毎日続くイライラは、単なる気分の問題と考えられがちですが、心や身体の不調が関係しているかもしれません。
また、病気が隠れている可能性もあるため、原因を見極めることが大切です。
この記事では、毎日イライラする状態の特徴や原因、考えられる病気やセルフチェック方法について詳しく解説します。
イライラにお悩みの方は、改善に向けた第一歩として参考にしてください。
毎日イライラする状態とは

日々の生活の中で、多かれ少なかれ誰もが経験するイライラですが、慢性的に続くと心身への負担が大きくなります。
ここでは、一時的な苛立ちとの違いや毎日続くイライラの特徴、心や身体への影響について解説します。
一時的な苛立ちとの違い
一時的なイライラは、その場の出来事に左右されやすく、短時間で落ち着くことが多いものです。
例えば、渋滞や予定の遅れ、相手のちょっとした言葉への苛立ちなどで、生活全般に影響を及ぼすことはあまりありません。
しかし、「毎日イライラする」状態は、気持ちの切り替えが難しく、睡眠や食事など日常生活に長く影響する場合もあります。
無意識のうちにイライラが習慣化してしまい、本人も自覚しにくくなります。
自律神経の乱れや不安感、集中力低下などにつながる可能性もあるため、早めの気付きが大切です。
習慣化したイライラの特徴
イライラが習慣化すると、些細な刺激にも過敏に反応しやすくなります。
同僚の言葉や家族の小さな行動に過剰にイライラしてしまう、予定外の変更に怒りを感じるなどです。
イライラする自分に自己嫌悪感を抱き、さらに苛立つ悪循環に陥るケースも少なくありません。
また、周囲に怒りっぽい印象を与え対人関係にも支障をきたすと、孤立感が深まることもあります。
精神的・身体的な影響
慢性的なイライラは、心身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
精神的には不安感や抑うつ感が強まり、気力の低下につながる恐れがあります。
身体的には、頭痛や肩こり、胃痛、動悸などが現れることもあり、慢性化すると生活の質が下がることもあるでしょう。
また、ストレスホルモンの分泌が続くことで免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなるリスクも高まります。
単なる感情の問題ではないと理解して、心身両面への影響を考えることが必要です。
毎日イライラする原因

日常的にイライラを感じるのは、さまざまな要因が絡み合っています。
ここでは代表的なイライラの原因と、どのように心と身体に影響を与えるかについて解説します。
性格や思考の傾向
性格や考え方のクセが、イライラを招く要因になることがあります。
- 完璧を求めすぎる:小さな失敗や計画の遅れを気にしやすい
- 自己肯定感が低い:人との比較で不安や苛立ちを感じる
- 白黒思考:良いか悪いかで評価が二分化しやすく、周囲に怒りが向きやすい
思考や性格の特徴が積み重なると、イライラが慢性化する原因になる可能性があります。
睡眠不足や疲労
眠りの質や量が不足していると、脳の働きに影響が及びやすいため、生活のなかで改善が必要です。
特に、感情をコントロールする前頭前野の機能が低下すると、普段なら流せる小さな出来事にも過敏に反応してしまい、イライラしやすくなります。
また、疲労の蓄積は自律神経が乱れやすくなり、心身のバランスが崩れることもあります。
さらに、慢性的な睡眠不足はホルモン分泌や免疫機能にも悪影響を与えやすく、体調不良から気分の落ち込みや苛立ちにつながりかねません。
対人関係やコミュニケーションのストレス
他者との関わりは心を支える一方で、ストレスの要因にもなります。
会話中に相手の反応が予想と違ったり、意見がかみ合わなかったりすると、イライラが高まることがあります。
人前での緊張や不安が強いと自分の発言や態度に過敏になり、ストレスを溜めやすくなるため、必要に応じて医療的なサポートを受けるのもよいでしょう。
家庭や職場などで日常的に人と関わる環境では、相手のちょっとした言葉や態度も負担になりやすく、苛立ちが習慣化してしまうケースも少なくありません。
ホルモンバランス・加齢による変化
ホルモンの変動は、気分や感情に大きな影響を及ぼします。
特に女性は、月経前や妊娠・出産、更年期などの時期にホルモンバランスが乱れ、イライラにつながりやすいとされています。
加齢に伴いホルモン分泌が変化することで、男性にも更年期に似た症状が現れる場合もあることを知っておきましょう。
また、男女ともに加齢により体力や気力が落ちると、以前は受け流せていたストレスにも過敏に反応しやすくなります。
毎日イライラが続くときに考えられる病気

毎日続くイライラは、性格や生活習慣の問題だけでなく、障害の特性や病気の可能性もあります。
精神的な疾患や身体の不調は、感情の安定にも影響を及ぼすため、イライラを感じる症状に関連が深い病気を知っておきましょう。
発達障害
発達障害には、ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などが含まれます。
ADHDの場合、注意が散漫になりやすく、予定通りに物事を進められないことで、強いストレスやイライラを感じやすい傾向があります。
ASDの方は、感覚の過敏さや予測できない変化に対する苦手意識があり、日常の些細な変化で苛立ちが起こるのも症状の一部です。
これらは本人の努力の問題ではなく、脳の特性に由来するもので、大人になって気付くケースも少なくありません。
▶ADHD(注意欠如・多動症)とは?発達障害との関係や特徴、対応法を解説
不安障害
不安障害は、日常生活において過剰な不安や心配が続く状態のことです。
全般性不安障害では、根拠のない不安が長時間続き、集中できずに苛立ちを伴うことがあります。
また、社交不安障害やパニック障害など、特定の状況で強い不安を感じ、イライラにつながるケースも多いです。
不安感が強まると自律神経のバランスが崩れ、動悸や発汗などの身体症状も現れやすく、イライラが増す可能性もあります。
▶不安障害の種類別の症状・診断基準┃セルフチェックや治療法も解説
うつ病・双極性障害
うつ病や双極性障害は、気分障害とも呼ばれ、イライラに影響する精神的な疾患です。
うつ病では、気分の落ち込みや興味の喪失だけでなく感情が不安定になり、周囲の刺激に敏感になることで苛立ちの感情が発生しやすくなります。
双極性障害では、気分が高揚する時期(躁状態)と落ち込む時期(抑うつ状態)が交互に現れ、その変動に伴いイライラが強くなることがあります。
これらは脳の神経伝達物質やホルモンのバランスに関連していて、自分の意思でコントロールすることは難しいため、早めに専門医に相談しましょう。
イライラとうつ病の関係については、こちらの記事も参考にしてください。
▶イライラが止まらないのはうつ病のサイン?感情のコントロールが難しいときの原因と対処法
女性ホルモン・身体疾患
女性では、月経周期や更年期に伴うホルモンの変動が、感情面に大きく影響します。
- 月経前症候群(PMS)
- 月経前不快気分障害(PMDD)
- 妊娠・出産
- 更年期障害
- 甲状腺機能の異常
- 貧血など
身体の健康状態は心の安定につながるため、気になる症状がある場合は医療機関を受診して検査を受けることも検討しましょう。
PMSや更年期障害については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶PMSがひどいとPMDDに進行する?症状や原因、対処法や治療法を紹介
▶更年期障害は何歳から始まる?具体的な期間や主な症状について解説
その他の疾病
慢性的な痛みや症状を伴う病気や神経疾患も、日常生活においてストレス要因となり、イライラを増幅させることがあります。
- 慢性頭痛
- 線維筋痛症
- 自律神経失調症
- 統合失調症
- 強迫性障害
- パーソナリティ障害
- 認知症
- 生活習慣病など
神経系の疾患では痛みや不快感が長引き、自律神経や脳の働きに関わる病気も気分の安定を保ちにくくなり苛立ちが強まる傾向があります。
また、生活習慣病は直接の原因ではありませんが、体調不良による心身への負担がイライラを引き起こす場合もあるため、見過ごせません。
イライラ度はどのくらい?セルフチェック

毎日続くイライラが一時的な感情の波なのか、注意が必要な状態なのかを判断するのに、セルフチェックを行うのもひとつの方法です。
以下に、イライラの程度を段階別にまとめました。
段階 | チェック項目 | 補足説明 |
軽度 | 小さな予定変更に苛立つ 人混みで疲れやすい 寝不足で気分が不安定になる 食べ物の好みが変わる 集中力が続かない | 日常生活の範囲で起こる一過性のイライラのことが多い 生活習慣や休養で改善する可能性がある |
中等度 | 家族や同僚に強い口調であたってしまう 好きなことをしても気持ちが晴れにくい 理由もなくイライラする頻度が多い | イライラが習慣化していて、周囲との関係や気分に影響が出ている セルフケアだけでなく、環境調整も必要 |
重度 | 怒りが抑えられず大きな声を出す 身体的な体調不良を伴う 日常生活に支障が出るほど落ち着けない 強い自己嫌悪や希死念慮がある | 精神的・身体的な負担が大きい 医療機関の受診を検討する段階 |
セルフチェックはあくまで自己確認のための目安であり、診断ではありません。
ただし、複数の項目が当てはまっていて、日常生活に支障をきたしている場合は、抱え込まずに医療機関に相談することが大切です。
イライラ改善の工夫

イライラを改善するためには、気持ちを落ち着ける工夫や生活環境の調整が必要です。
ここでは、日常生活に取り入れやすい方法やコントロール方法を紹介します。
環境調整
自分が過ごす環境を整えることで、イライラの頻度や強さを軽減できる可能性があります。
例えば、部屋を整理して物理的なストレス要因を減らす、職場での業務を優先順位づけしてタスク過多を避けるなどの工夫です。
騒音や人混みなど、刺激が多い環境を回避し、行動により調整するのも大切です。
自分の気持ちをリセットするために、落ち着ける場所・環境を整えることを意識しましょう。
生活習慣の改善
生活習慣が乱れると、心身の不安定につながるため、見直しが不可欠です。
睡眠不足はイライラの引き金になりやすいため、時間の確保と質を上げられるように工夫してみましょう。
また、栄養の偏りも不調を引き起こしやすいため、糖分やカフェインの摂りすぎを控え、バランスの良い食事を心がけてください。
適度な運動はストレスホルモンを減らし、気分を落ち着ける効果があるとされているため、無理のない範囲で取り入れるのがおすすめです。
アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、アメリカで生まれた、怒りやイライラの感情をコントロールするための心理トレーニングです。
怒りを無理に抑え込むのではなく、感情を適切に表現し、相手や自分を傷つけないように調整することを目的にしています。
(参照:「アンガーマネジメントとは」一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会)
- 怒りを感じたら6秒深呼吸しながら待つ
- 怒りの強さを0~10で評価して客観視する
- ~すべきとの許容範囲を広げて怒る条件を緩める
このような方法を活用することで、イライラをコントロールしやすくなります。
毎日イライラするときに医療機関に相談するタイミング

イライラが続いているときに、もう少し時間が経てば落ち着くだろうと考える方は少なくありません。
しかし、症状が長引くと心身の負担が増して、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
ここでは、医療機関に相談を検討するタイミングについて、解説します。
イライラが持続的
一時的なストレス反応ではなく、数週間〜数か月にわたり慢性的にイライラが続いている場合は、専門機関に相談した方がよいサインです。
感情が昂った状態が長く続くと、自律神経が乱れやすく、心身に疲労が蓄積します。
小さな刺激にも敏感になり、自己嫌悪や焦りを強めるなどの悪循環に陥る可能性もあるため、注意が必要です。
生活や仕事に支障が出ている
イライラによって人間関係にトラブルが生じたり、集中力の低下で仕事や学業に影響が及んでいるときは、限界に達している可能性があります。
職場での衝突や家庭内の口論が増えている場合、感情のコントロールが困難になっている状態です。
早めに専門家のアドバイスを受けることで、改善の糸口を見つけやすくなります。
周囲から指摘される
自分では気付きにくい変化も、周囲の人は感じ取っていることがあります。
最近怒りっぽい、話しかけづらいなどの指摘を受けるようになった場合、他者から見て感情が乱れやすくなっている可能性が高いです。
自覚がなくても、家族や友人、同僚からの言葉に耳を傾け、必要に応じて医療機関で自分の状態を確認することを検討しましょう。
希死念慮や強い衝動がある
イライラが強まると、自分や他者を傷つけたい衝動につながることがあります。
「死にたい」、「生きていても仕方ない」など生死に関わる思考に発展するケースもあり、緊急性の高い状態です。
こうした希死念慮や衝動が出た場合は、迷わず専門機関を受診し、適切なサポートを受けることが重要です。
イライラが続く場合は1人で抱え込まず専門機関へ!
毎日イライラが続くとき、一時的なものなのか、病気の前触れなのかがわからず不安になってしまうかもしれません。
性格的な傾向や睡眠不足、ホルモンの変化などの場合もありますが、慢性的な苛立ちは心身に悪影響を及ぼします。
発達障害や不安障害などの精神的な疾病やホルモンの影響、身体的な病気や不調が関わっている場合もあります。
イライラを性格の問題や一時的なものと放置せず、心身からのSOSかもしれないと捉え、必要に応じて専門機関への相談やケアを受けましょう。
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