「なんだかやる気が出ない」「気分が落ち込みがち」毎日の生活の中で、そんなふうに感じることはありませんか?
精神的に疲れていても、心の疲れは目に見えにくいため、気づかないうちに蓄積されてしまいます。
この記事では、精神的に疲れている時に起こりやすい症状や主な原因をわかりやすく解説し、セルフケアやリフレッシュ方法をご紹介します。
精神的に疲れた時、自分を労わる際の参考にしてください。
精神的に疲れたと感じるのはなぜ?

『なんとなく気分が晴れない』『何をしても楽しくない』と感じることはありませんか?精神的な疲れは、毎日の生活の中で少しずつ蓄積されていきます。
そして、気づいた時には心身に大きな影響を及ぼしていることもあるのです。
ここでは、精神的に疲れたと感じる理由を明らかにし、その背景にある原因を紐解いていきます。
過度な責任やプレッシャーを受けている
仕事や家庭、学校などのあらゆる場面において責任を抱えすぎると、心が緊張状態を維持し続けてしまい精神的な疲労を招きます。
「失敗してはいけない」「自分が頑張らなければ」という思いが強ければ強いほど心は休まらなくなり、ストレスが蓄積していきます。
特に、完璧主義や責任感が強い傾向にある人は、自分自身に高すぎる期待をかけてしまいがちです。
その結果、心身が限界に達する前に不調として表れることもあります。
健やかな心を保つためには、あえて手を抜くことや、人に頼ること、『できない自分』を認めることも大切です。
人間関係のストレスを感じている
人間関係の悩みは、精神的な疲れの大きな原因の一つです。
家族や職場の同僚、友人などとの関係がうまくいかないと、それだけで大きなストレスとなります。
自分の本音を言えなかったり、気を遣いすぎて自分の気持ちを抑え込んだりすると、知らず知らずのうちに精神的エネルギーが消耗されていきます。
特に、苦手な相手や価値観の合わない相手との関わりが避けられない場合、精神的に強い負担がかかります。
そんな時は、相手に無理に合わせようとしないこと、必要以上に自分を責めないこと、距離をとることが大切です。
また、信頼できる人に気持ちを話すだけでも、心が軽くなることがあるので、思いの丈を話してみましょう。
質の良い睡眠がとれていない
質の良い睡眠は、身体の回復はもちろん、メンタルの回復にも欠かせません。
十分な睡眠がとれていないと、脳の疲れが回復せず、集中力や気力が低下してしまいます。
また、寝つきが悪い、途中で目が覚める、寝ても疲れがとれないといった症状がある場合は、精神的なストレスが影響している可能性があります。
心が疲れている時ほど、意識して睡眠環境を整えることが大切です。
質のいい睡眠を得るために、寝る前には携帯やスマートフォンを見ない、決まった時間に就寝する、リラックスできる香りや音楽を取り入れるなど、自分に合ったリラックス方法を見つけるとよいでしょう。
今までの生活習慣を少し見直すだけでも、メンタル面の改善が期待できます。
精神的に楽になる方法5選

心の疲れを感じたら、無理せず、自分に合った方法でケアをしたり、リフレッシュしたりすることが重要です。
以下では、日常生活の中で簡単に取り入れることができるセルフケアを紹介します。
1.深呼吸や瞑想をする
精神的に疲れたと感じた時、まず試してほしいのが『深呼吸』と『瞑想』です。
ストレスが蓄積されていると、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなり、交感神経が優位になります。
一度、深くゆっくりと呼吸を行うことで、副交感神経が活性化され、心も体もリラックスモードに導くことができます。
さらに、瞑想やマインドフルネスを取り入れることで、頭の中をすっきりとさせ、『今』に集中させる習慣が身につくのです。
例えば、静かな場所で5〜10分程度目を閉じ、呼吸に意識を向けるだけでも十分効果があります。
精神的な緊張をゆるめたい時は、まず「呼吸」から整えてみましょう。
2.何も考えない時間をつくる
何も考えない時間をつくることでも、メンタル面の回復が期待できます。
現代人は、常にスマホやSNS、仕事や家事などで頭を使い続けており、無意識のうちに脳が疲れています。
この状態が続くと、心にも負担がかかり、ストレスや不調の原因になることもあるため注意が必要です。
たまには、スマホの電源を切って自然の中でぼーっとしたり、好きな音楽を聴いてのんびりすごすのもおすすめです。
普段忙しく過ごしている方は、湯船につかってゆっくり深呼吸したりするだけでも効果があります。
忙しい時ほど、『考えない時間』を意識することで、心身のバランスが整いやすくなります。
3.好きなことをする
精神的に疲れている時、『好きなことをする』ことはメンタル回復への大きな一歩です。
趣味に没頭したり、好きな音楽を聴いたりすることで、脳内を刺激し幸福ホルモンであるセロトニンやドーパミンの分泌を促す作用が期待できます。
好きな音楽を聴く、映画を見る、趣味に没頭するなど、自分が「楽しい」と感じる時間を積極的に持ちましょう。
「上手くやらなくては」「失敗してはいけない」と考えすぎず、楽しむことで回復につながります。
5分でも10分でもいいので、自分が落ち着ける場所で、好きなことに時間を使ってみましょう。
小さな幸せの積み重ねが、心を優しく立て直してくれます。
4.SNSやデジタルツールから距離を置く
SNSやスマホは私たちの生活を便利にする一方で、心の疲労を招く大きな要因にもなります。
気づかないうちに他人と自分を比較してしまったり、常に情報に追われることで心が休まらなくなったりします。
精神的にしんどい時ほど、SNSやスマホから一時的に距離を置く「デジタルデトックス」を試してみましょう。
例えば、通知をオフにする、1日の中でスマホを触らない時間を設ける、寝る前はスマホを見ない習慣を作るなど、小さなことでOKです。
SNSやスマホから離れることで、自分の気持ちに意識を向ける時間が増え、思考の整理もしやすくなります。
5.カウンセリングを受診する
自分ひとりで抱え込んでいると、どんなに強い人でも限界がきてしまいます。
精神的に楽になる方法を試したけれど心の不調が続いてしまう時は、早めに専門のカウンセラーや医師に相談しましょう。
専門のカウンセラーに話を聞いてもらうことで、抱えている悩みが整理され、自分では気づかなかった思考や感情に気づけることがあります。
話すだけでも「わかってもらえた」という安心感が生まれ、それが回復のきっかけになることも多いです。
「相談するのが恥ずかしい」「こんなこと、相談してもいいのかな?」などと思わず、気軽な気持ちで利用してみましょう。
オンライン診療の『かもみーる』は24時まで診療しており、家事や育児が一段落した後や仕事帰りなど遅い時間でも対応可能です。
また、臨床心理士や公認心理士といった有資格者が対応するため、安心してご相談ください。
精神的に疲れたときのこんな症状・サインに要注意

精神的な疲れが限界を超えると、体や行動に明確なサインが現れます。
以下のような症状に気づいたら、無理をせず休養を取るように心がけましょう。
睡眠や食欲の異常
ストレスが蓄積すると、心だけでなく体にも変化が表れます。中でも多くの人が感じやすいのが、睡眠と食欲の異常です。
『夜中に何度も目が覚める』『いくら寝ても疲れがとれない』『食欲がわかない』といった状態が続く場合は精神的な疲れのサインかもしれません。
こうした症状は、自律神経のバランスが乱れていることが原因のひとつと考えられています。我慢し続けてしまうと、ますます負担がかかります。
似たような症状がある場合は、生活リズムを見直し、頑張りすぎないようにしてください。
やる気が出ない
『以前は楽しかったことが面倒に感じる』『何に対してもやる気が起きない』という状態は、精神的に疲れているときによく見られる症状です。
特に、今まで好きだった趣味や人との関わりが煩わしくなってきた場合、心が休息を求めているサインですので、無理に元気を出そうとせず、まずはゆっくり休むことを優先しましょう。
疲れた時には、エネルギーを回復させる時間が必要です。
『何もしなかった』と罪悪感を抱かず、たまには自分を甘やかし、何も考えずゆっくりのんびりと過ごしましょう。
それでも気力の低下が続く場合は、心の病気が隠れている可能性もあります。専門家に相談してみるのも一つの方法です。
頭痛・吐き気・動悸など身体症状
精神的な疲労は、身体の部位にもさまざまな形で現れます。
頭痛や吐き気、胃の不快感、さらには動悸や息苦しさなど、『なんとなく体調が悪いけれど、原因が分からない』といったケースは要注意です。
例えば、病院で検査を受けても異常が見つからないときは、ストレスや不安が身体症状として出ている可能性があります。
これらは「心身症」と呼ばれ、心理社会的なストレスが原因で、身体的な症状が現れる疾患のことをさします。
休養をとっても回復が見込めない時には、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。
「自分がいなくなれば…」という思考が出たら注意
自分のことを卑下してしまい、『消えてしまいたい』『生きている意味が分からない』などの思考が頭に浮かんできた時は、心が限界を迎えている可能性があります。
『こんなことを考えてしまう自分はおかしい』と自分を責めたりせずに、今すぐ信頼できる人に話したり、専門機関に相談したりしてください。
心療内科や精神保健センター、無料の電話相談など、助けを求められる場所は必ずあります。
命よりも大切な仕事や人間関係はありません。大切な自分の心と命を守る選択をしましょう。
精神的に疲れている状態が長く続くときに考えられる病気

精神的に疲れている状態が長く続く場合、心の病気が隠れていることもあります。症状が続く場合には、早めに専門機関を受診しましょう。
うつ病
うつ病は、気分の落ち込みが長く続いたり、何に対しても興味ややる気が持てなくなる精神障害です。
『ただ疲れているだけ』と思い我慢していると、どんどん心がすり減ってしまいます。眠れない、食欲がわかないといった症状が現れる場合もあります。こうした状態が2週間以上続くようであれば、心の不調かもしれません。
うつ病は特別な病気ではなく、どんな人でも経験する可能性があります。
適切な治療と休養をとることで、少しずつ回復していきますが、無理をせず早めに専門家に相談することが大切です。
適応障害
適応障害は、引っ越しや転職、人間関係の変化など、環境の変化に心がうまく対応できずに起こる心の不調です。
不安やイライラ、落ち込みや涙が止まらないといった症状が出ることがあります。時には体にまで影響を及ぼすこともあります。
適応障害の特徴は「原因がはっきりしている」ことです。ストレスの原因を減らす工夫をしたり、環境を少し変えたりするだけでも症状が改善することがあります。
『自分の気持ちが弱い』と責めずに、信頼できる人や専門機関に相談することで気持ちも軽くできるでしょう。
統合失調症
統合失調症は、現実と想像の境目があいまいになり、幻聴や妄想が現れることがある病気です。
例えば、『誰かに見られている』『悪口を言われている』といった幻覚に苦しむことがあります。本人は現実に起こっていると感じるため、不安や混乱も大きく、日常生活に支障をきたすこともあります。
発症の初期には、不眠や気分の落ち込み、また集中力の低下などがみられることもあります。
早期に専門機関で治療を始めることで、安定した生活を取り戻せる可能性が高い病気ですが、本人だけでなく、周囲の理解とサポートも大切です。
精神的に疲れたときに心の安定を保つセルフケア習慣

心の安定を保つには、特別なことをするよりも、日々のセルフケアの積み重ねがとても大切です。
毎日の習慣の積み重ねが、精神的に疲れにくい状態を作ってくれます。
ここでは、自宅で手軽にできる「心の安定を保つセルフケア」をご紹介します。
自分を褒める
どんなに小さなことでも『今日も頑張った』と自分を褒める習慣を持つと、自己肯定感が少しずつ育っていきます。
例えば、『今日は早起きできた』『ちゃんと挨拶できた』など、些細なことでも『できた』と自分を認めることで、自信が少しずつ積み重なっていきます。
最初は照れくさいかもしれませんが、自分で自分をねぎらえることは、メンタルを守るうえでとても効果的です。
日々の小さな達成を見逃さず、自分を褒める習慣を持ちましょう。
健康的な食事・適度な運動・快適な睡眠 をとる
「食事・運動・睡眠」は、心と体の健康を支える大事な柱です。
栄養バランスの取れた食事は、脳や神経の働きを整え、精神的な安定に大きく関わっています。
また、軽い運動やストレッチは、気分転換やストレス解消に効果的で、心も前向きになります。
他にも、睡眠は心の疲れをリセットする大切な時間です。
スマホやPCの使用は、寝る1時間前には控えたり、寝室の明かりを落としたりして、快適な睡眠環境を整えましょう。
ジャーナリングをする
精神的にしんどい時には、ジャーナリングもメンタル回復に効果があります。
ジャーナリングとは、自分の感じたことや考えていることを紙に書き出すセルフケアの方法です。
頭の中のモヤモヤを言葉にしてノートに書くことで、『なぜこんなにイライラしてるんだろう』と、自分の感情を客観視できるようになり、気持ちが落ち着いていきます。
夜寝る前の習慣として、1日の出来事や感謝したことを書き出すことで、心の中を整理しストレスを和らげられるでしょう。
精神的に疲れてどうしてもつらい時は「逃げてもいい」

精神的な疲れが強く、何をしても改善しないと感じる時は、その環境や状況から距離を置くことも考えてみましょう。
仕事を少し休む、環境を変えてみる、人との関係を見直すなど、時間や距離を置くことは、自分を守るための大切な選択肢です。自分を責めず、今できることから少しずつ整えていきましょう。
精神的に疲れたときは無理せず専門家に相談するのもおすすめ
精神的な疲労は、誰にでも起こりうる心のサインです。小さな不調でも後回しにせず、自分を労わることで、メンタルケアにつながります。
また、日々の生活にセルフケアを取り入れたり、信頼できる相談先を見つけたりすることで、心の負担は軽くなります。一人で抱え込まず、あなたに合った方法で心の健康を守っていきましょう。
『誰かに話を聞いて欲しい』『少しでも気持ちを軽くしたい』と感じたら、心の専門家に相談できる『かもみーる』をご利用ください。
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