発達性協調運動障害(DCD)とは?

発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder:DCD)は、身体のさまざまな動きを協調させることが難しく、運動技能の習得や実行に支障が生じる神経発達症の一つです。
「協調運動」とは、複数の筋肉や身体の部位を適切なタイミングと力加減で動かし、一つの動作を完成させることを指します。
例えば、ボールをキャッチするときには、目でボールの位置や動きを捉え、身体の姿勢を調整しながら、適切なタイミングで両手を動かす必要があります。
発達性協調運動症では、このような動作の習得や実行が難しくなることがあります。
具体的には、以下のような特徴がみられます。
- ボールを投げたり、受け取ったりすることが苦手
- 走る、跳ぶ、バランスを取るといった動作がぎこちない
- はさみや箸などの道具をうまく使えない
- 文字を書く速度が遅く、疲れやすい
- 靴ひもを結ぶ、ボタンを留めるなどの動作に時間がかかる
- 新しい運動を覚えるまでに時間がかかる
ただし、運動が苦手、あるいは手先が不器用というだけで、発達性協調運動症と診断されるわけではありません。
診断では、運動技能の困難さに加え、日常生活への影響、発達の経過、ほかの疾患による説明が可能かどうかなどを総合的に評価します。
発達性協調運動症は発達障害の一つ
発達性協調運動症は、DSM-5-TRにおいて神経発達症群に分類されています。
ADHDやASDなどと同様に、発達の早い段階から特徴が現れることが基本です。
一方、発達性協調運動症では、特に身体の動きを調整する能力や運動技能の習得に困難がみられる点が特徴です。
知的能力が正常範囲であっても発症することがあり、学習内容を理解できていても、文字を書くことや実技を伴う活動に苦労する場合があります。
発達性協調運動症はどのくらいの割合でみられる?
発達性協調運動症は、決して珍しい状態ではありません。
DSM-5では、5〜11歳の子どもの有病率は約5〜6%とされています。
参考:DSM-5「発達性協調運動症」の有病率に関する記載(75ページ)
ただし、有病率は研究対象の年齢や評価方法、診断基準によって異なります。
また、発達性協調運動症は運動の苦手さとして見過ごされることもあり、本人の努力不足や練習不足と誤解される場合があります。
発達性協調運動障害の主な症状・特徴

発達性協調運動症の症状は、大きく分けると、身体全体を使う運動と手先を使う細かな運動の困難さとして現れます。
ただし、苦手な動作の種類や程度には個人差があります。
全身を使う運動が苦手
全身を使う運動は、粗大運動と呼ばれます。
発達性協調運動症では、走る、跳ぶ、バランスを取るといった粗大運動に困難がみられることがあります。
例えば、次のような特徴があります。
- 走るときの手足の動きがぎこちない
- 片足立ちや平均台など、バランスを取る動作が苦手
- 縄跳びや自転車の練習に時間がかかる
- ボールを投げる方向や力加減を調整しにくい
- 体育の授業で周囲の子どもについていけない
こうした困難さがあると、運動を伴う遊びやスポーツへの参加を避けるようになる場合があります。
手先が不器用で細かい作業が苦手
指先や手を使った細かな運動は、微細運動と呼ばれます。
発達性協調運動症では、微細運動にも困難が生じることがあります。
例えば、箸を使う、ボタンを留める、はさみで紙を切るといった動作です。
特に学校生活では、文字を書くことが負担になる場合があります。
文字の形や大きさが不揃いになるだけでなく、書く速度が遅い、筆圧を調整しにくい、長時間書くと疲れやすいといった特徴がみられることもあります。
ただし、書字の困難さには限局性学習症や視覚・注意の問題など、ほかの要因が関係している場合もあります。
複数の動作を組み合わせることが苦手
発達性協調運動症では、一つひとつの動作ができても、複数の動作を組み合わせると難しくなる場合があります。
例えば、ダンスでは音楽に合わせて手足を動かし、姿勢や動作の順番を調整する必要があります。
また、球技ではボールの動きを予測しながら、自分の身体を適切な位置へ移動させなければなりません。
このような複雑な運動では、動作を覚えるまでに時間がかかったり、繰り返し練習しても安定して実行できなかったりすることがあります。
発達性協調運動障害の子どもの特徴

発達性協調運動症は、発達段階によって困りごとの現れ方が異なります。
幼児期(3〜6歳)
幼児期には、着替えや食事、遊びなどの場面で不器用さが目立つことがあります。
例えば、以下のような特徴です。
- ボタンを留めるのに時間がかかる
- 箸やスプーンを使うことが苦手
- 三輪車や遊具を使う動作がぎこちない
- 積み木やお絵描きなど、手先を使う遊びが苦手
- 同年代の子どもに比べて転びやすい
ただし、幼児期は運動発達の個人差が大きく、年齢や発達段階を考慮した慎重な評価が必要です。
小学生
小学校に入学すると、体育や書字などの活動が増えるため、運動の困難さが明確になる場合があります。
例えば、縄跳びや跳び箱、球技などが苦手で、繰り返し練習しても上達しにくいことがあります。
また、板書に時間がかかり、授業についていくことが難しくなる場合もあります。
運動の苦手さを繰り返し指摘されたり、周囲の子どもと比較されたりすることで、自信を失うこともあります。
そのため、運動技能だけでなく、学校生活への適応や心理的な負担にも配慮することが重要です。
中学生・高校生
思春期になると、運動技能そのものの困難さに加え、周囲との違いを意識することで心理的な負担が強くなる場合があります。
例えば、体育の授業や部活動への参加を避けたり、人前で身体を動かすことに強い不安を感じたりすることがあります。
また、実験器具の操作や調理実習など、細かな動作を必要とする活動に困難がみられる場合もあります。
この時期には、本人の希望を尊重しながら、得意な活動への参加機会を確保することが大切です。
大人の発達性協調運動障害の特徴

発達性協調運動症は、子どもだけの問題ではありません。
成長に伴って運動技能が改善する場合もありますが、成人後も困難さが続く人がいます。
大人では、仕事や家事、日常生活のさまざまな場面で不器用さが現れることがあります。
仕事での困りごと
大人の発達性協調運動症では、手先の細かな操作や複雑な身体動作を必要とする業務に苦労する場合があります。
例えば、次のような場面です。
- 細かな部品や器具を扱う作業
- 手書きの書類を素早く作成する作業
- 複数の道具を使う作業
- 身体の動きを伴う手順を覚える作業
仕事上の得意・不得意には個人差があり、本人の特性に合った業務を選んだり、作業環境を工夫したりすることで、さまざまな職業で能力を発揮することができます。
家事や日常生活での困りごと
日常生活では、料理、掃除、身支度などに時間がかかる場合があります。
例えば、包丁を使うことが苦手だったり、細かな手作業を伴う家事で疲れやすかったりすることがあります。
また、自動車の運転など、複数の動作を同時に調整する活動に難しさを感じる場合もあります。
運転に必要な技能には個人差があるため、実際の運転能力や安全性を個別に評価することが重要です。
大人になってから診断されることはある?
発達性協調運動症は、成人後に初めて診断される場合もあります。
ただし、診断上は発達早期から運動技能の困難さが存在していたことが重要です。
そのため、成人の診断では、現在の困りごとに加えて、幼少期の運動発達や学校生活についても確認します。
一方、成人後に突然不器用になった場合や、運動機能が徐々に悪化している場合には、神経疾患など別の原因を検討する必要があります。
発達性協調運動障害の原因

発達性協調運動症(DCD)の発症には、脳の運動制御に関係する神経発達の特徴や、遺伝的要因、出生前後の発達に関係する要因などが複合的に関与すると考えられています。
私たちが身体を動かすとき、脳は目や筋肉、関節などから得られる情報を処理し、動作を計画して、適切なタイミングや力加減で筋肉を動かしています。
発達性協調運動症では、こうした一連の情報処理や運動の調整に特徴があり、運動技能の習得や実行に時間がかかると考えられています。
ただし、発症に関係する神経機能や生物学的な仕組みには個人差があり、現在も研究が進められています。
脳の運動制御に関係する機能
発達性協調運動症では、運動計画、感覚運動統合、予測的な運動制御、運動学習などに関係する神経機能が注目されています。
これらは、身体を滑らかに動かし、新しい運動を習得するために重要な働きです。
例えば、ボールをキャッチするときには、目でボールの動きを捉え、到達する位置やタイミングを予測しながら、腕や手を動かします。
このような動作には、複数の神経機能が協調して働く必要があります。
発達性協調運動症では、以下のような機能の特徴が運動の不器用さに関係している可能性が指摘されています。
- 運動計画: 目的とする動作に合わせて、身体をどのような順番で動かすかを組み立てる機能
- 感覚運動統合: 視覚や筋肉・関節からの感覚情報を利用し、身体の動きを調整する機能
- 予測的な運動制御: 身体や周囲の物体がどのように動くかを予測し、動作を調整する機能
- 運動学習: 練習や経験を通じて、新しい動作を習得し、正確さや滑らかさを高める機能
脳画像研究では、小脳、基底核、頭頂葉、運動関連領域などの働きや、これらを結ぶ神経ネットワークとの関連が検討されています。
特に小脳は、運動のタイミングや誤差の修正、運動学習に関係する重要な領域です。
ただし、これらの研究結果は集団間の傾向を示したものであり、個人の診断には、運動技能の評価や発達歴、日常生活への影響などを総合的に確認することが重要です。
遺伝的要因
発達性協調運動症には、遺伝的要因が関与している可能性があります。
家族研究や双生児研究では、運動協調能力の個人差に遺伝的な影響が認められており、発達性協調運動症の背景にも遺伝的な素因が関係すると考えられています。
また、発達性協調運動症は、ADHDやASDなどの神経発達症を併存することがあり、これらの状態に共通する遺伝的・神経発達的要因についても研究が進められています。
一方で、発達性協調運動症の発症を決定する特定の遺伝子は確立されておらず、複数の遺伝的要因と発達環境などが関係する可能性があります。
そのため、家族に運動が苦手な人がいる場合でも、子どもが必ず発達性協調運動症になるわけではありません。
早産・低出生体重などの周産期要因
発達性協調運動症に関連する要因として、早産や低出生体重など、出生前後の発達に関係する要因も研究されています。
特に、在胎32週未満の早産児や出生体重1,500g未満の極低出生体重児では、正期産児と比較して、運動協調の困難さや発達性協調運動症が認められる割合が高いことが報告されています。
胎児期から乳児期にかけては、運動制御に関係する神経回路が発達する重要な時期です。
早産や低出生体重などに伴う神経発達上の影響が、その後の運動技能の発達に関係する可能性が考えられています。
ただし、早産や低出生体重は発達性協調運動症のリスクに関連する要因であり、これらの出生歴がある子どもすべてに運動協調の困難さが生じるわけではありません。
発達性協調運動症は、脳の発達や運動制御に関係するさまざまな要因を背景として生じる神経発達症です。
本人の努力や練習量だけで説明できるものではなく、運動の特性を理解したうえで、適切な練習方法や生活環境を整えることが大切です。
発達性協調運動障害と単なる運動音痴の違い

発達性協調運動症(DCD)と一般的にいう「運動音痴」は、どちらも身体を動かすことが苦手という共通点があります。
ただし、発達性協調運動症では、年齢や運動経験から期待される水準と比べて運動技能の習得や実行が著しく難しく、日常生活や学校生活、仕事などに支障が生じていることが特徴です。
例えば、球技が苦手でも、着替えや食事、文字を書くことなどに問題がなく、日常生活に支障がなければ、運動が苦手というだけで発達性協調運動症と判断されることはありません。
一方で、ボールを受け取ることが苦手なだけでなく、箸を使う、ボタンを留める、文字を書くといった日常的な動作にも困難があり、学校生活などに影響している場合には、発達性協調運動症の可能性を考えます。
両者を区別する際には、次のような点が重要です。
比較項目 | 一般的な運動の苦手さ | 発達性協調運動症 |
運動技能 | 特定の運動が苦手な場合がある | 年齢などから期待される水準より著しく低い |
日常生活への影響 | 大きな支障がない場合が多い | 身支度、書字、学校生活などに支障が生じる |
運動の習得 | 練習によって上達する場合がある | 習得に時間がかかり、適切な支援が必要な場合がある |
診断 | 医学的な診断名ではない | DSM-5-TRに診断基準が定められている |
なお、運動技能には個人差があり、発達性協調運動症の症状の現れ方も人によって異なります。
そのため、運動が苦手かどうかだけでなく、幼少期からの発達経過や日常生活への影響を総合的に評価することが大切です。
発達性協調運動障害の診断基準と検査

発達性協調運動症の診断では、運動技能の困難さだけでなく、日常生活への影響や発達歴などを確認します。
DSM-5-TRに基づく診断基準
DSM-5-TRでは、発達性協調運動症の診断に際して、主に次の4つの基準を評価します。
A:運動技能の習得や実行に著しい困難がある
年齢や運動技能を学ぶ機会を考慮しても、期待される水準より運動技能が低い状態です。動作が不器用、遅い、不正確といった特徴がみられます。
B:運動技能の困難さによって日常生活などに支障がある
身支度、学校生活、仕事、余暇活動などに持続的な影響が生じています。
C:症状が発達早期から存在する
幼少期から運動技能の困難さがみられることが必要です。
D:ほかの原因では十分に説明できない
知的発達症や視覚の障害だけでは説明できず、脳性麻痺、筋ジストロフィー、変性疾患など、運動に影響する神経疾患によるものではないことを確認します。
これらの基準を総合的に評価して診断します。
診断に用いられる検査
発達性協調運動症の評価では、医師による診察に加え、必要に応じて運動技能の標準化検査や質問紙などを用います。
代表的な評価方法には、Movement Assessment Battery for Children-2(MABC-2)やDevelopmental Coordination Disorder Questionnaire(DCDQ)などがあります。
MABC-2は、手先の操作、ボールを扱う技能、バランスなどを評価する検査です。
DCDQは、保護者が子どもの日常的な運動技能について回答する質問紙です。
実際の診断については、これらの質問紙の結果だけではなく、問診内容、診察室での様子なども含め、総合的に判断されます。
発達性協調運動障害のチェックリスト

以下は、発達性協調運動症でみられることのある特徴を整理したチェックリストです。
正式な診断尺度ではなく、該当する項目の数だけで発達性協調運動症を判断することはできません。
- 同年代の人と比べて、運動の習得に時間がかかる
- ボールを投げる、受け取る動作が苦手
- 縄跳びや自転車などの練習に時間がかかる
- 箸やはさみなどの道具を使うことが苦手
- ボタンを留めたり、靴ひもを結んだりするのが難しい
- 文字を書くのに時間がかかり、疲れやすい
- 複数の動作を組み合わせることが苦手
- 運動や手先の作業で日常生活に支障がある
- 子どもの頃から不器用さが続いている
- 運動の苦手さによって学校や仕事で困っている
複数の項目が当てはまり、生活上の困難が続いている場合には、専門家への相談を検討しましょう。
なお、該当項目が少なくても、特定の運動技能に強い困難がある場合には評価が必要になることがあります。
発達性協調運動障害は治る?治療法とトレーニング
発達性協調運動症は、成長によってすべての症状が必ず消失するとは限りません。
一方で、適切な支援や練習によって、運動技能や日常生活での活動能力の改善が期待できます。
治療では、苦手な動作を無理に繰り返させるのではなく、本人が生活の中で必要としている技能を身につけることが重要です。
作業療法・理学療法
発達性協調運動症では、作業療法士や理学療法士などが、本人の困りごとに応じた支援を行うことがあります。
例えば、作業療法では、箸の使用、着替え、書字など、日常生活に必要な動作を練習します。
理学療法では、バランスや姿勢の調整、全身を使った運動技能などに取り組む場合があります。
支援内容は本人の目標や困難さに応じて調整されます。
具体的な動作を練習するトレーニング
発達性協調運動症に対しては、実際に困っている動作を目標にした課題指向型の介入が推奨されています。
例えば、自転車に乗ることが目標であれば、必要な動作を段階的に分けて練習します。
また、文字を書くことが難しい場合には、筆記具の工夫や書字練習を組み合わせることがあります。
2019年に発表された国際的な臨床実践推奨では、課題指向型トレーニングやNeuromotor Task Training(NTT)、CO-OPなど、実際の活動や参加を重視した介入が推奨されています。
2026年に公表された米国理学療法士協会の診療ガイドラインでも、子どもの運動技能や活動・参加の改善に向けた評価と介入について、エビデンスに基づく推奨が更新されています。
薬物療法
発達性協調運動症(DCD)の治療では、運動技能の習得を支援するトレーニングや、生活環境の調整が中心となります。
現在、発達性協調運動症そのものに対して有効性が確立された薬物療法はなく、主に併存する疾患の症状に応じて薬が使用されます。
例えば、注意欠如多動症(ADHD)を併存している場合には、注意力や衝動性の改善を目的として、ADHD治療薬が検討されることがあります。
薬物療法と運動技能への支援を組み合わせることで、それぞれの症状や日常生活での困りごとに対応することが大切です。
家庭や学校でできる支援方法
発達性協調運動症のある子どもへの支援では、苦手な動作を練習することと同時に、困りごとを減らす環境調整が重要です。
動作を細かい手順に分ける
複雑な動作を一度に覚えることが難しい場合には、手順を分けて練習します。
例えば、靴ひもを結ぶ動作であれば、ひもを交差させる、輪を作る、輪を通すといった手順に分けます。
それぞれの動作を確認しながら練習することで、習得しやすくなる場合があります。
道具や環境を工夫する
運動技能の困難さがある場合には、使いやすい道具を取り入れることも有効です。
例えば、書字が大きな負担になっている場合には、タブレット端末やパソコンの利用、板書量の調整などを検討できます。
また、着替えが難しい場合には、扱いやすい衣服や靴を選ぶ方法もあります。
こうした工夫は、本人の能力を否定するものではなく、生活上の困難を軽減するための合理的な支援です。
成功体験を積み重ねる
発達性協調運動症のある子どもは、周囲と比較されることで、運動への苦手意識や自信の低下を経験する場合があります。
そのため、結果だけでなく、以前よりできるようになったことや、本人が取り組んだ過程を評価することが重要です。
また、苦手な運動を無理に続けさせるのではなく、本人が楽しめる活動を選び、身体を動かす機会を確保することも大切です。
習い事を始めてみる
発達性協調運動症のある子どもにとって、習い事は身体を動かす楽しさを知り、新しい運動技能を身につける機会になります。
例えば、水泳や体操、ダンスなどは、全身を使った運動やバランス感覚、身体の動きを調整する経験につながります。
また、ピアノなどの楽器演奏では、指先の細かな動きや両手の協調が求められます。本人の得意・不得意に合わせて、練習方法や難易度を調整することが大切です。
習い事を選ぶ際には、本人の興味や運動技能の特徴に合わせて、楽しみながら継続できる活動を選びましょう。
発達性協調運動障害は何科を受診する?
子どもの運動の不器用さが気になる場合には、小児科、児童精神科などが主な相談先になります。
発達性協調運動症の診断では、運動機能の評価に加え、必要に応じて神経疾患、ADHDやASDの有無などを評価していきます。
成人の場合も、幼少期からの運動技能の困難さが続いている場合には、発達障害の診療に対応する医療機関(精神科・心療内科)へ相談しましょう。
ただし、運動の不器用さが突然現れた場合や、筋力低下、しびれ、歩行障害などを伴う場合には、神経内科等で別の評価が必要です。
まとめ
発達性協調運動症(DCD)は、身体の動きを適切に調整することが難しく、運動技能の習得や実行に困難が生じる神経発達症です。
子どもでは、体育や書字、着替えなどの場面で困難が現れやすく、大人になってからも仕事や日常生活で不器用さが続く場合があります。
一方で、運動が苦手というだけで発達性協調運動症と診断されるわけではなく、発達歴や生活への影響、ほかの疾患の可能性を含めた総合的な評価が必要です。
発達性協調運動症への支援では、苦手な動作を無理に克服させるのではなく、本人の特性に合わせた練習や環境調整によって、日常生活の困難を減らすことが重要です。
運動の不器用さによって学校生活や仕事、日常生活に支障が生じている場合には、専門の医療機関などへの相談を検討しましょう。