うつ病は高校生も発症する?大人とは異なる特徴や原因・治療法を紹介

投稿日 2026年06月07日

うつ病児童精神科
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うつ病は成人だけでなく小学生から高校生まで発症する可能性のある疾患で、10代のうつ病は「思春期鬱」とも呼ばれています。

高校生のうつ病には大人と異なる部分があるため、原因や特徴を把握したうえでの対処法が必要です。

この記事では、高校生と成人のうつ病の違いや原因・診断や治療法について紹介します。

高校生のうつ病の相談先も紹介するため、「最近何か調子が悪い」と考えている本人や周囲の大人の人は、参考にしてください。

高校生のうつ病の特徴

高校生のうつ病は大人と異なる点があるため、発症に気付きにくかったり大人のうつ病と同じ対応が簡単に行えなかったりすることがあります。

高校生のうつ病の特徴について紹介します。

高校生のうつ病によく見られる症状

高校生のうつ病によく見られる症状は以下です。

  • 学校に行けない
  • 勉強ができない・授業に集中できない
  • 友人やクラブ活動などへの関心を失くす
  • 友人から孤立する
  • イライラが強い
  • 成績が低下する
  • 暴力
  • 性的依存
  • 成長に見合った体重の変化が見られない

高校生の場合でもうつ病を診断する基準は大人と同様ですが、大人では抑うつ症状が多いのに対し、高校生の場合はイライラとした様子が多く見られます。

軽いうちは本人も様子がおかしいという自覚がなく、日常生活に影響があっても、親がカバーできる程度のため、うつ状態に気付きにくい傾向にあります。

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症状が出揃わず、抗うつ薬が効かない場合がある

高校生のうつ病は、典型的な症状と逆の症状が見られることがあり、症状が出揃わないことがあります。

例えば、不安を抱えたり死にたいと思ったりする一方で食欲があったり、昼夜逆転していても睡眠不足の様子が見られなかったりするなどです。

参考に、大人のうつ病の症状を見てみましょう。

  • 気分の落ち込み
  • 楽しみ・興味のあるものなどが少ない
  • 食欲が低下する
  • 眠れない
  • 疲れやすい
  • 集中力が低下する
  • 自分が無価値に感じる
  • 死にたいと感じてしまう

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大人のうつ病で症状が出揃っていれば、適切な薬物療法で効果が見られることが多く、それを踏まえて後の治療を進めていきます。

しかし高校生のうつ状態では、例えば気分の落ち込みがあってもそれは症状ではなく実際の悩みや不安が原因のため、その症状には抗うつ薬での効果があまり期待できません。

中には抗うつ薬で効果がみられるケースもありますが、高校生に対する投与の安全性もまだ十分確立されているとはいえず、うつ状態を悪化させる可能性もないわけではないことを考えると、慎重な対応が必要です。

保護者に相談できないストレスがある

保護者に相談できないことや、相談が難しい家庭環境などは、思春期特有のストレス要因です。

保護者に相談できない家庭の特徴は以下です。

  • 虐待や育児放棄・子への無関心
  • 子どもに対する過剰な期待や過保護
  • コミュニケーション不足
  • 両親の不和・離婚・再婚
  • 家族の死去

全日制の高校生の自殺原因として多いのは、学校問題です。

しかし、子どもと保護者との関係に問題があってそういった悩みを相談できないことや、以上のような家庭環境そのものがストレスとなる場合があります。

これから学んでいくことが必要である高校生が、悩みを保護者にも相談できないのは大きな問題です。

この記事中でも相談先を紹介しますので、参考にしてください。

起立性調節障害の可能性

起立性調節障害は思春期によく見られ、症状がうつ病に似ています。

自律神経のバランスが崩れることを原因として、以下のような症状が見られます。

  • 朝起き上がりづらく、夜寝付けない
  • イライラする
  • 自己肯定感の低下
  • 疲労感・倦怠感
  • 食欲不振
  • 頭痛・臍疝痛(さいせんつう:へそ周りの痛み)
  • 集中力の低下
  • 立っていると気分が悪くなり、ひどい時は倒れる
  • 動悸・息切れ
  • 顔が青白い
  • 乗り物酔いしやすい

うつ病に似た症状が多く、重症になるとベッド上で過ごすことが多くなり、引きこもりがちになります。

うつ病と起立性調節障害のどちらの場合も、早めに医療機関を受診して治療を進める必要があります。

高校生のうつ病の原因

高校生がうつ病になる原因について紹介します。

人間関係のトラブル

高校生も大人と同じように、人間関係の悩みを抱える人が多く、うつ病の原因になることがあります。

高校生は学校で『仲良しグループ』という、仲のいい友達と過ごす居場所を作ることが多いです。

  • 周りからどう思われているか心配
  • 仲間はずれが怖い
  • 友達に気をつかい、本音で話せない

高校生にとって仲良しグループへの所属は学生生活を左右します。

特に自己の確立において重要な時期である高校生には、友達との関係性は優先度が高いため、常に神経を使って関係性を守ろうとします。

こういった中での人間関係のトラブルはダメージが非常に大きく、ストレスの原因です。

周囲と比較する

学校は、勉強や部活など常に順位を競う環境があり、人によっては自分と周囲を比較して、自信を無くしたり自分を過小評価したりするケースがあります。

文部科学省の「『高校生の生活と意識に関する調査』における国際比較」では、「自分はダメな人間だと思うことがある」という質問に以下のような結果が出ています。

  • とても思う:25.5%
  • まあそう思う:47%
  • あまりそう思わない:22.9%
  • 全くそう思わない:4.5%

自分をダメだと「とても思う」高校生は全体の4分の1にも上り、「まあそう思う」高校生と合わせると72.5%もいることになります。

一方、自分をダメだと全く思わない高校生は4.5%と、5%にも満たない結果です。

勉強や成績

勉強は学生の本分ですが、その勉強や成績に対する焦りなどがストレスを感じさせ、うつ病につながるケースがあります。

中学生の時に成績が優秀だった子が、高校に入ったら授業に追いつけなくなって成績不振に陥ると、先生や家族の期待に応えようとさらに努力するため、ストレスを強く感じます。

真面目な性格であるほどうつ病になりやすい傾向があるのは、高校生の場合でも同様です。

将来や進路に対する不安

高校生が過ごす学生時代は、人生の中でも初めて将来について真剣に向き合って選択を迫られる時期ですが、それがうつ病の発端になる人もいます。

受験や就職、将来への不安は自然なことですが、中には過度に不安になって重く受け止めすぎて、結果的にうつ状態を引き起こしてしまう場合があります。

受験に落ちたら人生が終わると考えたり、どの選択も間違いだと悩んだりするような場合は、家族や先生などに相談した方がいいでしょう。

インターネットの使用

思春期によるインターネットの不適切な使用が、精神病症状や抑うつなどのメンタルヘルスの不調のリスクを高めることを確認した研究グループがあります。

参考:「青少年における問題のあるインターネット使用と精神病体験およびうつ病との関連性:コホート研究

研究結果によれば、インターネットは現代の生活には欠かせないツールである一方、勉強や人間関係・睡眠などに支障を来すような不適切な使用方法により、メンタル不調を招く可能性があるといいます。

高校生がうつ病を発症する前に、親や学校などの周囲の大人がインターネットの間違った使用法に対して適切に指導・サポートすることが重要です。

生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れると、うつ病にかかるリスクが高まります

規則正しい生活をするためには睡眠のコントロールが基本であり、特に起床時間は重要です。

しかし、夜更かしが常で睡眠時間が短いうえに、昼間は部屋にいることが多く積極的に日光を浴びることもあまりないという人は少なくありません。

また、受験勉強で夜遅くまで勉強したり、朝早くから部活動を始めたりするなどで寝不足になる人も多くみられるため、注意が必要です。

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家族との関係

『親子間でのストレス』や、本人から見た『家族(親)同士のストレス』など、家族との関係性が、うつ病の原因となる場合があります。

親子間での問題がストレスになるのは、親が高圧的・暴力的であったり、過干渉だったりする場合です。

家族(親)同士の問題がストレスになる場合とは、例えば親同士がいつも言い争っていたり、そのせいで子どもとのコミュニケーションが減ったりすることです。

未成年のため家族と関係を切ることは難しく、悩みの解決もストレス解消もままならないまま蓄積し、うつ病につながる場合があります。

高校生のうつ病の診断

高校生のうつ病は大人のそれと比べると異なる部分があるとはいえ、うつ病の診断をする場合は、大人と同じ診断基準である『DSM-5』が用いられます。

DSM-5は正式名称を『Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(日本語訳:精神疾患の診断・統計マニュアル)』といい、米国精神医学会が発行しているマニュアルです。

以下のような9つの症状のうち、5つ以上が当てはまった場合に、うつ病の可能性があると言われています。

  1. 抑うつ気分
  2. 楽しみや興味の喪失
  3. 食欲がない
  4. 眠れない
  5. 思考が止まってしまう
  6. 疲れやすい
  7. 自分が無価値に感じる
  8. 集中力の減退
  9. 死にたくなる

抑うつ気分に関しては大人とは違い、イライラすることもあり得るとされています。

また前述の通り、高校生は成長過程のため、体重の増加がない場合もうつ病を疑います。

高校生のうつ病の治し方

高校生のうつ病の治し方を紹介します。

自分でできる改善法や相談先、医療機関での治療法などがあります。

休息と生活習慣の改善

高校生のうつ病の場合、大人のうつ病と同様に休息が必要です。

しかし仕事から一時的に離れることが重要である大人とは異なり、高校生の場合は、学校を休みながらも、塾や自宅学習など負担にならない形で学業を続け、そのうえで食事や運動・睡眠など、生活習慣を改善します。

規則正しい生活を目指し、特に夜更かしをできるだけやめるよう心がけることが大切です。

高校生のうつ病の相談先

保護者に悩みを打ち明けるのが難しい場合は、以下のような相談先で相談してみるといいでしょう。

オンライン診療

  • 心療内科や精神科の医師が行う
  • 薬の処方も受けられる

学校の保健室

  • 養護教諭
  • スクールカウンセラー

公的相談窓口

  • 保健所
  • 精神保健福祉センター
  • こころの健康相談 統一ダイヤル
  • いのち支える相談窓口
  • 不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口
    • 児童相談所・児童相談センター・子ども家庭支援センター
    • 教育センター
    • ひきこもり地域支援センター
    • 発達障害者支援センター

うつ病は「甘え」ではなく、脳の機能がうまく働かなくなることで起こる病気です。放置すると悪化してしまい治療が難しくなります。

早めの受診と治療開始が重要な病気のため、まずは相談しやすい所で気持ちを話してみましょう。

精神療法と薬物療法

高校生のうつ病も、大人と同様に精神療法と薬物療法が行われますが、薬物療法については高校生に対して効果が見られないことがあり、慎重に進められます。

精神療法については、大人のうつ病治療時よりも家族を含めた治療を重視し、同席の面接を増やして行います。

薬物治療は他の方法で効果が出ない場合に検討されますが、上述のように抗うつ薬での効果が認められないことがあるほか、日中の眠気に注意が必要です。

また、若年層に投与すると希死念慮が若干増加するリスクがあるとされ、高校生のうつ病治療の中でも特に気をつけなければいけないとされています。

参照:抗うつ薬による自殺行為の増加、5剤のSSRI/SNRIで検証

オンライン診療の活用をおすすめ

高校生のうつ病はただの体調不良として見過ごされることが多く、発見が遅れやすい特徴がありますが、早期発見と適切な治療によって回復が期待できる病気です。

なるべく早く発見するためにも、一人で抱え込まず、周りの大人や先生など信頼できる大人に相談しましょう。

当院では、宮城県仙台市にある『かもみーる心のクリニック仙台院』、東京都港区神谷町駅にある『かもみーる心のクリニック(東京院)』にて児童精神科の外来を受けることができます。

また、通院が困難、通院へのハードルが高いという方は、オンライン診療・オンラインカウンセリングの『かもみーる』にて、自宅から自分の好きなタイミングで相談いただけます。

「誰にも知られずに相談したい」「心療内科を受診する症状なのかどうかが分からない」という方は、有資格者のみが在籍するオンライン診療をぜひ一度ご利用ください。

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