脳の病気なのでは?と考える方もいますが、ストレスを感じたときに分泌されるホルモンが脳の神経細胞にダメージを与えるため、結果的に再発のリスクを高めます。

例えば、継続期や維持期に職場復帰をして、初期にうつ病を発症したときとかわらない環境で仕事をしていたら、また同じストレスを抱えることになります。

ストレスの原因がハッキリわかっている場合は、そのストレスを取り除くことが重要です。職場環境がストレスなのであれば、部署異動を申し出るなどの対策が必要になるでしょう。

季節の変わり目

うつ病は、季節の変わり目に再発することがあります。特に、秋から冬にかけて日照時間が短くなる季節に多いとされ、原因は脳内の神経伝達物質が影響を受けることです。

この時期に発症するうつ病を「冬季うつ病」と呼ぶこともあり、その場合春先になると改善しますが、改善したからといって治療をやめるべきではありません。

過眠や過食が増えるせいで体重が増加することもあります。

生活リズムの乱れ

毎日寝る時間や起きる時間、食事の時間が違うと、体内のリズムが乱れて感情や意欲をコントロールするとされる「セロトニン」の分泌量が減ってうつ病を再発しやすくなります。

また、すでに再発によって睡眠障害がでている場合、睡眠のリズムが乱れて症状を感じることもあります。

生活リズムが乱れていると感じたら、6~7時間の睡眠をとることを心がけ、夜眠りやすいように運動や日光を浴びるなどの環境づくりも欠かせません。

環境の変化

うつ病が再発する原因として環境の変化が挙げられます。進学や転職などの生活環境の変化や、通常は喜ばしいとされる結婚や昇進などでも再発する可能性も。

前回とは違った原因で発症している可能性も考えられ、患者さん自身はストレスと感じていないことも実際にはストレスとなって積み重なっている可能性が考えられます。

うつ病が再発しやすい人

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うつ病が再発しやすい人は、以下のような人です。

  • 完璧主義
  • 責任感が強い
  • 正義感がある
  • 几帳面

再発するまでの期間には個人差があり、3~4年で再発する方もいれば、30年以上経ってから再発する方もいます。

上記のような性格の方は、ストレスを1人で抱え込みやすく、周りに助けを求めるのが遅くなり悪化してしまう可能性があります。

また、治療を途中でやめてしまったり、過去に複数回うつ病を経験した人も、再発リスクが高くなるといえるでしょう。

うつ病が再発したら

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うつ病が再発したかも……と考えると、「またつらい思いをしなければならない」「また周りに迷惑をかける」と不安が募りますが、再発は珍しいことではないため自分を責めないでください。

しっかりと治療をすすめ、適切な対応をとりましょう。

早めに主治医に相談

再発を疑ったら、早めに主治医に相談しましょう。

服薬を途中でやめてしまった、途中で通うのをやめてしまったなど、相談しにくい状況があるかもしれませんが、クリニックの医師であればそのような状況をくみ取ってくれます。

もし、今の主治医に不安を感じている、話がしにくいなどの状況であれば、セカンドオピニオンを受けるのもよいでしょう。

うつ病を改善に導く第一歩は服薬であるため、現在困っている症状を改善させましょう。

カウンセリングを受ける

うつ病が再発したかもと思ったら、専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けるのも一つの手段です。

ストレスの原因がハッキリ分かっている場合や、誰かに話を聞いてほしいと感じる方は、専門のカウンセラーとの会話のなかでストレスを解消させる糸口が見つかるかもしれません。

もちろん、特定の友人や家族に話を聞いてもらうのもよいですが、自分のことを知らない第三者に意見を求めると違った視点からのアドバイスがもらえます。

かもみーる』のオンラインカウンセリングは、医師や心理士と直接話ができるサービスです。

お悩みに合わせたカウンセラーを選べ、24時間以内にカウンセリングが受けられるため、主治医の予約がとれないときにもご利用いただけます。

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うつ病の再発を防ぐためにできること

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うつ病を一度経験すると、もう二度とあの状況には戻りたくないと誰もが思うでしょう。

しかし、再発率が高い疾患であるため、患者さん自身が再発しないよう心がけることも必要です。

医師の指示に従って治療をすすめる

うつ病の再発を防ぐためには、しっかりと医師の指示に従って治療をすすめることです。

通院が不要といわれるまでは通院を続け、服薬が必要と判断されているのであれば薬を飲み続ける必要があります。

自己判断で服薬をやめてしまうと、再発の恐れがあるだけではなく離脱症状に悩まされることもあります。

ただし、薬には副作用があるため、うつ病の症状よりも副作用がつらい場合は治療薬の変更をするなどの対処が必要です。

医師と二人三脚でうつ病の治療をすすめることが、再発を防ぐ近道となります。

ストレスを遠ざける

うつ病はストレスが原因となることがあるため、ストレスの原因がハッキリ分かっているようであれば、できる限りストレスを遠ざける工夫をしてみましょう。

ストレスの原因が職場にあるとすれば、周囲のサポートを得ながら環境を改善させることが重要です。

うつ病は、周囲の理解とサポートによって改善に向かう傾向があるため、職場、家族、友人などの理解も必要です。

治療を継続していても、ストレスの原因が改善されなければ症状がよくならないこともあります。

ストレスの原因をできる限り遠ざけ、周りのサポートを得ながら治療しましょう。

規則正しい生活を心がける

自分でできる対策としては、規則正しい生活を心がけることです。

毎日同じ時間に起床する、栄養バランスを意識した食事をとる、睡眠の質をあげる、適度な運動を取り入れるなどが有効でしょう。

規則正しい生活を心がけることで、体内リズムが整って精神上の安定につながります。

症状が出ているときは難しいため、安定しているときに規則正しい生活を心がけるようにすると、再発防止になります。

相談できる相手をつくる

ストレス解消の手段として「人に話すこと」も重要です。

特定の友人や家族と話すことでリラックスできる、ストレスが解消されると感じるのであれば、定期的にその時間をとることをおすすめします。

もし、誰にも話せないストレスを感じていたら、うつ病を専門とするカウンセリングで相談することも一つの手段として考えてみてください。

かもみーる』のオンラインカウンセリングは、心療内科や精神科の専門医に直接相談できるため、誰かに話を聞いてほしいと考えている方におすすめです。

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うつ病の再発は早めの対処が必要

うつ病は、約60%の方が再発する疾患とされています。再発は決して珍しいことではなく、もちろん患者さん自身が悪いわけでもありません。

何度も繰り返してしまうとなると、会社や家族への負担を増やすのではないかと不安に思ってしまいますが、うつ病を治すには周りの方のサポートが必要不可欠です。

ストレスの原因を遠ざけ、医師の指示通りに通院を続けて回復を目指しましょう。

医師監修オンラインカウンセリングサービスの『かもみーる』では、うつ病の再発を心配する方へのアドバイスも行っています。

このまま一生薬を飲み続けるのか、誰になんと思われているのか、など再発が起こると不安なことが多くあります。

そんな不安を、ぜひ一度『かもみーる』にご相談ください。

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