気分の浮き沈みが激しい原因と病気の可能性|改善法と対処法を解説

更新日 2025年10月04日

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「最近、気分の浮き沈みが激しくなった」と感じることはありませんか?

日々の生活の中で気分が急に変わったり、感情の起伏が激しくて疲れてしまう場合、それは単なる性格ではなく、心や体の不調が背景にある可能性があります。

この記事では「気分の浮き沈みが激しい」と悩む方に向けて、考えられる原因や関連する病気、セルフチェックリスト、改善するためのセルフケア方法、専門的な治療や相談先までをわかりやすく解説します。

気分の浮き沈みはなぜ起こるのか?

「気分の浮き沈みが激しい」と感じる人は少なくありません。

しかし、一日の中でも気分が変わりやすい、短時間で感情の起伏が激しいなどの症状は、単なる性格の問題ではなく、心理的・身体的要因や病気が背景にある場合もあります。

気分の波が激しい原因と考えられる病気、セルフケアの方法、受診の目安について、以下にて解説します。

一日の中で気分が変わりやすい心理的要因

強いストレスや不安は、気分の浮き沈みを大きく左右します。

仕事や人間関係でのプレッシャー、過去のトラウマの蓄積は、心の疲労を招き感情のコントロールを難しくします。

その結果、「気持ちの波が激しい」「感情の起伏が激しい」といった状態が日常的に起こるのです。

身体的・ホルモン的な要因

気分の浮き沈みが激しい背景には、身体的な不調も関わっています。

睡眠不足や自律神経の乱れは、一日の中で気分が激しく変動する大きな要因にもなりえます。

さらに女性特有のPMS(月経前症候群)や更年期によるホルモンバランスの乱れも「気分の浮き沈みが激しい」「気分の波が激しい」と感じる大きな理由の一つです。

他にも、甲状腺異常といった身体疾患も感情の変動に影響を与えるため、ただの気分の変化と軽視しないように注意しましょう。

性格的な要因との違い

「自分は怒りっぽい」「感情の起伏が激しい性格だから仕方ない」と考える人もいますが、必ずしもそうとは限りません。

性格による気分の変化は一時的で、生活に大きな支障を与えないことが多いです。

しかし、病気が背景にある場合は「疲れるほどの浮き沈み」「一日の中でも気分の浮き沈みが激しい」といった深刻な影響が見られます。

気分の浮き沈みが持続していたり、気分に波があったりする場合は、専門的な診断を受けることが重要です。

気分の浮き沈みが激しいときに考えられる病気

気分の浮き沈みが激しいと感じる場合、知らず知らずのうちに精神的または身体的な病気が進行している可能性があります。

代表的なものでは「うつ病」「双極性障害(躁うつ病)」「不安障害」「発達障害」「パーソナリティ障害」「ホルモン異常」などです。

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

(参考:こころの情報サイト

うつ病

うつ病では気分が落ち込む状態が長期間続き、意欲低下や集中力の欠如が現れます。

典型的には、気分が下がり続けることが多くみられますが、中には感情の起伏が激しいと感じるケースもあります。

特に、朝と夜で症状が異なる「日内変動」が特徴的であり、「一日の中でも気分の浮き沈みが激しい」と自覚する人も少なくありません。

放置したままにすると症状が慢性化・重症化しやすく、自ら命を絶つリスクの上昇につながる危険もあるため、早期に医療機関を受診することが重要です。

(参考:日本うつ病学会 Japanese Society of Mood Disorders

うつ病とは?症状・原因・治療法と自己診断チェックリスト

双極性障害

双極性障害は「躁」と「うつ」の波を繰り返す病気です。

短時間で気分の浮き沈みが激しい場合や、感情が極端に高揚した後に急激に落ち込むケースでは、この病気が疑われることがあります。

躁状態では睡眠が少なくても平気に感じ、普段以上に活動的になる一方で、浪費や衝動的な行動が増える傾向があります。

しかし、うつ状態に入ると強い気分の落ち込みや無力感が続き、何も手につかない状態になりやすいです。

このように「躁」と「うつ」の極端な気分の波が交互に現れるため、「気分の浮き沈みが激しい障害」の代表例とされています。治療では薬物療法や心理的支援が組み合わされ、症状が和らぐこともあります。

診断には専門医による評価が必要で、薬物療法や心理的な支援を組み合わせることで、症状が落ち着きやすくなることもあります。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いは?症状・原因・治療法とセルフチェックリスト

不安障害・パニック障害

不安障害やパニック障害では、突然強い不安や恐怖感が押し寄せ、動悸・発汗・呼吸困難・めまいといった身体症状を伴うことがあります。

こうした発作は自分でも予測できず、突発的に起こるため、外出や人前に出ることを避けるなど、生活に大きな制約をもたらします。

症状は波のように繰り返して現れ、「感情の起伏が激しい」と感じる場面も少なくありません。

セルフケアだけで乗り越えるのは難しいケースが多いため、精神科や心療内科での診断と治療を受けることが改善への近道です。

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発達障害やパーソナリティ障害

ADHDやASDなどの発達障害やパーソナリティ障害では、「気分の浮き沈みが激しい」と感じることがあります。

これは衝動性や感情コントロールの難しさに起因するためです。

例えば、些細な刺激に過剰反応して強い怒りや不安が生じ、人間関係の摩擦や学校・職場での適応困難につながることがあります。

診断には時間をかけた心理検査や面接が必要であり、専門的な評価を受けることが不可欠です。

適切な支援や心理療法、環境調整を組み合わせれば、生きづらさの軽減と社会生活の安定につながります。

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ホルモン異常や身体疾患に伴うケース

甲状腺機能の異常やPMS、更年期障害によるホルモンの乱れは、心だけでなく身体全体に影響を与えます。

例えば、甲状腺疾患では疲労感や体重変化、発汗異常が起こり、PMSでは月経前に強いイライラや落ち込みが見られます。

これらの症状は精神的な問題と誤解されやすい一方で、実際には身体の不調が根本的原因です。

したがって、精神的アプローチだけでなく、内科的な検査やホルモン治療を含めた多方面からの診断が欠かせません。

気分の浮き沈みが激しいときのセルフチェックリスト

気分の浮き沈みが激しい場合は、セルフチェックを行い、今の自分の状態を確認するとよいでしょう。

  • 一日の中で、気分が急に変わることがある
  • 小さな出来事でも感情の起伏が激しくなる
  • 気持ちの波が激しく、周囲の人間にもあたる
  • 浮き沈みの激しさで、日常生活が疲れる

上記のような症状に複数当てはまる場合は単なる気分の浮き沈みではなく、背景に病気の進行があるかもしれません。

早めに医療機関に相談しましょう。

「病院を受診するか迷っている…」という場合は、オンライン診療やオンラインカウンセリングを活用してみるのもおすすめです。

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気分の浮き沈みを改善するためのセルフケア方法

気分の浮き沈みが激しいときは、セルフケアを行い改善を図ることも有効です。

生活習慣の改善や今の気分を記録する、ストレスマネジメントをしたり、周囲とのコミュニケーションをとったりすることもよいでしょう。

生活習慣を整える

気分の浮き沈みを和らげるには、規則正しい生活習慣が欠かせません。

特に睡眠不足は「気分の浮き沈みが激しい時間」を招きやすく、疲労や集中力低下を通じて感情の乱れにつながります。

バランスの取れた食事や適度な運動も、自律神経を整え感情の安定を助けます。

例えば、就寝と起床を毎日同じ時間に行い、軽いウォーキングやストレッチをするのもよいでしょう。

気分を記録する

気分の変化を客観的に把握することは、改善への第一歩です。

なぜなら、日々の気持ちを記録することで、気分の浮き沈みが激しい日のパターンが見えるようになるからです。

例えば、スマホアプリで気分を点数化したり、日記に感情を書き留めたりすることで、どの時間帯やどんな出来事で気分が変動しやすいかを確認できます。

これらの記録は医療機関を受診する際の有益な情報となり、診断や治療方針を決める手助けにもなります。

ストレスマネジメント

ストレスマネジメントを取り入れ感情を落ち着かせることが重要です。

具体的には、腹式呼吸や瞑想といったマインドフルネスの実践が有効です。

これらは副交感神経を活性化させ、不安や緊張を和らげる効果があります。

例えば、一日5分だけでも深呼吸を続けると、心が落ち着きやすくなると言われており、意識的に休息をとり、心を整える時間を持つことで、感情の振れ幅が緩やかになります。

ストレスを適切にコントロールできれば、気分の浮き沈みに振り回されにくくなり、生活全体がより安定するでしょう。

周囲に気持ちを共有する

気分の浮き沈みを和らげるためには、信頼できる人に気持ちを共有することが大切です。

孤独を感じると、気分の浮き沈みが悪化しやすく、心の負担が増大します。たとえば、友人や家族に今の気持ちを話すだけでも、不安や緊張が軽減されることがあります。

周囲の理解を得ることで「自分は一人ではない」という感覚を持てるため、安心感が生まれます。また、サポートを受けやすくなり、症状の改善につながる可能性も高まります。

気分の浮き沈みが激しい時に治療が必要なケース

気分の浮き沈みが激しい状態を放置すると、症状が慢性化し日常生活に深刻な影響を与えます。早めの対応が大切です。

放置によるリスク

気分の浮き沈みをそのままにすると、さまざまなリスクが現れます。

まず、人間関係に影響が出やすくなり、家族や友人とのコミュニケーションが上手くいかなくなることがあります。

また、仕事や学業に支障が出ることで、評価が下がったりやる気の低下につながったりすることも少なくありません。

さらに、症状が長引くと精神的負荷が蓄積され、うつ病や双極性障害の悪化を招く危険があります。

気分の変動は自然な反応であっても、生活や健康に影響が出ている場合は、専門家による早めの診断が重要です。

医療機関を受診する目安

気分の浮き沈みが激しい場合、医療機関の受診が必要となる場合があります。

代表的なサインは、気分の浮き沈みが激しい状態が2週間以上続くことや、日常生活に支障が出ている場合です。

例えば、仕事に行けない、食欲が落ちる、睡眠リズムが乱れるといった変化は、心の健康に影響が及んでいる可能性があります。

このような場合は、心療内科や精神科を受診し、専門家による評価を受けることが望ましいです。

診断方法

医療機関での診断は、まず問診で症状の経過や生活状況を詳しく確認することから始まります。

加えて、心理検査を行い、気分や認知の状態を評価します。場合によっては、血液検査で甲状腺ホルモンや栄養状態など、身体的要因の影響を確認することもあります。

気分の浮き沈みが激しい背景には、身体の不調やホルモンバランスの乱れが隠れていることもあるため、このように専門的な検査は重要です。

医療機関での正確な診断に基づき、薬物療法や心理療法、生活習慣の改善など、自分に合った治療計画が立てられます。

気分の浮き沈みが激しい時の専門的な治療・サポート

気分の浮き沈みが激しい状態が長く続く場合、専門的な治療やサポートを受けることが回復の近道です。

医療機関では、診断に基づき個々の症状に応じた適切な治療が提供されます。

また、カウンセリングや薬物療法、公的支援も併用することで、より効果的な回復が期待できます。

精神科・心療内科での診断

心療内科や精神科では、問診や心理検査を通じて、症状の経過や生活状況、心理的背景を詳細に把握します。

診断を受けることで、症状の原因が明確になり、適切な治療方針を立てる第一歩となります。

特に、自己判断で薬を使用したり放置したりすると、症状が悪化することもあるため、専門医を受診するようにしましょう。

カウンセリング・認知行動療法

心理的なアプローチとして、認知行動療法や心理カウンセリングも有効です。

感情の波に振り回されやすい場合、自分の思考や行動習慣を理解することが安定への鍵となります。

例えば、ネガティブな考えを繰り返しやすい人は、認知行動療法を通して思考のクセを修正し、行動を調整することで、気分の変動を緩やかにする効果があります。

専門家と共に進めることで、無理なく日常生活の中に取り入れられる点もメリットです。

薬物療法

症状の程度に応じて、抗うつ薬や気分安定薬が処方されることがあります。

薬物療法は、気分の浮き沈みが激しい障害の改善に有効であり、普段の生活を取り戻すサポートとなります。

ただし、自己判断での使用や処方薬の中止は避け、必ず医師の指導のもとで管理することが大切です。

薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善や心理的アプローチと併用することで、効果も高まります。

公的サポート・相談窓口

治療や回復を進めるうえで、公的なサポートや相談窓口の活用も有効です。

厚生労働省や住んでいる自治体によって、心に関する相談窓口や専門機関の紹介サービスがあり、中にはオンライン診断が可能な場合もあります。

専門家に悩みを相談することで、安心して治療やカウンセリングを受けることができ、孤独感や不安感を軽減することにもつながります。

気持ちの波が激しい時は心の安定のための対策をとろう

気分の浮き沈みが激しいのは単なる性格ではなく、病気や心身の不調が原因の場合があります。

セルフケアで改善できることもありますが、症状が続く場合は専門機関への相談が必要です。早めの行動が心の安定を取り戻す近道となります。

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