一人暮らしでもうつ病は治る?リスクや対処法、実家に帰るメリットデメリット
更新日 2025年03月26日

一人暮らしを始めたものの、次第に気分が沈みがちになり、外出も億劫に感じていませんか?
「最近朝起きるのが辛い」「趣味も楽しめなくなった」といった変化は、うつ病のサインかもしれません。
うつ病は誰にでも起こりうる心と脳の病気ですが、とりわけ一人暮らしでは、環境変化や孤独感から発症リスクが高まることがあります。
この記事では、一人暮らしの方がうつ病にならないための予防法や、症状が出たときの対処法、適切な専門家への相談方法までを詳しく解説します。
一人暮らしをしている方、これから始める方、また一人暮らしの家族や友人を心配されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
一人暮らしでうつ病になるリスクとは

一人暮らしは自由で快適な生活スタイルではありますが、この環境がうつ病のリスクを高める恐れがあります。
環境変化と孤独感は、多くの場合、心の健康に影響を与えるからです。
環境変化の関係と孤独感がもたらす影響
環境の大きな変化は誰にとってもストレス要因となり得ます。
例えば、実家から独立して一人暮らしを始めると、これまで家族が担ってくれていた家事や生活管理をすべて自分で行わなければなりません。
新生活が始まった当初は気持ちが張って元気でも、環境に慣れてきた頃に疲れが一気に現れるケースもあります。
なかでも故郷を離れて都会へ出てきた人は、生活スタイルの変化に加え、文化や気候の変化にも適応しなければならず、心身への負担が大きくなります。
また、一人暮らしでは孤独感も大きな課題です。
家族との日常的な会話がなくなり、誰ともコミュニケーションを交わさない日が続くと、知らず知らずのうちに心が沈みがちになります。
これらの環境変化や孤独感から、一人暮らしではストレスが静かに蓄積します。
一人暮らしで注意したほうがよい兆候
一人暮らしでうつ病の初期症状に気づきにくいのは、周囲に変化を指摘してくれる人がいないためです。
以下の兆候に心当たりがあれば注意が必要です。
注意する兆候 | 説明 |
---|---|
引きこもりがちになる | ・外出したいと感じても外に出ることが難しくなる ・自宅で過ごす時間が増える |
食生活が乱れる | ・コンビニやインスタント食品などで食事を済ませる ・栄養バランスが悪化する |
会話が減少する | ・日によっては誰とも会話しない ・コミュニケーション不足になる |
睡眠に障害が起こる | ・眠れなくなる ・過眠になる |
意欲が低下する | ・趣味や好きだったことへの関心が薄れる |
家事や外出など、日常生活自体が大きな負担となるため、一人暮らしでうつ病になると自力での回復は困難な場合があります。
一人暮らしの方がうつ病の兆候に気づいたら、早めの対応が重要です。
うつ病について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
▶うつ病の初期症状?12のサイン丨受診目安・対処法・顔つきの変化も解説
一人暮らしでうつ症状を感じたときのセルフケア

うつ症状を感じたとき、医療機関での治療と並行してセルフケアを行うと、回復の大きな助けになります。
一人暮らしの方でも実践できる方法を紹介します。
規則正しい生活リズムの重要性
うつ症状からの回復を図る際には、安定した生活リズムが土台となります。
一人暮らしだと生活が不規則になりがちなため、意識的に行うのが大切です。
毎朝同じ時間に起き、夜は決まった時間に就寝する習慣をつけると、体内時計が整います。
朝日を浴びることも重要です。カーテンを開け、朝の光を取り入れることで、体内時計がリセットされます。
日光には、体内のコレステロールを材料にビタミンDをつくるのをサポートする効果もあり、心身の健康を支えます。
夜更かしは避け、就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控えるのことも大切です。
睡眠の質が上がると、翌日の気分も安定しやすくなります。
無理のない運動とその効果
気分が落ち込んでいると動くのが億劫になりますが、軽い運動は気分改善に効果的です。
はじめは無理なく続けられる範囲で行えば十分です。
例えば、朝のゴミ出しのついでに5分だけ歩いてみる、室内でストレッチをするなど、小さな運動から始めましょう。
体を動かすと、気分転換になるだけでなく睡眠の質も向上します。
うつ状態の方を車に例えるなら『ガス欠の状態』です。
過度な運動はかえって状態を悪化させる場合もあるため、ご自身の体調にあわせた活動レベルを見つけることが大切です。
栄養バランスと食事の工夫
一人暮らしだと食事が簡素になりがちですが、回復のためには脳と体の機能を支える栄養が重要です。
食事の準備が負担に感じられるときは、以下のような工夫を試してみてください。
- 調子のよい日に作り置きする
- 冷凍食品を上手に活用する
- 栄養バランスを考えた宅配食を利用する
- 一品でも野菜や果物を加える
食事の時間も一定にすると、腸内環境も整い、心の安定にもつながります。無理せず、できることから始めてみましょう。
自分を責めない心の持ち方
うつ病の方は自分を厳しく責めがちです。
例えば、家事ができなかった日があっても『今日はできなかったけれど、それでよい』と自分に許可を出します。
完璧を求めず、『今は回復のための時間』と捉え直してみましょう。
うつ病は弱さからくるものではなく、心と体からのシグナルです。
焦らず、ご自身のペースで回復を目指すことが、結果的に早い回復につながります。
うつ病のセルフケアについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
▶︎うつ病を自力で治す方法はある?病院での治療法・長引く原因・自宅での過ごし方を解説
▶うつ病でつらい・苦しいときの過ごし方や対処法│原因や段階別の症状も解説
うつ病になったら一人暮らしを続ける?実家に戻る?

うつ病を抱えながらの一人暮らしにはメリットもデメリットもあります。
状況によっては、生活環境を見直す必要があるかもしれません。
実家に戻るか一人暮らしを続けるか、それぞれの選択肢について考えてみましょう。
それぞれのメリット・デメリット比較
環境選択は回復に大きく影響します。
どちらがご自身にあっているか、以下の比較を参考にしてみてください。
【実家に戻るメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・家族のサポートを受けられる ・食事の準備や掃除など日常生活の負担が軽減される ・一人でいることへの不安が和らぐ | ・家族との関係がストレスになる恐れがある ・過干渉や価値観の違いが負担になることがある ・家族がうつ病への理解が十分でないと不用意な言葉に傷つくことがある |
【一人暮らしを続けるメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・自分のペースで生活できる ・周囲に気をつかわず休みたいときに休める ・自力で生活できるという自信につながる | ・体調が悪いときに家事や食事の準備が負担になる ・孤独感が強くなり気持ちが落ち込みやすくなる ・生活が乱れやすく症状が悪化するリスクがある |
どちらが正解というわけではなく、ご自身の状態にあった環境を選ぶことが大切です。
実家に戻る場合は、家族と事前に話し合い、生活ルールを決めるとストレスを減らせます。
一人暮らしを続ける場合は、家事の負担を減らす工夫をしたり、サポートを受けられる体制を整えたりするとよいでしょう。
環境の変更を検討するケースとは
以下のような状況では、環境の変更を積極的に検討したほうがよいかもしれません。
- 症状が悪化している
- 基本的な生活維持が困難になった
- 孤立感が強まっている
- 治療に専念したい
うつ病が重症化している場合、一人での対応はおすすめできません。
また、通院や服薬管理などのサポートが必要なときも、サポートしてくれる人と一緒に暮らすほうがよいでしょう。
うつ病は治療によって回復できる病気です。
環境の変更は一時的なものと考え、回復状況に応じて柔軟に見直すことも大切です。
一人暮らしでも孤独にならないためにできる3つのこと

一人暮らしのうつ病対策で重要なのは、孤独感を和らげることです。
人とのつながりは心の支えになり、回復の大きな力となります。ここでは、孤独を防ぐ具体的な方法をご紹介します。
地域コミュニティと趣味を通じた交流
孤独感の解消には、同じ興味をもつ人々との交流が効果的です。
仕事以外の部分でつながった人間関係は精神的な支えになります。
一人暮らしで充実した生活を送っている人の共通点は、趣味に熱中していることです。
地域のサークル活動や習い事に参加すれば、趣味が楽しめるだけでなく、交友関係も広がります。
学生なら、学生向けマンションに住むのも選択肢の一つかもしれません。
同じ境遇の人と出会いやすく、マンション内の親睦会などを通じて知り合いを増やせます。
オンラインで人とつながる
外出が難しい時期でも、オンラインであれば人とつながれます。
SNSやビデオ通話ツールを活用して、離れた家族や友人と定期的に連絡を取り合いましょう。
両親や地元の友人とこまめに連絡を取ることは、孤独感を和らげるだけでなく、うつ状態に気づいてもらえるきっかけにもなります。
また、同じ趣味や関心を持つ人々が集まるオンラインフォーラムやグループに参加すれば、外出せずとも会話や交流を楽しめます。
オンラインでカウンセリングを受ける
体調が優れないときこそ、オンラインカウンセリングやオンライン診察が役立ちます。
通院の負担なく専門家の診察を受けられるのは、一人暮らしの方にとって大きなメリットです。
オンラインカウンセリング・診察には、以下のような特長があります。
- 通院時間や交通費が節約できる
- 体調が悪くても自宅から受診できる
- 予約から診察までをスマートフォンで完結できる
- 診断書の発行も可能
利用方法も簡単で、予約サイトから医師を選び、ビデオ通話または電話で診察を受けるだけです。
うつ病で専門家に相談するタイミングと方法

ご自身でケアを続けても症状が改善しない場合、専門家への相談が必要です。
適切な時期に適切な支援を受けることが、うつ病からの回復への近道となります。
受診を検討したほうがよい症状
うつ病は誰にでも起こりうる病気です。
以下のような症状が2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 気分が落ち込み、何に対しても興味や関心が持てない
- 何をしても疲れやすく、集中力が続かない
- 睡眠障害(眠れない・朝早く目覚める・逆に眠りすぎる)
- 食欲の変化(減退または増加)
- 『自分はダメだ』という考えが頻繁に浮かぶ
- 動悸・頭痛・喉のつかえ感などの身体症状がある
一人暮らしでこれらの症状に気づいたら、一人で抱え込まず早めに専門家に相談することをおすすめします。
初診の不安を減らすコツ
初診の際は、ご自身の症状をメモしておくとよいでしょう。日頃の状態や気になる症状を書き出しておくと、診察をスムーズに受けられます。
また、もし可能なら、信頼できる人に付き添ってもらうのも一つの方法です。
外出が難しい場合は、オンライン診察を選べば通院の負担なく診察を受けられます。
夜間や休日にも対応しているクリニックもあり、自分のペースで医療にアクセスしやすくなっています。
診断書や傷病手当の申請サポート
うつ病と診断されたら、必要に応じて診断書の発行を依頼できます。
診断書は会社での休職申請や、傷病手当金の受給申請に必要となることがあります。
かもみーるでは、オンライン診察でも診断書発行が可能です。ZOOMを使った診察を行い、最短で即日発行の手続きも行えます。
オンラインカウンセリングについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
▶︎初めてのカウンセリングにかもみーるをおすすめする3つの理由
うつ病は一人で抱え込むと回復が難しくなります。
専門家の適切な支援を受けながら、ご自身のペースで回復を目指しましょう。早期の相談が、早期回復への第一歩になります。
一人暮らしのうつ病で辛いときは相談しましょう
一人暮らしとうつ病は密接に関わっていて、環境変化や孤独感がリスク要因となります。
しかし、セルフケアや状況に応じた環境選択、人とのつながりの維持が回復を助けてくれるでしょう。
それでも辛い症状が続く場合は、専門家へ相談するのがおすすめです。
医師監修オンラインカウンセリングサービスの『かもみーる』では、オンラインを通じて通院の負担なく診察を受けられます。
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