夜眠れないのはストレスが原因?今日からできる5つの改善法

更新日 2025年09月23日

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「疲れているはずなのに、布団に入ってもなかなか眠れない」こんな状態が続いている背景には、「ストレス」が関係しているかもしれません。

強い緊張や不安は自律神経を乱し、脳を覚醒させたままにしてしまうため、眠りにくくなります。

この記事では、ストレスが睡眠に与える影響をわかりやすく解説し、今日から試せる5つの改善法をご紹介します。

睡眠の質を取り戻し、ぐっすりと眠れるように、生活を改善していきましょう。

疲れているのに眠れないのはなぜ?

「体は疲れているはずなのに眠れない」そんな経験はありませんか。

その背景にはストレスが関係している場合があります。

強いストレスを受けると、交感神経が優位な状態が続き、脳や体が「覚醒モード」から切り替わらなくなります。

その結果、布団に入っても心拍数や血圧が下がらず、緊張状態が続くため入眠しにくくなるのです。

さらに、スマートフォンの長時間使用やカフェイン摂取、生活リズムの乱れも眠れない要因となります。

疲労感が強いのに眠れない状態が続く場合は、ストレス軽減と生活習慣の見直しが必要です。

自律神経が乱れている

自律神経とは、体の働きを自動的に調節する神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立っています。


通常、日中は交感神経が優位になるため、活動モードに入りますが、夜は副交感神経が優位になってリラックス状態となるのです。


ところが、ストレスが強くかかると交感神経が過剰に働き、夜になっても心拍数や血圧が高いままになります。


その結果、ストレスにより脳や体が「休んでいい」という信号を受け取れず、眠りにつきにくくなるのです。

脳が「覚醒モード」になっている

強いストレスや不安を感じると、脳の扁桃体が危険信号を出し続けます。

この信号は交感神経を刺激し、心拍数や呼吸数を上げ、筋肉を緊張させます。

これは本来、危険に備えるための反応ですが、現代社会では仕事や人間関係などの精神的ストレスによっても同じ反応が起こります。

就寝時間になってもこの状態が続くと、頭の中で考え事が止まらず、布団に入っても眠れなくなるのです。

夜眠れないことが体に与える影響

「最近眠れない」「眠りが浅いけれど大丈夫」などと思っていませんか?

不眠は単なる寝不足だけではなく、免疫力の低下やホルモンバランスの乱れ、気分の落ち込みや生活習慣病のリスクが高まるという、心身に深刻な悪影響を及ぼします。

眠れない状態を放置すると、仕事や日常生活にも支障をきたし、健康を損なう恐れがあります。

ここでは、不眠が引き起こす具体的な悪影響を見ていきましょう。

生活習慣病やメンタル不調のリスク増加

ストレスによる不眠は、単なる睡眠不足にとどまらず、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。

まず、免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなります。

また、ホルモンバランスの乱れにより体内時計が狂うため、感情のコントロールも難しくなります。

その結果、集中力の低下や仕事の効率悪化、人間関係のトラブルなど、日常生活にも影響が及びます。

さらに、慢性的な不眠は生活習慣病やメンタル不調のリスクを高め、長期的に健康を蝕む可能性があります。

「少し眠れないだけ」と軽く考えず、早めに対策をとることが、心身の健康を守る第一歩です。

免疫機能低下・ホルモンバランスの乱れ

睡眠は体の修復に欠かせない時間であり、眠っている間に免疫細胞の働きが活発になり、体のダメージを修復します。

しかし、夜眠れない状態が続くと免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなります。

さらに、成長ホルモンやメラトニンといった睡眠に関わるホルモンの分泌が乱れ、体内時計のバランスが崩れやすくなります。

こうしたホルモンの乱れは自律神経の不調や代謝の低下を招き、疲労感が取れにくくなるだけでなく、体調不良が慢性化する原因となります。

睡眠が持つ「自然の治療力」が働かない状態が続くことは、心身にとって大きなリスクといえます。

うつ病・不安障害などのメンタル不調

不眠が長引くと、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、うつ病や不安障害などメンタル不調のリスクが高まります。

ストレスを背景に眠れなくなると、心のエネルギーが消耗し、日常生活で喜びや意欲を感じにくくなります。

また、不安や落ち込みが強まるとさらに眠れなくなり、悪循環が起こりやすくなります。

気分が不安定になれば、人間関係や仕事にも支障を及ぼし、孤独感や自己否定感が強まるケースもあります。

「一時的な不眠だから」と軽視するのではなく、早期に専門的なサポートを受けることで心身の回復が促され、悪循環を断ち切ることが可能になります。

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生活習慣病への影響

慢性的な睡眠不足は、血糖値や血圧をコントロールする機能を低下させ、糖尿病や高血圧のリスクを高めます。

睡眠不足が続くと、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増え、食欲を抑える「レプチン」が減少します。

その結果、過食や肥満を招きやすくなり、肥満が高血圧や糖尿病の悪化につながるという悪循環が生じます。

さらに、生活習慣病は動脈硬化や心疾患といった重大な病気のリスクにも直結するため、睡眠不足を軽視することはできません。

質の高い睡眠を確保することが、健康を維持するために最も効果的な予防策です。

眠れない時の対処法5選

夜眠れないときは、無理に眠ろうとするよりも、心身をリラックスさせることが大切です。

たとえば、軽いストレッチや深呼吸をしたり、温かい飲み物をとったり、間接照明の下で読書をしたりすることが効果的です。

またブルーライトは脳を刺激するため、就寝前にスマホやパソコンを使用するのは避けましょう。

眠れないと考えるのではなく、心と体を落ち着ける習慣を取り入れることが、翌日の回復につながります。

体温コントロール

眠りにつきやすくするには、体温のコントロールが効果的です。

人は深部体温が下がると自然に眠気が訪れるため、就寝の約90分前に入浴し体を温め、その後の体温低下に合わせて布団に入るとスムーズに入眠しやすくなります。

たとえば、38〜40℃程度のぬるま湯にゆっくり浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果も得られます。

もし入浴が難しい場合は、足湯や蒸しタオルを使って部分的に温めるのも有効です。

体温の自然なリズムを活かすことで、眠りやすい体づくりにつながります。

光と音を使った入眠環境の最適化

寝室の環境を整えることも安眠のために欠かせません。

強い光は脳を覚醒させるため、就寝の約1時間前からは暖色系の間接照明に切り替えるのがおすすめです。

外光が差し込む場合は遮光カーテンやアイマスクを使い、暗さを保ちましょう。

また、騒音や小さな音も眠りを妨げるため、寝る時は耳栓やホワイトノイズ、川のせせらぎや雨音といった環境音を取り入れると安心感が増し、眠りに入りやすくなります。

マインドフルネス呼吸法

ストレスが原因で眠れないときは、呼吸が浅く速くなりやすい傾向があります。

そんな時に役立つのが『マインドフルネス呼吸法』です。

やり方はシンプルで、鼻からゆっくり息を吸い、口から長く吐きながら呼吸に意識を集中させます。

雑念や不安が浮かんでも否定せず、「今この瞬間の呼吸」に意識を集中するのがポイントです。

最初は5分程度から始め、慣れてきたら10分、15分と延ばすと、心身のリラックス効果がより高まります。

寝る前に実践することで緊張が解け、自然な眠気を呼び戻す助けになります。

(参考:日本メディカル心理セラピー協会

ストレス日記で脳の情報整理

眠れない原因が『考えすぎ』である場合、頭の中を整理する工夫が必要です。そこで役立つのが『ストレス日記』です。

日記には、今日起こった出来事や感じた感情、体の反応をそのまま書き出し、最後に『今できる対処法』を一つだけ書くと、不安を抱え込むよりも気持ちが軽くなります。

書くという行為は自己整理のプロセスでもあり、安心感を生み出して入眠しやすい状態へ導いてくれるのです。

香りと音楽によるリラックス誘導

心を落ち着かせる方法として『香り』と『音楽』を活用するのも効果的です。

ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルは副交感神経を刺激し、リラックスを促します。また、ハーブティーを取り入れるのもおすすめです。

さらに、静かなクラシック音楽や波の音、雨音などの自然な音を聞くことで心拍数を落ち着け、安心感が得られます。

香りと音の組み合わせは、眠りやすい環境を作り出します。

寝る前に、香りを楽しみながら静かな音楽を聴くという習慣を取り入れると、毎晩スムーズに入眠しやすくなるためおすすめです。

生活習慣から見直すストレス耐性アップ法

一時的な対処だけでなく、日常生活全体を見直すことが、長期的な睡眠改善には欠かせません。

規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの取れた食事はストレス耐性を高めます。

また、人との交流や趣味の時間を持つことも、心の回復力を育てる一つです。

生活全体を整えることで、夜眠れない状態を根本から改善できます。

朝日を浴びて体内時計をリセット

良質な睡眠のためには、朝に体内時計を整えることが重要です。

起床後すぐにカーテンを開けて朝日を浴びると、体内時計がリセットされ、夜には自然な眠気が訪れやすくなります

光を浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ、代わりにセロトニンが活性化して心身が目覚めモードに切り替わります。

特に不規則な生活を送りがちな人や、外出が少ない人は、意識的に朝の光を取り入れることが大切です。

日中の軽い運動で睡眠の質を向上

睡眠の質を高めるには、日中に軽く体を動かすことが効果的です。

ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなどの運動は、深い睡眠を促す働きを持っています。

運動によって体温が一時的に上がり、その後下がる過程で眠気が自然に訪れるためです。

ただし、過度な運動や就寝直前の激しい運動は逆効果となり、交感神経を刺激して眠れなくなる恐れがあります。就寝の3時間以上前までに軽い運動を取り入れるのが理想です。

毎日の生活に無理のない範囲で運動を組み込むことで、夜の眠りがぐっと深まり、朝の目覚めも快適になります。

カフェイン・アルコールとの付き合い方

飲み物の選び方も睡眠の質に大きな影響を与えます。

カフェインには覚醒作用があり、摂取してから4〜6時間は体内に残るため、午後以降のコーヒーや緑茶、エナジードリンクは控えることが望ましいです。

また、アルコールは一時的に眠気を誘うものの、睡眠の質を低下させ、中途覚醒や浅い眠りの原因となります。


夜眠れないと感じている人ほど、寝酒や深酒には注意が必要です。

ナイトルーティンの確立

毎晩同じ行動を繰り返すナイトルーティンを取り入れることで、脳に『これをしたら眠る時間だ』と学習させる効果があります。

たとえば、入浴や軽いストレッチ、読書、アロマを焚くなど、自分に合った習慣を決めておくと入眠のスイッチが入りやすくなります。

重要なのは、毎日同じ順序・同じタイミングで行うことです。こうしたルーティンは心身を落ち着け、副交感神経を優位に導きます。

医療機関を受診するタイミング

セルフケアを続けても改善しない場合や、日常生活に影響が出ている場合は、医療機関に相談しましょう。

睡眠外来や精神科、心療内科では、原因に応じた治療やカウンセリングを受けられます。

具体的には、以下のようなケースは早めの受診を検討しましょう。

  • 3週間以上不眠が続く
  • 日中の強い眠気や集中力低下がある
  • 気分の落ち込みや意欲低下が見られる

不眠が一時的なものであれば生活習慣の見直しで改善することもありますが、3週間以上続く場合は慢性化の恐れがあります。

また、夜に眠れないだけでなく、日中に強い眠気や集中力の低下を感じる場合も注意が必要です。

睡眠不足が続くと脳の働きが鈍り、仕事や学習効率の低下、事故やミスの増加につながるため注意しましょう。

この他にも、気になる症状やつらい気持ちが少しでもあれば、早めに医療機関に相談するのがおすすめです。

不眠とメンタル不調は相互に影響し合い、悪循環を生み出すため、早期に適切なサポートを受けましょう。

セルフケアと専門家のサポートで快眠を取り戻そう

夜眠れない原因は、日常のストレスや生活習慣の乱れから始まり、放置すると心身に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

免疫力の低下や生活習慣病のリスクだけでなく、メンタル不調につながることも少なくありません。

まずは生活習慣の改善やセルフケアから取り組むことが大切ですが、3週間以上不眠が続く、日中の強い眠気がある、気分の落ち込みや意欲の低下が見られる場合には、専門的なケアが必要なサインです。

「眠れないのは一時的なこと」と我慢するのではなく、早めに専門家へ相談してみましょう。

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