「理由もないのに、毎日泣いている」「すぐ泣いてしまう」といった状態が続くと、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。
理由もなく涙があふれる背景には、ストレスや疲労だけでなく、うつ病や気分障害などの病気が隠れていることもあります。
この記事では、涙が止まらない原因や考えられる病気、そして心を和らげるケア方法について詳しく解説します。
ひとりで抱え込まず、回復に向けて一歩を踏み出すための参考にしてください。
毎日泣いている・涙が止まらない時に考えられる原因

毎日涙が止まらずに泣いてしまう原因には、さまざまなものがあります。
心理的な負担や心の不調、ストレスの蓄積、他にもうつ病などの精神疾患が要因となっている場合もあります。
また、女性の場合はホルモンバランスの変化によって、涙もろくなることも珍しくありません。
他にも、生活習慣の乱れや睡眠不足、疲労によっても涙が止まらないというケースもあります。
涙が出る原因は何かを見極めることが、対処に繋がります。
うつ病やうつ状態
うつ病やうつ状態は、心のエネルギーが著しく低下し、気分が沈んだり、興味や喜びを感じなくなる状態です。
特徴は、涙もろくなったり、理由もなく泣いてしまうということがあげられます。
うつ病では気持ちが落ち込むだけでなく、集中力の低下や睡眠障害、食欲不振なども伴います。
涙が止まらない状態が続く場合、うつ病の可能性も考えられるため、早めに専門医の診察を受けることが大切です。
適応障害や強いストレス
適応障害とは、環境の変化や強いストレスに心がうまく適応できない状態です。
例えば、人間関係や家族内トラブル、仕事のプレッシャーなどに直面すると、感情が不安定になり涙が止まらなくなる症状が起こることがあります。
また、ストレスが過度にかかると、自律神経のバランスも乱れ、体調不良や精神的な疲労を引き起こします。
適応障害の症状は自分で解決が難しいため、早めに専門的なケアを受けることが大切です。
涙が止まらないなどの症状が続く場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
▶適応障害とは?再発率や兆候・繰り返さないための対策・復職時の注意点を解説
ホルモンバランスの変化
女性特有のホルモンバランスの変化は、涙もろさや感情に大きく影響します。
特に生理前のPMSや妊娠期、更年期などは、エストロゲンやプロゲステロンなどの分泌が変動しやすく、感情の起伏が激しくなり、涙が止まらないこともあります。
これは、身体の自然な反応であり、一時的なものであることも多いです。
しかし、ホルモンバランスの乱れが長期的に続き、日常生活に支障をきたすほど涙が出やすい場合は注意が必要です。
涙が出る日が続く場合は、婦人科や心療内科などの医療機関に相談し、必要に応じて検査や治療を受けることで、症状の改善につながります。
その他の心身の不調
涙が止まらない背景には、うつ病や適応障害の他にも、さまざまな心身の不調が関わることがあります。
例えば、自律神経失調症、甲状腺機能の異常、慢性的な睡眠不足、栄養不足といった症状が起こりやすくなります。
これは、感情のコントロール力が低下することにより、涙もろくなるからです。
体調不良が続くと脳内ホルモンのバランスも乱れ、少しの刺激でも涙が出ることもあります。さらに、持病や長引く体の痛み、過去のトラウマなどが影響している場合もあります。
こうした心身の不調は、自分では気づきにくく、放置すると悪化する恐れがあります。
「涙が止まらない」「理由もないのに涙が出る」といった状態が長く続く場合は、内科や心療内科などで原因を調べ、早めに適切な治療を受けることが大切です。
泣く日々が続く場合は注意

泣くことは、人間がストレスや感情を解放する自然な行為です。
涙を流すことにより、副交感神経が優位になり、心身がリラックスしやすくなる効果があります。
しかし、毎日のように涙が止まらない状態が続く場合は、心や体がSOSを出しているサインかもしれません。
特に、「理由がわからないのに涙が出る」「生活全般にやる気がなくなっている」といった場合には注意が必要です。
泣くことは悪いことではありません。しかし、泣いてしまう背景には精神的・身体的な不調が隠れていることがあります。
『泣くこと』が習慣化していると感じたら、無理せず専門家や医療機関に相談し、原因に合ったサポートを受けることが大切です。
毎日泣いている・涙が止まらないときのセルフケア

涙が止まらない日が続くと、気持ちが沈み込みやすくなります。
そんなときは、まず自分でできるセルフケアを行うのがおすすめです。
セルフケアの内容としては、以下の方法が有効です。
- 感情や思考を整理し、感情を書き出す
- 信頼できる人に自分の気持ちを話す
- 意識的に休息を取る
- 深呼吸や瞑想で心を落ち着ける
上記のセルフケアは脳や神経の緊張を和らげ、涙が出る頻度を減らす助けになります。
夜はスマホやパソコンの光を避け、質の良い睡眠をとることも重要です。
ただし、セルフケアはあくまで応急的なサポートです。
セルフケアを行っても改善が見られない場合や、日常生活に影響が出ている場合は、無理に我慢せず医療機関を受診しましょう。
感情を書き出す
今の感情を書き出すことで、気持ちが落ち着き、泣くことが減る場合もあります。
涙が止まらないときは、紙やノート、スマホのメモアプリに、浮かんだ言葉や感情をそのまま書き出してみましょう。
文章にすることで、頭の中のモヤモヤを吐き出し、客観的に自分の心の状態を把握できます。
書き方に決まりはなく、短い単語でも長文でも構いません。書き出す際には、日付を入れて記録すると、自分の感情の変化やパターンも見えやすくなります。
こうした「感情の可視化」は、ストレス軽減や気持ちの整理に役立ち、涙が止まらない状況を和らげる第一歩になります。
信頼できる人に話す
信頼できる人に自分の気持ちを話すことは、涙が止まらないときに有効な対処法です。
人は感情を共有することで、孤独感が減り、「癒やしホルモン」や「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが脳内に分泌されます。
これにより心が落ち着き、涙が出る頻度が減ることもあります。
話す相手は、家族や友人、同僚など、自分を否定せず受け止めてくれる人を選ぶことが大切です。
「つらい」「疲れた」というような一言でも構わないので、伝えることで心の負担を軽くできるでしょう。
心と体を休める
涙が止まらない原因の多くは、心身の疲労と密接に関係しており、十分な休息をとらずにいると、自律神経が乱れて感情のコントロールが難しくなります。
意識的に休む時間をつくり、スマホやPCから離れて静かな時間を過ごすことが大切です。
睡眠の質を高めるためには、就寝前の照明を落とし、深呼吸やストレッチで体をほぐすのがおすすめです。
また、休日には自然の中で過ごす、温かいお風呂にゆっくり入るなど、体と心がほっとできる習慣を取り入れましょう。
休養は心の治療の第一歩でもあり、十分に休むことで脳と体が回復し、涙の頻度や感情の揺れも次第に落ち着いていきます。
呼吸法や瞑想
涙が止まらないときは、知らず知らずのうちに呼吸が浅く早くなっていることがあります。
それは、呼吸が乱れて脳がストレスを感じやすくなり、感情の高ぶりが収まりにくくなるからです。
そんなときは、腹式呼吸をしたり瞑想を取り入れるのがおすすめです。
腹式呼吸は、数分繰り返すだけで副交感神経が優位になり、心が落ち着きます。
また、瞑想は、目を閉じて呼吸や体の感覚に意識を向けるだけでいいので、忙しい方でも挑戦しやすいセルフケアです。
日常的に呼吸法や瞑想を習慣化すると、感情の波を穏やかに保つ力が高まります。
毎日泣いている・涙が止まらないときに受診を検討すべきサイン

涙が2週間以上続き、気分の落ち込みや不眠、食欲不振、無気力感などがある場合は専門機関の受診を検討しましょう。
身体的な異常や精神的な病気の可能性があるため、自己判断せず専門家に相談することが大切です。
毎日泣いている・涙が止まらないときに専門家に相談するメリット

専門家に相談することで、自分の状態を正確に把握し、適切な治療やケアを受けられます。
医師や心理カウンセラーは、涙が止まらない原因を専門的に分析し、必要に応じて薬物療法や心理療法を提案してくれます。
さらに、話を聞いてもらうことで孤独感や不安が軽減されるというメリットもあります。
オンライン診療サービス『かもみーる』は、24時まで診療可能です。
「専門機関は初めて」「症状をうまく説明できるか不安」という方にも、一人一人丁寧に寄り添って対応しています。
スマホやパソコンから簡単に予約できるため、忙しくなかなか時間が取れないという方もぜひお気軽にご相談ください。
毎日泣いている・涙が止まらないときのよくある質問(FAQ)

『毎日泣いている』『涙が止まらない』ということについて、よくある疑問や不安をまとめました。
毎日泣くことの意味や、涙がストレスに与える影響、泣きすぎた場合の体への影響など、気になるポイントをわかりやすく解説しています。
泣くことに関する基本的な疑問を整理して、不安解消の参考にしてください。
Q1. 毎日泣くのは病気ですか?
毎日涙が出るからといって、病気とは限りません。
涙が増えてしまう理由が、人生のつらい出来事やストレスが原因の場合もあります。
ただし、涙が長期間続く場合や、気分が重くて日常生活に影響が出ている場合は、うつ病や適応障害などの精神疾患の可能性も考えられます。
症状が改善しない場合や不安が強いときは、早めに専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
Q2. 泣くことで本当にストレスは減るの?
涙を流すことには、ストレスを軽減する効果があるとされています。
それは、泣くことで体内の緊張が緩み、精神的な解放感が得られるからです。
科学的にも、一部の研究で涙を流すことでストレスホルモンが減少し、リラックス効果が期待できると報告されています。
ただし、涙だけで問題が解決するわけではなく、根本的なストレス源への対処や環境改善もしていくことが大切です。
(参考:情動性の涙のストレス緩和作用に関する研究)
Q3. 泣きすぎると体に悪影響はありますか?
過度に泣き続けると、目の充血や頭痛、疲労感が増したり、体内の水分や電解質が失われ、脱水症状のリスクもあります。
他にも、精神的にも疲労が蓄積し、体調不良を招くことがあります。
泣きすぎる場合は無理をせず、しっかり休息をとり、体を休めることが大切です。
必要に応じて専門家に相談し、涙の原因を根本から解決しましょう。
Q4. 泣きたいのに泣けないときは?
泣きたいのに涙が出ない状態は、感情がうまく表現できないサインかもしれません。
心が疲れているときやストレスが過度にかかっている場合に起こりやすく、感情が閉じ込められていることがあります。
そんな時は、無理に涙を出そうとせず、自分の感情を認めることが大切です。
リラックスできる環境でゆっくり深呼吸をしたり、信頼できる人に話すことで気持ちが解放されやすくなります。
Q5. 受診前にできることはありますか?
医療機関やカウンセリングを受診する前に、まずセルフケアを試みましょう。
感情を書き出したり、信頼できる人に話すことで心の整理がつきやすくなります。
他にも、十分な睡眠やバランスの良い食事、リラックス法の実践も効果的です。
無理に感情を抑え込まず、自分の気持ちを受け入れることが大切ですが、これらを行っても症状が改善しない場合や悪化する場合は、早めに専門機関を受診しましょう。
心からのサインを見逃さないで
涙が止まらないとき、それは心や体からの大切なサインかもしれません。
原因はうつ病や強いストレス、ホルモンバランスの変化などさまざまです。
泣くことは心を軽くする作用がありますが、長く続く場合はセルフケアだけでは十分ではないこともあります。
休息や呼吸法、信頼できる人との会話などのセルフケアを行い、それでも改善が見られないときは早めに専門家に相談しましょう。
早期の対応が、症状の悪化を防ぎ、心と体の回復を後押しします。
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