うつ病は病院に行かないで治せる?セルフケア方法と受診のタイミング

更新日 2024年03月26日

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「うつ病かもしれないけど、病院に行くのは気が進まない…」「できれば自分の力で乗り越えたい」と悩んでいる方は少なくありません。

うつ病に悩む方は決して珍しくなく、その症状や重症度はさまざまです。

軽度であればセルフケアが効果的な場合もありますが、状態によっては専門的な治療が必要なケースもあります。

この記事では、うつ病のセルフケア方法から病院受診の判断基準、オンライン診察という選択肢まで、回復への道筋を解説します。

うつ症状に悩んでいる方、大切な人のサポートを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

うつ病で病院に行かずに回復できるケースとは

うつ病の重症度と回復方法を示す図

うつ病は誰にでも起こりうる病気で、『病院に行かないで治せるか』という疑問をもつ方は少なくありません。

軽度のうつ症状であれば自力で回復できる可能性もありますが、症状の重さや状況によって適切なアプローチは異なるため、まずはご自身のうつ状態を正しく理解することが大切です。

うつ病の重症度と『自分で治せる』可能性

うつ病は軽症・中等症・重症の3段階に分けられます。

軽症のうつ病では『一日中なんとなくだるい』『何事にもやる気が起きない』と感じながらも、仕事や勉強、家事などはどうにか続けられます。

周囲とのコミュニケーションも取れるため、本人も周囲も病気と気づかないことが多いのが特徴です。

一方、中等症から重症になると、専門的な治療が必要になります。

中等症では気力の低下が顕著になり睡眠障害も現れ、重症になると日常生活に明らかな支障が出て、『希死念慮(死にたいという思い)』が強まる場合もあります。

ご自身がうつ状態かどうかを判断する目安として、以下のチェックリストを参考にしてみてください。

▶うつ自己診断チェックリスト

これらの項目に半分程度当てはまり、症状が2週間以上続いている場合は、軽度のうつ状態かもしれません。

うつ病について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

▶︎うつ病とは?症状・原因・治療法と自己診断チェックリスト

▶うつ病を9種類に分けて症状・原因別に解説!重症度や間違われやすい病気も

軽度のうつ症状に効果的なセルフケア方法

軽度のうつ症状を自力で改善するためには、以下のようなセルフケア方法が効果的です。

■休養を十分に取る

うつ状態では心と体が休息を求めているため、無理に頑張らず十分な休養を取ることが回復の第一歩です。

仕事や家事の負担を一時的に減らし、睡眠時間を確保しましょう。

■規則正しい生活リズムを保つ

早寝早起きの朝型生活習慣を心がけ、朝日を浴びることで体内時計を整えます。

食事も三食規則正しく取り、生活にリズムを作るのが重要です。

■軽い運動を取り入れる

散歩や軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすと、幸せホルモンともいわれるセロトニンの分泌が促され気分が改善します。

週に2〜3回、30分程度の有酸素運動がおすすめです。

■食生活に気を配る

セロトニンの元となるトリプトファンを含む食品(大豆製品、乳製品、バナナなど)や、魚(とりわけDHAやEPAが豊富な青魚)を積極的に摂取すると、心の安定につながります。

自力での回復に適した条件

自力でうつ症状を改善するには、いくつかの条件が整っていることが望ましいでしょう。

  • 周囲のサポートが得られる環境がある
  • ストレス要因を一時的に遠ざけられる状況にある
  • 自分の状態を客観的に観察できる冷静さがある

例えば、職場の理解を得て一時的に苦手な仕事や人から離してもらったり、家事の負担を軽減したりできれば、回復の助けになるかもしれません。

軽度のうつ症状であれば、これらのセルフケアと環境の見直しによって、病院に行かずに回復できる可能性もあります。

ただし、症状が変わらない場合や悪化した場合は、ためらわず専門家に相談してください。

うつ病による休職について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

▶︎休職期間から復職に至るステップ

▶休職期間の過ごし方

うつ病で病院に行きたくない理由と対処法

病院に行きたくない理由と対処法を示す図

うつ病に苦しんでいても、『病院に行きたくない』『病院に行けない』と思ってしまう気持ちには、さまざまな背景があります。

病院への抵抗感が生まれる主な理由

うつ病で病院に行くことをためらう理由は人それぞれですが、多くの方に共通するいくつかのパターンがあります。

  • 精神科への偏見や周囲の目が気になる
  • 『自分はうつ病ではない』『うつ病になるわけがない』という気持ち
  • うつ病と診断されレッテルが貼られることへの恐怖
  • うつ症状により外出などの行動が困難になっている
  • 経済的な理由

心理的ハードルはさまざまですが、このような理由から病院への受診をためらっていると症状が悪化し、回復までの期間が長くなってしまう恐れがあります。

病院に行けない・行きたくない気持ちへの対処法

病院に行きたくないという気持ちに対して、以下のような対処法が有効です。

  • 家族や友人など信頼できる人に相談する
  • うつ病や治療法について正しい知識を得る
  • 訪問医療サービスを利用する
  • オンライン診察を活用する
  • まずはカウンセリングから始める
  • 同伴者を頼む

これらの対処法のなかでできることを試しながら、ご自身にあったアプローチを見つけていくことが大切です。

うつ病を改善するための効果的な生活習慣

うつ病を改善するための生活習慣を示す図

うつ病の症状を和らげるには、薬物治療や心理療法だけでなく、日常生活の見直しが重要な役割を果たします。

適切な生活習慣の改善は、軽度から中等度のうつ症状に対して効果的なセルフケア方法となり得ます。

基本のセルフケア3要素

うつ病回復の土台となるのは、規則正しい生活リズムです。

これを支える三つの柱が『睡眠・食事・運動』です。

■質のよい睡眠を確保する

深い睡眠にはホルモンのバランスを整える効果があり、毎日同じ時間に就寝・起床することで体内時計が整い、うつ症状の改善につながります。

寝る前のスマホやパソコン利用を避け、寝室は静かで暗く、快適な温度に保ちましょう。

■バランスの取れた食事

うつ病の回復には、脳機能をサポートする栄養素の摂取が欠かせません。

青魚、野菜、果物、全粒穀物などを中心とした食事を心がけましょう。

過度の糖質や加工食品は血糖値の急激な変動を引き起こし、気分の波を大きくする恐れがあるため、控えめにするとよいでしょう。

■適度な運動習慣

運動には気分を向上させる効果があります。

週に3回、30分程度の有酸素運動(散歩、水泳など)を取り入れると、うつ症状の改善に役立ちます。

激しい運動である必要はなく、少しだけ体を動かすことから始めましょう。

ストレス管理と心のメンテナンス方法

日常的なストレス管理も、うつ病の改善に欠かせません。

■マインドフルネス実践

『いまこの瞬間』に意識を向ける瞑想法は、うつ症状の緩和に効果的です。

1日5〜10分程度の瞑想を習慣化すると、気持ちの波が穏やかになります。

■日記療法の活用

自分の感情や思考を書き出すことで、心の整理ができます。

ネガティブな思考パターンに気づき、より客観的な視点を養うのに役立ちます。

■小さな達成感を積み重ねる

達成可能な小さな目標を設定し、それを達成する喜びを味わうと自己肯定感が高まります。

うつ状態では完璧主義を手放し、『できることから少しずつ』という姿勢が大切です。

これらの生活習慣の改善は、うつ病の予防や軽度の症状改善に効果的です。

ただし、症状が重い場合や、セルフケアだけでは改善が見られない場合は、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。

自力での回復に限界を感じたら?うつ病は早期治療が効果的

自力での回復の限界と早期治療の重要性を示す図

セルフケア方法を幾つか紹介しましたが、うつ病の特性や個人差によっては効果が出にくいケースもあります。

自力での回復に限界を感じたら、適切なタイミングで専門家の助けを求めることが大切です。

セルフケアだけでは改善しない症状の見極め方

セルフケアを続けているのに症状がよくならない場合、以下のサインに注目してみましょう。

  • 継続的な気分の落ち込み
  • 身体症状の悪化
  • 睡眠パターンの乱れ
  • 日常生活への支障
  • 希死念慮の出現

なかでも『消えてしまいたい』『死にたい』という思いが浮かぶようになったら、即座に専門家に相談したほうがよい危険なサインです。

病院受診を検討するタイミング

うつ病の症状が以下のような状態になったときは、病院受診を真剣に検討するタイミングです。

■軽症のうつ病の進行

軽症のうつ病が進行すると、集中力や決断力の低下がより顕著になり、周囲とのコミュニケーションも難しくなります。

口数が極端に減る、外出を避ける、身だしなみが著しく乱れるなどの変化が見られたら、早めの受診を検討しましょう。

■自己否定感の強まり

『自分には価値がない』『まわりに迷惑をかけている』といった自己否定的な考えが強まると、うつ病の悪循環に陥りやすくなります。

こうした思考パターンは客観的に見直すのが難しく、専門家のサポートが必要です。

■日常機能の著しい低下

遅刻や欠勤が増える、基本的な身のまわりのことができなくなるなど、生活が立ち行かなくなるレベルまで機能が低下した場合は、早急な医療介入が必要です。

早期治療のメリットと遅延するリスク

うつ病は早期の適切な治療が非常に重要です。

早めに専門家に相談することで得られるメリットを理解しましょう。

  • 回復期間が短縮できる
  • 再発の恐れを低減できる
  • 合併症が予防できる

治療が遅れるとアルコール依存や薬物乱用などの二次的な問題を引き起こすリスクが高まります。

また、長期間のうつ状態は、対人関係や仕事面での深刻な問題を招く恐れもあります。

ご自身の状態を正しく把握し、必要なときには専門家の助けを求める勇気も、回復への重要なステップといえるでしょう。

うつ病のオンライン診察とオンラインカウンセリング

オンライン診察とカウンセリングのメリットを示す図

うつ病の治療を考える際、近年は従来の対面診察だけでなく、オンライン診察という選択肢も広がっています。

自宅から受けられる専門的サポート

オンライン診察やオンラインカウンセリングには、従来の対面診察にはないメリットがあります。

  • 自宅からリラックスした状態で受診可能
  • 周囲の目を気にせず受診できる
  • 対面して会話するのが苦手でも利用しやすい
  • 時間を有効活用できる
  • 金銭的な負担を軽減できる場合がある

外出が億劫になる、人目が気になるといったうつ病特有の悩みを抱える方にとって、自宅から専門的なケアを受けられるオンラインサービスは、気軽に利用しやすいサービスです。

「不調が続いているけど、病院に行くまでではないかも…」とお悩みの方は、まずはオンライン診療かオンラインカウンセリングで相談してみてもいいかもしれません。

診断書や薬の処方について

オンライン診察でも、さまざまな医療サービスが利用可能です。

■診断書の発行

オンライン診察でも診断書の発行が可能です。

診断書は休職や傷病手当の申請、離婚調停など社会的な手続きに必要な証明として活用できます。

■薬の処方と配送

うつ病の治療に必要な薬も処方してもらえます。

処方された薬は、自宅に郵送されるか、処方箋に対応した薬局で受け取れます。

■継続的なフォローアップ

定期的なオンライン診察を通じて、薬の効果や副作用のチェック、症状の変化に応じた治療調整が行われます。

また、引っ越しの多い方や、地方在住でクリニックへのアクセスが限られている方にとっても、継続して通いやすいというメリットがあります。

オンライン診察・カウンセリングについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

▶初めてのカウンセリングにかもみーるをおすすめする3つの理由

▶︎精神科・心療内科のオンライン診療のメリットとは│流れ&診断書の発行について解説

『病院に行きたくない』と感じる方こそ、まずはオンラインという手段で専門家とつながることを検討してみてはいかがでしょうか。

一人で悩まず、ご自身にあった形で医療サポートを受けるのが、回復への近道となります。

うつ病からの回復への第一歩を踏み出すために!

うつ病との向き合い方は人それぞれです。

軽度であれば適切な生活習慣の改善やセルフケアによって回復できる場合もありますが、「これくらい大丈夫」と軽く考えて放置すると、悪化してしまう可能性もあります。

病院への受診を迷っているのであれば、一度オンラインで相談してみるといいでしょう。

医師や心理士の有資格者のみが在籍するオンライン診療・オンラインカウンセリングサービス『かもみーる』では、お悩みのある方にメンタルケアを提供しています。

また、薬物療法の効果が感じにくい方、薬の服用に不安がある方は、港区にある『かもみーる心のクリニック』で、TMS治療もお受けいただけます。

オンライン診察では最短で当日中に診断を行い、診断書を発行することも可能です。

うつ病で病院に行きたくないとお悩みの方は、まずは『かもみーる』のオンライン診察やオンラインカウンセリングでご相談ください。

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