手足のしびれは、自律神経失調症と関係している可能性があります。
自律神経は血流や内臓の働きをコントロールしているもので、このバランスが崩れると、しびれをはじめとしたさまざまな不調が表れることがあるのです。
この記事では、自律神経失調症により起こるしびれの症状や対処法について解説します。
自律神経失調症以外のしびれの原因もまとめているため、原因不明のしびれにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れることで、全身にさまざまな不調が表れる状態です。
自律神経は体を活動的にする『交感神経』と、休ませる『副交感神経』から成り立っており、呼吸・血流・消化などを無意識のうちにコントロールしています。
この2つがうまく切り替わることで、私たちの体調は保たれているのです。
しかし、強いストレスや疲労の蓄積、生活リズムの乱れ、環境の変化などが続くと、そのバランスが崩れやすくなります。
その結果、内臓の働きや血流調整がうまくいかなくなり、原因がはっきりしない体調不良がいくつも重なって表れることがあります。
代表的な症状は以下の通りです。
- 倦怠感
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
- 不眠
- 動悸
- 手足の冷えやしびれ
- 胃腸の不調
など
これらは一つだけでなく、複数同時に表れる場合もあります。
自律神経失調症は検査で明確に判断できる基準がなく、「気のせい」や「気分の問題」と誤解されることもあります。
しかし、これらの症状は心と体からのSOSであり、誰にでも起こりうるものです。
症状が長引く場合は無理に我慢せず、心療内科や精神科などの医療機関に相談しましょう。
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自律神経失調症で起こるしびれの種類

自律神経失調症では、神経の働きが乱れることで手足にしびれが表れることがあります。
しびれと一言でいっても、その感じ方や表れ方は人によって異なり、「感覚が鈍くなる」「違和感が続く」「力が入りにくい」など、複数の症状が重なる場合も少なくありません。
しびれの種類は、具体的に以下の3つに分けられます。
- 感覚低下
- 感覚異常
- 運動麻痺
ここでは上記3つのしびれの種類についてそれぞれ解説します。
感覚低下
感覚低下とは、しびれによって触った感覚や温度、痛みを感じにくくなる状態です。
手や指に感覚低下が起こると、物に触れているのに実感が乏しく、「ちゃんと持てているのかわからない」と感じることがあります。
日常動作が不安定になり、これまで問題なくできていた作業がやりづらくなるケースもあります。
また、熱や痛みへの反応も鈍くなるため、やけどやケガに気づきにくい点には注意が必要です。
本人は強い痛みがないため軽く考えがちですが、無意識のうちに体に負担がかかっている場合もあります。
感覚異常
感覚異常は、何もしていないのにピリピリする、ジンジンするなどの違和感が続く状態です。
実際には刺激がないにもかかわらず、「針で刺されるような感じ」「虫が這っているような感覚」「冷たい風が当たっているような感覚」など、人によって表現はさまざまです。
安静にしていても違和感が消えず、落ち着かない気持ちになることもあります。
無意識に手足を動かしたり、こすったりすることで、周囲の目が気になり、精神的な負担が増すケースも少なくありません。
運動麻痺
運動麻痺は、しびれとともに手足に力が入りにくくなり、動かしづらさを感じる状態です。
例えば、物を持とうとしても指に力が入らず落としてしまったり、細かい作業が難しくなったりすることがあります。
本人としては強い脱力感がなくても、「いつも通り動かせない」という違和感が続くのが特徴です。
足に運動麻痺が表れると、地面を踏みしめる感覚が弱くなり、ふわふわとした不安定な歩き方になることがあります。
その結果、つまずきやすくなり、転倒のリスクが高まる点にも注意が必要です。
症状が続く場合や片側だけに強く出る場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
自律神経失調症で起こるしびれの原因

自律神経失調症でしびれが起こる主な原因は、自律神経のバランスが崩れ、血流や筋肉、神経の働きがうまく保てなくなるためです。
強いストレスや疲労が長く続くと、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなります。
すると血管が必要以上に収縮し、血流が悪くなりやすくなります。
血流が低下すると、手足や体の一部が酸素不足になったり、神経が圧迫されたりするため、それがしびれとして感じられることがあるのです。
また、筋肉が緊張しやすい状態が続くことで、周囲の神経が圧迫され、違和感やしびれにつながる場合もあります。
原因となるストレスは、仕事や人間関係といった精神的なものだけではありません。
寒暖差・騒音・夜型の生活・運動不足・時間に追われる生活など、体にかかる負担も自律神経を乱す要因になります。
しびれが常に出ているわけではなく、リラックスしているときに軽くなる場合は、自律神経失調症の可能性があります。
ただし、他の病気が隠れていることもあるため、症状が続く場合は一度医療機関で相談し、原因を確認することが大切です。
自律神経失調症以外のしびれの原因

しびれは自律神経失調症のみで起こる症状ではなく、ほかにもさまざまな原因があります。
- 脊椎の疾患
- 末梢神経
- 脳神経・血管の機能障害
- ビタミン欠乏
- 身体の歪みや後遺症
- ホルモンバランスの乱れ
- 生活習慣が原因で起こる疾患
ここでは上記の原因についてそれぞれ解説します。
脊椎の疾患
しびれを引き起こす原因の一つとして、脊椎の疾患が挙げられます。
脊椎は首から腰、骨盤付近まで伸びた骨が連なった部位で、その中を脊髄という重要な神経の束が通っています。
椎間板ヘルニアや変形性頚椎症などでは、骨や椎間板が変形・突出し、神経を圧迫することで手足や指先にしびれが出ることがあるのです。
特に首の脊椎に異常がある場合は、腕や手のしびれだけでなく、歩きにくさや力の入りにくさを感じることもあります。
腰の脊椎が原因の場合は、足にしびれや痛みが広がるケースが多いでしょう。
脊椎の疾患は一度発症すると完治が難しいケースもあるため、早めに状態を確認して適切な治療を受けることが大切です。
末梢神経
末梢神経の障害でも、しびれはよくみられます。
末梢神経とは、脳や脊髄から枝分かれして手足や皮膚、筋肉へ伸びている神経のことです。
これらが傷ついたり、働きが低下したりすると、感覚が鈍くなったり、ピリピリしたしびれが続いたりします。
代表的な原因の一つが糖尿病です。
高血糖状態が長く続くと、細い血管や神経に負担がかかり、足先からしびれが出やすくなります。
冷えや感覚の鈍さを伴うことも多く、進行すると運動機能に影響が出る場合もあります。
脳神経・血管の機能障害
脳や血管の機能障害が起こると、初期症状の一つとしてしびれが表れる場合があります。
脳梗塞や脳出血などでは、体の片側だけに突然しびれが出ることが多く、顔・腕・足のいずれか、または複数に同時に表れることもあります。
しびれに加えて、ろれつが回らない、力が入らない、意識がぼんやりするなどの症状を伴う場合は注意が必要です。
また、顔面に強い痛みやしびれが出る三叉神経痛など、特定の脳神経が関係する病気もあります。
脳の病気は、治療の開始スピードがその後の経過に大きく影響するため、上記のような症状が表れたら迷わず医療機関を受診しましょう。
ビタミン欠乏
ビタミン欠乏も、しびれの原因になることがあります。
特に身体のしびれと関係が深いのは、ビタミンB群です。
ビタミンB1、B6、B12、葉酸などは、神経の働きを保つために欠かせません。
中でもビタミンB12が不足すると、末梢神経に異常が起こり、手足のしびれや感覚の低下が表れることがあります。
放置すると力が入りにくくなったり、歩行に影響が出たりすることもあるため注意が必要です。
ビタミンが不足しがちな方は、栄養バランスを意識して食事を摂るようにしましょう。
身体の歪みや後遺症
身体の歪みや過去のケガによる後遺症は、神経を圧迫してしびれを引き起こすことがあります。
例えば長時間のデスクワークやスマートフォン操作などで同じ姿勢が続くと、首や肩、腰に負担がかかり、筋肉が緊張しやすくなります。
その結果、血流が悪くなったり、骨格のバランスが崩れたりして、周囲の神経が刺激されることがあるのです。
また、交通事故や転倒、スポーツでのケガなどにより神経が傷つくことで、しびれが生じるケースもあります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの変化も、しびれの原因になることがあります。
特に女性は、妊娠・出産や更年期などのライフステージでホルモンの分泌量が大きく変わります。
女性ホルモンが減少すると、自律神経の調整がうまくいかなくなり、血流が低下しやすくなるのです。
その影響で、手足のしびれやピリピリした痛みを感じやすくなることがあります。
また、手首の神経が圧迫される手根管症候群や、関節の炎症を伴う関節リウマチなど、ホルモンや免疫の影響が関係する病気でもしびれが表れる場合があります。
生活習慣が原因で起こる疾患
日々の生活習慣の積み重ねによって、しびれにつながる疾患を発症することもあります。
例えば、足に合わない靴を履き続けることで足指の神経が圧迫され、しびれや痛みが出るモートン病がその一例です。
胸郭出口症候群も、肩に強い負担がかかる動作を繰り返すことで、肩甲骨周りの神経や血管が圧迫され、しびれを感じる場合があります。
運動不足や睡眠不足、偏った食生活なども体への負担となり、神経や血流の働きを低下させる要因になるため注意が必要です。
自律神経失調症で起こるしびれの対処方法

自律神経失調症で起こるしびれは、生活習慣の改善やセルフケアなどによって和らぐ場合があります。
具体的な対処法は以下の通りです。
- ストレスを解消する
- 血行を促進する
- マッサージやストレッチで筋肉の凝りをほぐす
- 姿勢を改善する
- 規則正しい生活を心がける
- 医療機関を受診する
ここでは上記6つの対処法についてそれぞれ解説します。
ストレスを解消する
しびれをはじめとする自律神経失調症の症状を和らげるには、ストレスを解消してため込まないことが大切です。
特別なことをする必要はなく、自分が「心地よい」と感じられる時間を意識的につくるようにしてみましょう。
散歩や入浴、音楽鑑賞、香りを楽しむなど、短時間でも構いません。
また、悩みや不安を一人で抱え込まず、家族や友人に話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。
血行を促進する
しびれ対策には、血行の促進が有効です。
血流が悪くなると神経に十分な酸素や栄養が届きにくくなり、しびれが出やすくなります。
特に冷えやすい手足や首、腰は、意識して温めることが大切です。
上着やひざ掛けを使って体を冷やさないようにしたり、湯船にゆっくり浸かったりすると、全身の血行が促進されます。
無理のない範囲で、日常的に体を温める習慣を取り入れてみてください。
マッサージやストレッチで筋肉の凝りをほぐす
マッサージやストレッチで筋肉の凝りをほぐすことも、しびれの緩和につながります。
長時間同じ姿勢でいると、筋肉が固まり、神経を圧迫しやすくなります。
手足や肩、首など、しびれを感じやすい部分を中心に、やさしく揉む・さする・軽く叩くといったマッサージを行いましょう。
また、ストレッチで体を伸ばすと血流が良くなり、筋肉がほぐれやすくなります。
仕事の合間に手足を動かしたり、肩を回したりすると、筋肉をほぐしながら血行促進にもつながります。
ただし、原因によってはマッサージが逆効果になることもあるため、痛みが強い場合や原因がはっきりしない場合は、無理せず専門家に相談することが大切です。
姿勢を改善する
神経への負担を減らすには、正しい姿勢を維持することが大切です。
猫背や前かがみの姿勢が続くと、首や肩、腰に余計な力がかかり、骨格の歪みや神経の圧迫を招きやすくなります。
まずは背筋を伸ばし、顎と肩を軽く後ろに引くことを意識してみましょう。
初めは正しい姿勢を維持するのがつらいかもしれませんが、少しずつ慣れてくると、体への負担が減り、しびれの予防につながります。
規則正しい生活を心がける
自律神経を安定させるには、規則正しい生活を心がけることが大切です。
睡眠不足や昼夜逆転の生活が続くと、自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、しびれを含む不調が出やすくなります。
毎日同じ時間に寝て起き、食事を摂る時間もなるべく固定することが大切です。
また、軽い運動を取り入れることで血流が良くなり、気分転換にもなります。
初めから完璧を目指す必要はないため、できる範囲で少しずつ生活習慣を整えていきましょう。
医療機関を受診する
セルフケアで改善しない場合は、医療機関を受診することが大切です。
しびれが長く続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに受診を検討しましょう。
目安として、1〜2週間以上しびれが続くときは、一度医師に相談することをおすすめします。
医師と相談しながら、自分に合った治療を続けていくことが大切です。
自律神経失調症のしびれは適切な対処で改善できる
自律神経失調症によるしびれは、ストレスや生活リズムの乱れによって自律神経のバランスが崩れ、血流や神経の働きが低下することで起こります。
ただし、しびれは脊椎の疾患や末梢神経の障害、生活習慣など、自律神経失調症以外の原因が関係している場合もあるため注意が必要です。
セルフケアを続けても症状が改善しない場合やかえって悪化する場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
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