「最近なんとなく気分が落ち込む」
「理由ははっきりわからないけど、心がしんどい」
「これまで平気だったことがつらい」
こんな状態は、一般的に「病んでる」と表現されることがあります。
病んでいるときは心が不安定になり、体調不良につながる可能性があるため、早めに休息を取ったり、誰かに打ち明けたりすることが大切です。
また、病んだ状態が長く続く場合、一時的な症状ではなく、うつ病のような病気が関連している可能性もあるため、放置せず適切に対処しましょう。
この記事では、病んだ時に自分でできる対処法について解説します。
病んでしまう原因やきっかけ、心を見つめ直す心理療法、注意したいうつ病の初期症状・サインなども合わせて紹介しますので、参考にしてみてください。
病んだ状態とは?

「心が病んだ状態」とは、心や身体に負担がかかったことで、本来の調子を保てなくなり不調が見られる状態を指す言葉として、一般的に広く使われています。
原因や重さは人によって異なりますが、気分の落ち込み、不安、イライラ、集中力低下、眠りの質の悪化などが見られ、一時的なストレス反応の場合もあれば、うつ病のような精神疾患が背景にあることもあります。
「病んだ状態」が必ずしも「病気」であるとは限りません。
強いストレスや疲労が続くことで、「病んだ」と感じることもあるでしょう。このような一時的なものであれば、しっかり休息や睡眠を取ることで回復することが一般的です。
しかし、症状がなかなか改善せず、放置したまま長引くと、病気へと移行する可能性があるため、早めに気付いて対処することが大切です。
病んでしまう原因やきっかけ

心が病んでしまう背景には、いくつかの原因やきっかけが考えられます。
一つではなく複数が重なっているケースも多く、自分では些細だと思っていることでも、長期間続けば心に大きな負担になるため注意しましょう。
ここでは、代表的な原因やきっかけを紹介します。
主な原因・きっかけ | 詳細 |
人間関係の問題 | 職場・家庭・友人関係での摩擦や孤立が継続すると、強い心理的ストレスになる |
仕事や生活のストレス・疲労 | 仕事量の多さや責任過多、休めない状態が続くことで心身が消耗する |
環境変化 | 異動、転職、引っ越しなど。結婚や出産のような本人にとって嬉しいと感じる変化でも負担になる |
性格傾向の影響 | 完璧主義、責任感の強さ、我慢しやすい傾向のある人は疲れを招きやすい |
病気やケガ | 身体疾患や慢性的な痛みは気分の落ち込みと密接な関係がある |
栄養不足・睡眠不足 | 食生活の乱れや睡眠不足は脳の働きの低下につながる |
過去のトラウマ | 過去のつらい体験が心の傷として残り、現在にも影響することがある |
経済的な問題 | 収入不安や借金などは慢性的な緊張や不安につながる |
季節や気圧の変化 | 日照時間の減少や気圧変動が気分の落ち込みや体調不良に影響することがある |
その他の要因 | SNS疲れ、情報過多、将来不安など現代特有の要因も影響している ホルモンバランスの変化も心に影響を与えることがある |
病んだ時は「ストレス反応」か「病気」かの見極めが重要

病んだと感じた時は、今の状態が一時的なストレス反応なのか、治療が必要な病気の可能性があるのかを見極めることがとても大切です。
一時的なストレス反応の場合、ストレスを減らしたり、休息によって徐々に回復していく傾向があります。
例えば、仕事が忙しい時期だけ気分が落ち込む、嫌なことがあってやる気が出ないなど、原因が明確な場合はまずはストレスに対処して、回復するか確認してみましょう。
一方で、症状が長く続く、日常生活に支障が出ている、対処法を試してみても効果を感じられないといった場合は注意が必要です。
我慢を続けると、知らず知らずのうちに悪化してしまう可能性があります。
自己判断は難しいため、「おかしい状態が続いている」と感じた時点で専門家に相談することが、結果的に回復を早めることにつながるでしょう。
病んだ時に注意したいうつ病の初期症状・サイン

病んだ状態が長引く場合、一時的なものではなくうつ病の初期症状かもしれません。
うつ病の初期症状は、本人も「ただの疲れ」「気の持ちよう」と捉えがちで、気付きにくいことが特徴です。
見逃さないよう、心・身体・行動に現れるサインをチェックしておきましょう。
心に現れるサイン | ・気分の落ち込みが続く |
身体に現れるサイン | ・不眠や過眠 |
行動に現れるサイン | ・仕事や家事の効率が低下した ・外出を避けるようになった ・人と会うのが億劫になった ・遅刻や欠勤が増えた ・口数が減った ・否定的な発言が増えた |
▶うつ病の初期症状?12のサイン丨受診目安・対処法・顔つきの変化も解説
病んだ時は専門家に相談すべき?受診の目安

心の症状は目に見えないため、「この程度で受診していいのか」「大袈裟だと思われないか」と相談や受診を迷ってしまう方もいるでしょう。
以下で、専門家に相談した方がいい目安を紹介します。
- つらい症状が2週間以上続いている
- 仕事や家事の効率が明らかに落ちた
- 「消えてしまいたい」といった考えが浮かぶ
- 自分ではどうしたらいいかわからず悩んでいる
上記に当てはまる場合は、一度専門家に相談してみましょう。
我慢を続けたことで悪化し、結果的に回復までに時間がかかってしまうケースもあるため、早めに対処することが大切です。
病んだ時に自分でできる8つの対処法

病んだと感じた時、すぐに取り組めるのがセルフケアです。
ここでは、日常生活の中で無理なく実践しやすい対処法を8つ紹介します。
できそうなものから取り入れてみてください。
しっかり休息を取る
まずは、心と身体をしっかり回復させるために休むことが大切です。
病んでいる時は、心だけでなく脳も疲労しています。十分な睡眠時間を確保して、元気になるまでゆっくり自分の時間を楽しみましょう。
「休んだら迷惑をかける」「まだ頑張れる」と無理を続けると症状が長期化しやすくなるため、「休むことも対策のうちだ」と割り切って、リラックスして過ごすことがポイントです。
気持ちを書き出してみる
ノートやスマホのメモなどに、自分の気持ちを書き出してみることも有効です。
上手にまとめる必要はなく、「つらい」「不安」「怖い」といった単語だけでも構いません。思いついたまま、書き出してみましょう。
頭の中にある不安や不満を書き出すことで、自分の感情や状況の客観的な見つめ直しができ、冷静な対処につなげやすくなります。
これは「セルフモニタリング」といい、認知行動療法でも用いられる方法で、続けることで自分がストレスに感じる物事の傾向が把握できるようになるメリットもあります。
栄養バランスの整った食事を心がける
食事は、私たちの身体や脳を作る大切なものです。
栄養不足は気分の落ち込みを助長するため、栄養バランスの整った食事を1日3食きちんと食べることを意識しましょう。
特にタンパク質やビタミン、ミネラルは脳の働きに関係し、不足すると気分の落ち込みや疲労感につながることがあります。
生活リズムを整える
生活リズムが乱れると、自律神経が不安定になり、心の不調につながります。
毎日決まった時間に就寝・起床することを心がけ、食事も可能な限り決まった時間に取りましょう。
朝にカーテンを開けて光を浴びる、起きたら軽く体を動かすなど、小さな習慣でも体内時計の安定に役立ちます。
生活リズムを整えたからといってすぐに気分が改善するわけではありませんが、続けることで心身の安定につながるでしょう。
適度な運動を習慣化する
運動はストレス解消になるだけでなく、ストレス耐性を高める効果もあります。
無理に激しい運動をする必要はなく、散歩、軽いストレッチ、ラジオ体操、サイクリングなど負担の少ない運動でも十分であるため、習慣にしてみましょう。
日中の外での運動は日光を浴びることで、セロトニンの活性化にもつながります。
趣味でストレスを発散する
趣味や好きなことがあれば、ストレス解消法として利用するのも効果的です。
例えば、音楽を聴く、動画を見る、読書をするなど没頭できる趣味に取り組んでいる間は、そのことだけに集中して楽しめます。
短時間でもいいので、心を現実のストレスから切り離す時間を作りましょう。
友人や家族に話を聞いてもらう
周囲の人に話せるようであれば、話を聞いてもらうだけでも、つらい気持ちが和らぐことも多いです。
信頼できる人に話すことで、孤立感が和らぎ、気持ちの整理にもつながるでしょう。
身近な人に話しづらい場合は、相談窓口や医師・カウンセラーに相談する選択肢もあります。
ストレスにうまく対処する方法を身につける
ストレスそのものをゼロにすることはできませんが、対処法を工夫することは可能です。
感じているストレスによって適した方法は異なりますが、例えば下記のような方法があります。
- ストレスを減らす・離れる(仕事量を調整してもらう、仕事のやり方を見直す、休職する)
- 完璧主義や自己否定的な思考に気づき、「それ以外の考え方はないか」と考える
- 物事の受け止め方を少し変えることで、ストレスの影響を減らす
考え方のパターンがストレスにつながっている場合は、「認知行動療法」が効果的です。考え方や行動のパターンを見直すことで、ストレスにうまく対処できる力を育てます。
人間関係のトラブルで悩んでいる場合は、「重要な他者」とのコミュニケーションを改善する「対人関係療法」がストレス軽減に役立つことがあるでしょう。
このような方法を解説する本もありますが、医師やカウンセラーといった専門家に認知行動療法や対人関係療法の指導を受けるのもおすすめです。
病んだ時に頼れる相談先

周囲の人に相談できない場合は、公的窓口や精神科・心療内科といった専門機関に相談することもできます。
相談先にはさまざまな選択肢があるため、自分が利用しやすいところに相談してみましょう。
公的窓口(精神保健福祉センターなど)
精神保健福祉センターや保健所といった自治体の相談窓口では、心の不調について専門職(保健師、精神保健福祉士など)に相談することが可能です。
些細な悩みでも相談でき、すぐに医療機関を受診するか迷っている段階でも利用できます。
精神科・心療内科
精神科・心療内科では、医師や心理士による専門的な治療を受けられることが特徴です。
医師による診断を受けることで、自分の状態を客観的に把握できることもメリットでしょう。
治療法としては、「心理療法(カウンセリング、認知行動療法など)」「環境調整」「薬物療法」が基本です。
心療内科は主にストレスが関係する身体症状を、精神科は心の症状や心の病気そのものの治療を扱いますが、実際には重なり合う部分も多く、どちらを受診しても問題ありません。
迷ったら、精神科と心療内科の両方を標榜する医療機関で相談してみましょう。
病んだ時の対処法についてのよくある疑問

ここでは、病んだ時の対処法についてのよくある疑問を紹介します。
Q:小学生・中学生・高校生が病んだ時の対処法は?
成長過程にある子どもは、自分の気持ちを言葉で表現することが難しい場合があります。
元気がない、学校に行きたがらない、体調不良を頻繁に訴えるといった変化は、親御さんが注意したい心の不調のサインです。
年代によって悩みや対処は異なりますが、まずは安心できる環境でじっくり話を聞き、否定せず受け止める姿勢で接することが大切です。
特に、受験生は強いプレッシャーにさらされやすく、気分の落ち込みや不安、不眠が起こりやすい時期です。「頑張らなければならない」という意識が、休むことへの罪悪感につながることもあります。
症状が続く場合は、学校の保健室の先生・スクールカウンセラー、精神科・心療内科などで専門家の話を聞いたり、相談につなげることも検討しましょう。
Q:身近な人が病んだ時にはどうすればいい?
身近な人の不調に気付いたら、まずは否定したり遮ったりせずに話を聞き、ゆっくり耳を傾けてみましょう。
無理に聞き出す必要はなく「いつでも話を聞くからね」という気持ちを伝えるだけでも問題ありません。
また、相談先を一緒に探すなど、必要な支援につなげることも、周囲ができるサポートの一つです。
病んでるかも…と思ったら無理せず心を休めよう
ストレスや疲労から、一時的に気分が落ち込んだり、不安が強くなってしまうこと自体は、多くの方が経験することです。
しかし、「もっと頑張れるはず」「気の持ちようだ」と自分を追い込むと、つらさが悪化してしまうかもしれません。
「病んだ」と感じる状態は、一時的なストレス反応ではなく、うつ病のような病気が背景にある可能性も考えられるため、状態が続き、生活に支障が出ていると感じたら、専門家への相談を検討しましょう。
オンライン診療・オンラインカウンセリングの『かもみーる』では、初めての方でも相談しやすい環境を整え、症状や状況に応じた丁寧な診察とサポートを行っています。
つらさの程度に関わらず、「話を聞いてほしい」という段階での相談も可能です。無理を重ねる前に、一度ご相談ください。
