涙が止まらないのは適応障害?症状・職場や自宅での対処法・受診の目安を解説

更新日 2026年02月03日

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「最近涙が止まらない…」
「夜寝る前に涙が出る」
「感情のコントロールが難しい状態」

こんな症状が続く場合、心や身体に不調が起きているサインかもしれません。

適応障害は、ストレスが原因となり心身にさまざまな不調が起こる病気で、「涙が止まらない」という症状が起こることもあります。

この記事では、適応障害と涙の関係、涙が止まらなくなるメカニズム、その他の考えられる病気などについて詳しく解説します。

対処法や受診の目安も紹介しますので、涙が止まらずに不安な方、治療法が知りたい方はぜひ記事をチェックしてみてください。

適応障害とは?

適応障害とは、特定のストレス(職場環境、人間関係、引越し、転勤、転職、離別など)が引き金となり、心身に不調が現れて日常生活に支障をきたす病気のことです。

ストレスは誰しも持っているものですが、慢性的にストレスが過剰な状態が続いたり、対処が難しくキャパオーバーになってしまったりすると、適応障害を引き起こすことがあります。

適応障害では、心や身体、行動面で幅広い症状が見られます。(詳しくは後述)

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涙が止まらないのは適応障害のサイン?

「涙が止まらない」「わけもなく涙が出る」「些細なことで泣いてしまう」などは、適応障害でも見られることのある症状の一つです。

適応障害では、不安や気分の落ち込み、焦りなどの気持ちが強くなるため、これが涙につながります。

適応障害は決して珍しいものではなく、特に働き盛り世代でよく見られる病気です。

(参考:厚生労働省『職場におけるメンタルヘルス不調者の事例性に着目した支援方策に関する研究』)

適応障害の原因となるストレスで最も多く見られるものの一つが、仕事や家庭のストレスです。

  • 仕事……業務量や責任、ノルマなどのプレッシャー、長時間労働、パワハラやモラハラ、人間関係トラブルなど
  • 家庭……結婚、出産、介護、パートナーや家族との不仲など

仕事や家庭にまつわるストレスは長期間にわたって続くことが多く、心や身体を休めたくても、思うようにいかないことが少なくありません。

こうしたストレスが日々積み重なることで、適応障害を引き起こしてしまうことがあります。

ストレスで涙が出るメカニズム

ストレスを感じると、副腎から「コルチゾール」などのストレスホルモンが出ます。

コルチゾールはストレスに対処するために分泌されるホルモンですが、過剰分泌されると自律神経のバランスが崩れ、感情をうまくコントロールできなくなります

また、精神的ストレスが続くと、気分を安定させたりストレスを軽減したりする働きを持つ「セロトニン」が減少してしまいます。

その結果、些細なことで涙が出たり、気持ちが不安定になったりしてしまうなどの症状につながるのです。

涙には以下の3つの種類がありますが、情動性の涙(感情的な涙)を流すことには、ストレス緩和・疲労感軽減・リラックスなどの効果があることがわかってきています。

  • 基礎分泌としての涙……目を保護する生理的な役割がある涙
  • 反応性の涙……目にゴミが入ったとき、玉ねぎを切ったときなどに出る涙
  • 情動性の涙(感情的な涙)……悲しいとき、嬉しいとき、感動したときに出る涙

このような働きもあることから、ストレスで涙が止まらなくなるのは、心と身体がバランスを取り戻そうとする反応とも考えられるかもしれません。

(参考:山口県立大学看護栄養学部『情動性の涙のストレス緩和作用に関する研究』)

適応障害の症状は「涙が止まらない」以外にもさまざま

適応障害では、涙が止まらない以外にもさまざまな症状が見られ、これらは大きく「心の症状」「身体の症状」「行動面の症状」の3つに分けられます。

ここでは、各分類ごとに主な症状を紹介します。これらの症状は適応障害のサインである可能性もあるため、気付いたら早めに専門家に相談しましょう。

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心の症状

適応障害で見られる心の症状としては、以下があります。

  • 抑うつ気分
  • 悲しみ
  • 不安
  • 涙もろくなる、涙が止まらない
  • 焦り・緊張感
  • イライラ・怒りっぽさ
  • 無力感・絶望感
  • 集中力の低下
  • 意欲低下

「仕事のやる気が出ない」「ストレスの原因について考えると不安になり、涙が出てしまう」「何をしても楽しめない」などの症状が出ることもあります。

身体の症状

適応障害では、心のストレスが体に影響を与えることで、以下のような身体症状が現れることがあります。

  • だるさ、倦怠感
  • 不眠、睡眠の質の低下
  • 食欲不振や過食
  • 頭痛、めまい
  • 動悸、過呼吸、胸の圧迫感、息苦しさ
  • 消化器症状(腹痛・下痢・胃痛・吐き気など)
  • 喉の異物感
  • 難聴
  • 手足や口の周りのしびれ など

症状が重い場合は日常生活にも影響してしまいますが、身体の症状が目立つ場合、適応障害と気付かないこともあります。

行動面の症状

適応障害では、以下のように行動面にも変化が見られることがあります。

  • 遅刻・早退・欠勤がの増加
  • ミスの増加、作業スピードの低下
  • 危険運転
  • 攻撃的な行動
  • 暴飲暴食、過度な飲酒
  • コミュニケーション回避、引きこもり など

行動面の変化は、本人ではなく周囲が先に気づくケースもあります。

涙が止まらないときに考えられる適応障害以外の病気

涙が止まらないという症状は、適応障害以外にも以下のような病気・状態で生じることもあります。

名称

主な症状

うつ病

抑うつ気分・興味喪失・睡眠障害・倦怠感・自責感

双極性障害(躁うつ病)

うつ状態と躁状態もしくは軽躁状態(活動的な状態)を繰り返す

不安障害

過度の不安・焦燥・動悸・過呼吸

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

フラッシュバック・過覚醒・過度警戒・回避

自律神経失調症

めまい・動悸・頭痛・疲労感

また、適応障害はこれらの疾患と併発するケースもあります。

特に、うつ病や不安障害と併発するケースは少なくないため、原因を見極め疾患に合った適切な治療を行うことが大切です。

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涙が止まらないときに自分でできる工夫・対処法

涙が止まらないとき、自分でもできるいくつかの工夫や対処法があります。

根本的なストレスの解決になるわけではありませんが、負担軽減や心身を安定させるサポートとして取り入れてみてください。

ストレスの原因を特定して距離を置く

まずは、涙が出やすくなる原因と感じる状況や人間関係などを紙に書き出してみましょう。何に反応しているかを客観的に把握することで、対策しやすくなります。

できる範囲でストレスの原因と距離を置くことで、ストレスが軽減され、涙の頻度や激しい感情の波が落ち着くことがあるでしょう。

しっかり休養をとる

心身が疲れていると、普段のように感情のコントロールができなくなってしまうことがあります。

規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠をとりましょう。

仕事や家事などを休めるのであれば、まとまった休息と回復の時間を確保して、ストレスの軽減につなげましょう。

自分の感情を外に出す(相談する・書き出す・我慢せずに泣く)

信頼できる友人や家族に話す、日記やメモに書き出す、我慢せずに泣くなど、感情を表に出すことでストレス発散になることがあります。

「涙が止まらない」のは、ストレスが限界に達しているサインかもしれません。一人で抱え込むと悪化してしまう可能性があるため、周囲の人への相談も検討してみましょう。

知り合いに打ち明けにくければ、心療内科や精神科などで医師やカウンセラーに相談することもできます。

運動や瞑想など自分がリラックスできることをする

軽い有酸素運動(ウォーキング、ストレッチ、ヨガなど)や瞑想、深呼吸など、自分の心が落ち着ける時間を意識的に取り入れるのも効果的です。

この他にも、入浴、音楽鑑賞、アロマテラピー、趣味や好きなことなど、自分がリラックスできることを行い、心の緊張を和らげましょう。

仕事中に涙が止まらなくなってしまったときの対処法

職場で涙が出そうになったり、止まらなくなったりすると、焦りや不安の気持ちが強くなってしまいますよね。

そんなときは、以下のような対策を試してみてください。

  • ひとまずトイレや休憩室などに移動して気持ちを落ち着ける
  • 深呼吸、冷たい水を飲む、冷たい水で顔を洗うなどでクールダウンする
  • 可能なら、一旦休憩をとる

信頼できる同僚や上司がいれば、体調がよくないことを伝えてみるのも一つの方法です。具体的な病名や診断名は、言いたくなければ伏せて伝えてもいいでしょう。

企業によっては産業医や相談窓口など、相談できる体制が整っているところもあります。

休職、短時間勤務、在宅勤務など、利用できそうな会社の制度がないかも合わせて確認してみましょう。

心療内科・精神科を受診して診断書をもらうのも選択肢

仕事に行くのが難しい場合は、心療内科・精神科を受診して診断書を発行してもらうことを検討してみましょう。

診断書を提出することで、業務負担の軽減・時短勤務・休職など会社の制度を利用する根拠になります。

また、診断書があれば傷病手当金や社会復帰支援サービスなど、公的制度が利用できます。

涙が止まらない・わけもなく涙が出るなど精神的な症状は軽視されがちですが、診断書という根拠があれば、会社に配慮を求めやすくなるでしょう。

涙が止まらないときの受診の目安

以下のような状況が続くときは、早めに専門機関を受診しましょう。

  • 涙が止まらない状態が続く
  • 仕事や家事など日常生活に支障が出ている
  • 他の症状が併発している(抑うつ・不安・不眠・食欲不振・倦怠感など)
  • セルフケアを続けても改善しない
  • 症状による苦痛が大きい

この他にも、気になる症状があれば我慢や遠慮せず、一度相談してみることが大切です。

涙が止まらない、頻繁に泣いてしまうなど不安定な精神状態のときに受診すべき科としては、心療内科・精神科が適しています。

適応障害で涙が止まらないときの治療法

心療内科や精神科では、以下のような方法で適応障害の治療を行います。

  • 休養・環境調整
  • 心理療法
  • 薬物療法
  • TMS治療

「休養・環境調整」をメインに、認知行動療法や問題解決療法といった「精神療法」を行うこともあります。

不眠や不安、抑うつが見られる場合は薬物療法を行うこともありますが、基本的に適応障害は薬なしで治療可能です。

この他、自由診療になりますが薬を使わずに脳の神経活動を整える「TMS治療」といった方法もあります。

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適応障害や涙が止まらないことに関するよくある質問

ここでは、適応障害や涙が止まらないことに関するよくある質問を紹介します。

Q:夜になると涙が止まらないときの対策は?

適応障害では、緊張の緩み、疲れ、ストレス、翌日への不安などから「寝る前に涙が出る」「夜になると涙が止まらない」などの症状が見られることがあります。

就寝前のスマホやパソコンによる刺激を控える、呼吸法や瞑想を取り入れる、温かい飲み物を飲む、寝る前にストレスをノートに書き出すなど、自分がリラックスできる対策を取り入れましょう。

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Q:適応障害になりやすい人はいる?

責任感が強く完璧主義、感受性が高く物事を深く考えがち、他人を優先しすぎる、ストレスの多い環境にいるなどの特徴が見られる人は、適応障害になりやすい傾向があるとされています。

ただし、あくまで傾向であり、当てはまるからといって必ず適応障害になるわけではありません。

また反対に、これに当てはまらない場合でも、適応障害になる可能性があります。

適応障害になりやすい人の特徴│性格や環境、顔つきなどを解説!予防法&治療法も

Q:適応障害かどうかセルフチェック・自己診断はできる?

適応障害で見られる症状を確認することで、簡単なセルフチェック・自己診断が可能です。

ただし、セルフチェックはあくまで参考程度であり、適応障害なのか他の病気なのか知るためには、医師による診断が必要です。自己判断のみで放置せず、早めに心療内科・精神科を受診しましょう。

適応障害のセルフチェックリストは、以下で紹介しています。

【適応障害】の自己診断チェックリスト

「涙が止まらない」は心のSOS、早めに専門家に相談しよう

ストレスが溜まったとき、つらいとき、悲しいときなどに一時的に涙が出るのは、誰しも経験することです。

しかし、「涙が止まらない」「わけもなく泣いてしまう」など、つらい症状が続く場合は、適応障害やうつ病、不安障害といった病気が原因になっている可能性も考えられます。

適応障害は放置すれば悪化し、他の病気を併発するケースも少なくありません。「自分は大丈夫」「まだ我慢できる」と軽視せず、早めに一度専門家に相談してみましょう。

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