気分が落ち込むのは病気のせい?原因や対処法を紹介

更新日 2025年10月06日

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気分が落ち込む日が続くと、「このままで大丈夫かな」と不安になります。

誰にでも気分が沈む日はあるものですが、それが何日も続いたり、日常生活や仕事に支障が出たりしている場合は、何らかの心の不調や病気が関係している可能性もあります。

例えば、仕事のミスを必要以上に引きずったり、何をしても楽しめなかったり―。

「やる気が出ない」「漠然とした不安が消えない」と感じているなら、注意が必要です。

この記事では、気分が落ち込む原因やセルフケアの方法、病院を受診すべきサインについて詳しく解説します。

今の状態が一時的な落ち込みなのか、それとも治療が必要なものなのか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

気分が落ち込む原因とは?

気分が落ち込むことは誰にでもありますが、原因によっては注意が必要です。

一時的なストレスや疲れによる落ち込みであれば、しばらくすれば回復することも多いでしょう。

しかし、心や体の病気が関係している場合には、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。

ここでは、気分の落ち込みを引き起こす代表的な原因を「一時的なもの」と「病気が関係するもの」に分けて紹介します。

よくある一時的な落ち込みの原因

日常の中で誰にでも起こり得る落ち込みは、次のような要因によって引き起こされます。

環境要因

家庭や職場、学校などの生活環境がストレスとなり、気分が落ち込むことがあります。

  • 家庭内の問題:夫婦関係の不和、DV、介護の負担、経済的な困難など
  • 職場のストレス:パワハラ、過度な業務量、長時間労働、成果を求められるプレッシャーなど
  • 学校での悩み:友人関係のトラブル、成績へのプレッシャー、教師との関係など

こうした外的ストレスは、蓄積されることで心身に大きな負担となり、気分の落ち込みにつながります。

心理的な要因

以下のような心理的な問題も、気分の落ち込みを招く原因になります。

  • 長引くストレスや不安
  • 過去のトラウマ
  • 自己肯定感の低下
  • 孤独感
  • 人間関係の悩み

特に、ネガティブな思考が続いていると、気持ちが前向きになれず、慢性的な落ち込みに発展しやすくなります。

身体的な要因

体の状態も、心の状態に大きく影響を与えます。

  • 睡眠不足
  • 栄養バランスの乱れ
  • 過労
  • 運動不足
  • 慢性的な病気や体調不良

また、女性に多く見られる要因として、以下のようなホルモンバランスの変化もあげられます。

  • PMS(月経前症候群)
  • 更年期障害による情緒不安定

これらの身体的な要因によって、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、気分の落ち込みを感じやすくなることがあります。

病気が関係している場合

気分の落ち込みが長引いている、生活に支障が出ているといった場合には、何らかの心や体の病気が背景にある可能性もあります。

代表的なものは以下のとおりです。

うつ病

代表的な心の病気で、気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続くのが特徴です。

「うれしい」「楽しい」といった前向きな感情が起きにくくなり、「自分は価値がない」「消えてしまいたい」といったネガティブな感情に支配されることもあります。

睡眠や食欲にも影響が出ることが多く、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

自律神経失調症

自律神経のバランスが乱れることで、心身にさまざまな不調が現れる状態を指します。

代表的な症状は、倦怠感・頭痛・動悸・不安感・胃腸の不調などです。

ただし、病院で検査をしても明確な異常が見つからないことも多く、原因不明の体調不良が続く場合にこの診断が下されることがあります。

適応障害

環境の変化や強いストレスにうまく対応できず、気分の落ち込みや不安が強くなる病気です。

例えば、転職・離婚・人間関係のトラブルなど明確なきっかけがあるのが特徴です。

原因となる出来事から距離を置くと症状が改善しやすいですが、放置すると悪化することもあります。

双極性障害(躁うつ病)

うつ状態と躁状態を繰り返す病気です。

  • うつ状態:気分が落ち込み、何もする気になれない
  • 躁状態:気分が異常に高ぶり、活動的になりすぎる・睡眠が減る・怒りっぽくなる

うつ状態だけを見て『うつ病』と診断されるケースもありますが、実際には異なる疾患です。

正確な診断と治療のためには、専門医による詳細な問診が重要です。

不安障害(不安症)

強い不安や緊張が長期間続き、日常生活に支障をきたす病気です。

  • 他人の評価を過度に気にしてしまう
  • 将来に対して常に不安を感じている
  • 不安で眠れない・外出できない

このような状態が続くと、自信を失い、気分が落ち込むことがあります。

気分の落ち込み、受診の目安は?セルフチェックで確認しよう

気分の落ち込みは誰にでも起こり得るものです。そのため、「病気かもしれない」と思っても、受診に踏み切れない方も少なくありません。

そこでまずは、自分の状態を簡単に振り返ってみましょう。

以下の項目に、当てはまるものがいくつあるかチェックしてみてください。

  • 何をしても楽しい・うれしいと感じられない
  • 特に理由がないのに気分が沈んでいる
  • 頭がうまく働かず、集中力や判断力が落ちている
  • 将来について漠然とした不安が続いている
  • 自分に価値がないと感じることがある
  • やる気がまったく出ず、何も手につかない
  • 食欲が極端に増えたり、減ったりしている
  • 朝起きるのがつらく、仕事や学校に行くのが億くう
  • ひとりでいるときに孤独感や虚しさを感じる
  • 気分の落ち込みが2週間以上続いている

当てはまる項目が複数ある方は、心の不調が始まっているサインかもしれません。

特に以下の状態は注意が必要です。

  • 気分の落ち込みが2週間以上続いている
  • 日常生活や仕事に支障をきたしている

このような場合は、無理をせずに専門の医療機関に相談することをおすすめします。

気分の落ち込みがつらいときは医療機関に相談を

気分の落ち込みが続いていたり、理由もなく憂鬱になることが増えていたりする場合、その背景に心や体の病気が隠れている可能性があります。

とはいえ、「熱がある」「喉が痛い」などの身体的な症状と違い、「気分が落ち込むくらいで病院に行っていいのかな?」と迷ってしまう方も少なくありません。

特に、精神科や心療内科への受診にはハードルを感じる方が多いものです。

しかし、メンタルの不調も早めの受診がとても大切です。

早めの受診が、早めの回復につながる

どんな病気でも、早期発見・早期治療が回復への近道ですが、これは心の病気にも当てはまります。

不調を放置していると、徐々に悪化して仕事や生活に支障が出ることもあります。

一方で、早めに症状に気づき、必要な治療やサポートを受けることで、症状が軽いうちに回復できる可能性が高まります。

「ずっと気分が落ち込んでいてつらい」「何をしても楽しくない」と感じている方は、症状が軽いうちに相談しておくことが重要です。

また、病院に行くのが不安な場合でも、専門家に話すだけで気持ちが軽くなることもあります。

一人で抱え込まず、まずは気軽に相談してみてください。

オンライン診療も選択肢に

近くに病院がない、対面での受診に抵抗があるという方は、オンライン診療を活用する方法もあります。

現在では、精神科や心療内科の中にはオンライン診療に対応しているところもあり、自宅にいながら診察を受けたり、必要に応じてお薬を処方してもらったりすることができます。

特に『かもみーる』では、初診からオンライン診療に対応しているため、「病院に行くほどかな?」という悩みを気軽に相談できるのが特徴です。

医師による診察に加え、公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士によるオンラインカウンセリングも提供しており、外出が難しい方でも安心して利用できます。

オンライン診療のメリットや受診方法については、以下の記事でも解説しています。

精神科・心療内科のオンライン診療のメリットとは│流れ&診断書の発行について解説

医療機関ではどんな治療をするの?気分の落ち込みへの対応法

精神科や心療内科では、まずは医師との問診や診察を通じて、気分の落ち込みの原因を丁寧に探っていきます。

必要に応じて心理検査や血液検査なども行い、心と体の状態を総合的に把握したうえで診断・治療方針の決定がなされます。

原因が心の病気によるものと診断された場合の治療法

原因が心の病気によるものと診断された場合は、症状の程度や本人の状況に応じた治療が行われます。

ここでは、代表的な治療方法を紹介します。

休養|まずは心と体を休めることが大切

気分の落ち込みが強く、意欲がわかない状態が続いているときには、何よりも休むことが必要です。

特にうつ病などの方は、日常的に頑張りすぎてしまう傾向があるため、意識的に休養をとりましょう。

状態によっては、仕事や学校を一定期間休む休職や休学がすすめられることもあります。

薬物療法|症状を和らげるためのサポート

症状に応じて、以下のような薬が処方されることがあります。

  • 抗うつ薬(セロトニンやノルアドレナリンの働きを整える)
  • 抗不安薬(不安感や緊張を和らげる)
  • 睡眠導入剤(眠りやすくする)
  • 漢方薬(ホルモンバランスや自律神経の乱れに対応)

薬はあくまで症状を和らげるための手段であり、無理に続けるものではありません。

副作用などに不安がある場合も、医師に相談しながら調整できます。

精神療法・心理療法|心の整理と再発予防

カウンセリングや認知行動療法などの心理療法を通して、心の整理を行い、ストレスへの対処力を高めます。

「どうして落ち込んでしまったのか」「どのように考えれば気持ちが楽になるのか」を専門家と一緒に考えていくことで、再発予防にもつながります。

環境調整・生活指導|心に負担の少ない環境を整える

心の負担を軽減し、回復をサポートするために、医療機関では以下のような取り組みを提案することがあります。

  • 働き方や生活リズムの見直し
  • 家族や職場との関係性の調整
  • 利用できる制度(休職、障害者雇用、公的支援など)の案内

医療機関では、単に症状を治療するだけでなく、再発を防ぐための環境調整にも力を入れています。

気分が落ち込むときのセルフケア方法

気分が落ち込んだとき、「できることならセルフケアで少しでも楽になりたい」と思う方は多いでしょう。

ここでは、日常生活の中で無理なく取り入れられるセルフケアの方法を紹介します。

軽い不調の場合は、セルフケアで改善が期待できることもありますし、すでに治療中の方にとっても、日常のセルフケアは回復や再発予防のサポートになります。

ただし、症状がつらい・長く続く・生活に支障が出ている場合は、自己判断せず医療機関の受診を検討してください。

生活習慣を見直す

規則正しい生活リズムを意識し、睡眠時間をしっかり確保しましょう。

メンタルの不調があると、朝起きづらくなったり、夜眠れなくなったりして睡眠が乱れがちです。

しかし、不規則な生活は自律神経やホルモンバランスの乱れを悪化させます。

以下を心がけてみましょう。

  • 就寝・起床時間を決めて守る
  • 1日3回の食事を規則正しくとる
  • 栄養バランスを意識する
  • 軽い運動(散歩、ストレッチなど)を定期的に行う

気分転換を習慣にする

日々の生活の中で、少しずつストレスは蓄積します。

真面目な人ほどその影響を受けやすいため、意識的に気分転換の時間を取りましょう。

以下のようなことをやってみてはいかがでしょうか。

  • 好きな音楽を聴く
  • アロマや香りを楽しむ
  • 美味しいデザートや温かい飲み物を味わう
  • 軽く体を動かす

「何もしたくない」ときも、小さな楽しみを一つだけやってみることが、気持ちを和らげるきっかけになります。

落ち込んでいる自分を受け入れる

落ち込んでいる自分を責めてしまうと、さらに気分が沈むことがあります。

「なんでいつもこうなんだろう」と否定するよりも、まずは「今、自分は落ち込んでいるんだな」と認めてあげましょう。

自分の気持ちを受け入れることで、感情が落ち着き、立ち直るきっかけになることもあります。

気分が落ち込む状態が続く場合は、早めに相談を

気分の落ち込みは、誰にでも起こりうる自然な感情の変化です。

しかし、2週間以上続く、生活に支障が出る、楽しさや喜びを感じられないなどの状態がある場合は、心の病気が関係している可能性があります。

「つらい」「おかしいな」と感じたら、早めに医療機関を受診することが、回復への近道です。

医師監修のオンラインカウンセリング『かもみーる』では、心療内科や精神科の受診を迷っている方でもオンラインで気軽に相談できます。

また、24時まで相談できる体制を整えているため、仕事の後や夜間でも利用可能です。

心の不調は、早期対応で改善しやすくなります。ひとりで抱え込まず、『かもみーる』で相談してみてください。

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