投稿日 2026年06月17日
夜なかなか眠れない、朝起きられない、日中の眠気がつらいなど、発達障害のある方は、睡眠の悩みを抱えている方も少なくありません。
ADHDやASDは、体内時計の乱れ、感覚過敏、不安やストレス、過集中などが影響し、睡眠障害が起こりやすいとされています。
研究によると、ASDを持つ子供の約40~80%が何かしらの睡眠障害を併発しているとされています。
参考)Richdale, A. L. & Schreck, K. A. (2009) "Sleep problems in autism spectrum disorders: Prevalence, nature, & possible biopsychosocial aetiologies" Sleep Medicine Reviews, Vol. 13, Issue 6, pp. 403–411.
この記事では、睡眠障害と発達障害の関係、発達障害がある人に睡眠障害が起こりやすい理由、ADHDとASDの主な睡眠トラブルについて詳しく紹介します。
睡眠障害と発達障害は関係ある?

睡眠障害と発達障害には深い関係があるとされ、ADHDやASDの特性が眠りに影響することがあります。ここでは、睡眠障害と発達障害の関係について詳しく解説します。
発達障害がある人は睡眠の悩みを抱えやすい
発達障害がある人は、寝つきの悪さや夜中に目が覚める、朝起きられないといった睡眠の悩みを抱えやすい傾向があります。
これは、睡眠と覚醒のリズムを調整する働きや、感覚の受け取り方、不安の強さなどが関係すると考えられているためです。
音や光が気になって眠れない、興味のあることをやめられず就寝時間が遅くなるケースがあり、生活リズムの乱れで日中の眠気や集中しづらさにつながる場合もあります。
睡眠障害と発達障害の関係を理解することは、本人に合った対策を考える第一歩です。
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ADHDとASDでは睡眠トラブルの特徴が異なる
ADHDとASDでは、睡眠トラブルの出方に違いがみられることがあります。
ADHDは、頭や体が落ち着きにくい、衝動的に行動してしまう、興味のある作業に集中しすぎるなどの特性から、寝る時間が遅くなったり入眠に時間がかかったりしやすいです。
一方、ASDは感覚過敏やこだわり、不安の強さが眠りを妨げる要因になることがあり、寝具の感触や明るさが気になりリラックスできない場合があります。
眠れないという悩みでも背景は異なるため、それぞれの特性に合わせた見直しが大切です。
睡眠不足が発達障害の特性を強めることがある
睡眠不足が続くと、発達障害の特性がより強く表れることがあります。
これは、十分に眠れていない状態では、集中力の低下、感情の不安定さ、衝動性、こだわりの強まりなどが起こりやすくなるためです。
例えば、ADHDのある人では日中の注意散漫や落ち着きにくさが目立ち、ASDのある人では環境の変化に対する不安や感覚のつらさが増すことがあります。
日中のストレスが高まり、さらに夜眠りにくくなるケースも少なくありません。
睡眠の問題を単なる生活習慣の乱れと捉えず、発達特性との関係を踏まえて整えていくことが重要です。
発達障害がある人に睡眠障害が起こりやすい理由

発達障害がある人の睡眠障害には、脳の覚醒、不安やストレス、感覚過敏などが関係すると考えられています。ここでは、睡眠障害が起こりやすい理由を詳しく解説します。
脳の覚醒状態が続き寝つきにくくなる
発達障害がある人は、夜になっても脳の覚醒状態が続きやすく、それが寝つきの悪さにつながることがあります。
特にADHDでは、頭の中で考えが次々に浮かんだり、興味のある作業をやめるタイミングを逃したりして、就寝時間が後ろ倒しになりやすいです。
ASDでも、決まった手順やこだわりが崩れると気持ちが切り替わりにくく、眠る準備に時間がかかる場合があります。
こうした状態が続くと、体は疲れていても脳が休息モードに入りにくくなり、結果として睡眠リズムの乱れにもつながります。
不安やストレスを感じやすい
不安やストレスを感じやすいことも、発達障害の人に睡眠障害が起こりやすい理由です。
ADHDやASDの特性により、日中の失敗体験、人間関係の疲れ、予定変更への戸惑いなどが積み重なると、夜になっても緊張が抜けにくくなることがあります。
例えば、学校や仕事でうまく対応できなかった場面を思い返して眠れなくなったり、翌日の予定が気になって入眠まで時間がかかったりするケースです。
不安が強い状態では心身が休まりにくく、睡眠の質も低下しやすくなるため、日中の集中力や気分にも影響し、さらにストレスが増える悪循環に陥ることもあります。
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感覚過敏で睡眠環境の刺激が気になりやすい
感覚過敏がある場合、睡眠環境のわずかな刺激が眠りを妨げる原因になることがあります。
ASDでは、周囲には気にならない小さな物音や照明の明るさでも、本人にとっては覚醒を促す刺激となり、寝つきの悪さや夜間の目覚めにつながる場合が多いです。
ADHDでも外部刺激に注意が向きやすく、眠る前にスマートフォンや動画などの情報に触れると、気持ちが切り替わりにくくなることがあります。
睡眠障害と発達障害の関係を考えるうえでは、一般的な快眠法だけでなく、本人が安心して休める環境を個別に整える視点が重要です。
ADHDの人に多い睡眠トラブル

ADHDの人は、入眠の遅れや生活リズムの乱れ、日中の眠気に悩むことがあります。ここでは、ADHDの特性と睡眠障害の関係について詳しく解説します。
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夜になると集中力が高まり眠れない
ADHDの人は、夜になると興味のあることに集中しやすくなり、眠るタイミングを逃してしまうことがあります。
例えば、動画やゲーム、調べもの、仕事などを始めるともう少しだけと続けてしまい、気づいたときには深夜になっているケースです。
また、布団に入ってからも考えごとが止まらず、脳が休息モードに入りにくい場合も少なくありません。
夜に集中力が高まること自体を責めるのではなく、就寝前に刺激の強い行動を減らし、眠る準備へ移りやすい流れを作ることが大切です。
夜更かしや昼夜逆転になりやすい
ADHDの人は、夜更かしや昼夜逆転の状態になりやすいとされています。
背景には、体内時計の乱れや入眠の遅れに加えて、時間の見通しを立てにくい特性が関係することがあります。
例えば、就寝時間を決めていても作業を終える区切りがつけられず、毎日少しずつ寝る時間が遅くなるといったケースです。
朝起きる時間が遅れると、日中に十分な活動量や光を得にくくなり、夜に眠気が来にくくなることもあります。
睡眠障害と発達障害の関係を考える際は、単に早く寝ようとするだけでなく、起床時間や日中の過ごし方も含めて整える視点が重要です。
日中の眠気や集中力低下につながる
ADHDに伴う睡眠トラブルは、日中の眠気や集中力低下につながることがあります。
夜に十分眠れなかったり、睡眠の質が下がったりすると、脳と体の回復が不十分になり、もともとの不注意や落ち着きにくさが目立ちやすくなります。
例えば、授業や会議など受け身で過ごす場面で強い眠気が出たり、作業を始めても注意が続かなかったりするといったケースです。
眠気によってミスや遅刻が増えると、自己嫌悪やストレスが強まり、さらに夜眠りにくくなる悪循環に陥る場合も少なくありません。
ASDの人に多い睡眠トラブル

ASDの人は、感覚過敏や不安の強さ、睡眠リズムの乱れによって眠りにくさを感じることがあります。ここでは、ASDに多い睡眠トラブルについて詳しく解説します。
▶ASDの特徴とは?子ども・大人それぞれに見られる行動について解説
感覚過敏で音や光が気になり眠れない
ASDの人は感覚過敏の影響により、音や光などの刺激が気になり眠れないことがあります。
周囲の人には小さく感じる物音や、わずかな照明の明るさでも、本人にとっては強い不快感や緊張につながる場合があります。
例えば、時計の音、家族の生活音、外の車の音、カーテンの隙間から入る光などが気になり、布団に入っても落ち着けないケースです。
このような刺激が続くと、脳が覚醒した状態になり、寝つきの悪さや夜間の目覚めにつながりやすくなります。
不安や緊張で寝つきが悪くなりやすい
ASDの人は、不安や緊張が強まりやすく、寝つきの悪さにつながることがあります。
予定の変更、人間関係の疲れ、日中に受けた刺激などを夜になっても整理しきれず、心身が休息モードに入りにくくなるためです。
例えば、翌日の予定がいつもと違う、学校や職場で気になる出来事があった、寝る前のルーティンが崩れたといった状況では、不安が高まり眠れなくなる場合があります。
また、見通しが立たないことに負担を感じやすいため、就寝前に考えごとが増え、それが原因で睡眠時間が短くなることも多いです。
夜中に目が覚めやすく睡眠が浅くなる
ASDの人は、夜中に目が覚めやすく睡眠が浅くなることもあります。
これは、感覚刺激への反応の強さや不安の残りやすさ、生活リズムの乱れなどが重なると、眠りを維持しにくくなるためです。
例えば、夜間の小さな音や部屋の明るさで目が覚めたり、一度起きると考えごとが始まって再び眠るまで時間がかかったりする場合があります。
睡眠が浅い状態が続くと、十分な時間を布団で過ごしていても疲れが取れにくく、日中の眠気や集中しづらさにつながります。
発達障害と関係がある代表的な睡眠障害

発達障害と関係がある代表的な睡眠障害は以下の通りです。
- 不眠症
- 概日リズム睡眠・覚醒障害
- 睡眠相後退症候群
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 過眠症
- 日中の過度な眠気
- 睡眠時無呼吸症候群
- レストレスレッグス症候群
- 周期性四肢運動障害
- 睡眠時随伴症
- 夜驚症
- 夢遊病
- 悪夢障害
発達障害と関係がある睡眠障害には、不眠症、概日リズム睡眠・覚醒障害、覚醒障害、過眠に近い日中の強い眠気、睡眠中の中途覚醒などがあります。
睡眠障害と発達障害の関係を理解するには、症状名だけで判断せず、本人の特性や生活環境まで含めて考えることが大切です。
睡眠障害で受診を検討したほうがよいサイン

睡眠の悩みは一時的な生活リズムの乱れで起こることもありますが、日常生活に影響している場合は注意が必要です。ここでは、受診を考える目安を解説します。
睡眠不足で学校や仕事に支障が出ている
睡眠不足で学校や仕事に支障が出ている場合は、受診を検討したほうがよいサインです。
発達障害がある人は、もともとの不注意や疲れやすさに睡眠不足が重なることで、遅刻、欠席、ミス、作業効率の低下が目立ちやすくなることがあります。
例えば、授業中や会議中に強い眠気が出る、朝起きられず予定に間に合わない、集中できず提出物や業務に影響が出るといった状態です。
注意されたり叱られたりする機会が増えると、自己否定感やストレスが強まり、さらに眠りにくくなることもあります。
本人の努力だけで解決しようとせず、睡眠の状態や発達特性を医師に相談することで、原因に合った対応を考えやすくなります。
気分の落ち込みや不安が強い
眠れない状態に加えて、気分の落ち込みや不安が強い場合も注意が必要です。
発達障害がある人は、日中のストレスや対人関係の負担、予定変更への不安などが睡眠に影響しやすく、反対に睡眠不足が続くことで気分の不安定さが強まることがあります。
例えば、寝る前に考えごとが止まらない、翌日のことが不安で布団に入るのがつらい、朝から気力が出ないといった状態が続く場合です。
こうした不調を放置すると、睡眠の問題だけでなく、うつ状態や不安症状が悪化するおそれもあるため、早めに受診して改善策を検討しましょう。
市販薬やセルフケアで改善しない
市販薬やセルフケアを試しても睡眠の悩みが改善しない場合は、受診を検討してください。
寝る前のスマホを控える、寝室の音や光を調整する、起床時間をそろえるといった工夫は大切ですが、それだけでは十分に改善しないことがあります。
また、市販の睡眠改善薬を自己判断で使い続けると、眠気の持ち越しや体調への影響が出る可能性も想定されます。
眠れない状態が続く、日中の眠気が強い、服薬中の薬との関係が気になる場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。
睡眠障害と発達障害の関係を理解して適切に対処しよう
睡眠障害と発達障害には深い関係があり、ADHDやASDの特性によって眠れない、朝起きられない、日中に強い眠気が出るなどの悩みが生じることがあります。
睡眠不足が続くと集中力の低下や気分の不安定さにつながり、発達障害の特性がより目立つ場合も少なくありません。
睡眠の問題を本人の努力不足と捉えず、特性や環境との関係を理解することが大切です。
睡眠障害や発達障害にお悩みの方は、オンラインカウンセリングサービス『かもみーる』の利用を検討してください。
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