投稿日 2026年10月27日
「夜になると目がさえて眠れない」「十分な睡眠時間を取れば元気なのに、学校や仕事に合わせて朝起きられない」。
こうした状態が長期間続く場合、単なる夜更かしではなく、概日リズム睡眠・覚醒障害が関係している可能性があります。
概日リズム睡眠障害は、体内時計と社会生活で求められる睡眠時間帯が合わなくなることで、睡眠や日中の活動に支障が生じる病気です。
本記事では、代表的な種類、症状、原因、診断、治療、発達障害との関係について解説します。
投稿日 2026年10月27日

「夜になると目がさえて眠れない」「十分な睡眠時間を取れば元気なのに、学校や仕事に合わせて朝起きられない」。
こうした状態が長期間続く場合、単なる夜更かしではなく、概日リズム睡眠・覚醒障害が関係している可能性があります。
概日リズム睡眠障害は、体内時計と社会生活で求められる睡眠時間帯が合わなくなることで、睡眠や日中の活動に支障が生じる病気です。
本記事では、代表的な種類、症状、原因、診断、治療、発達障害との関係について解説します。

概日リズムとは、睡眠・覚醒、体温、ホルモン分泌などにみられる約24時間周期の生体リズムです。
脳の視交叉上核を中心とする体内時計は、主に光などの情報によって地球の24時間周期に同調しています。
概日リズム睡眠・覚醒障害では、このリズムが望ましい睡眠時間帯からずれたり、不規則になったりします。
その結果、眠りたい時刻に眠れず、起きたい時刻に起きられないなどの問題が生じます。
単に夜型であるだけでは診断はつかず、持続的な睡眠・覚醒の問題と生活上の支障を総合的に評価していきます。

概日リズム睡眠障害(概日リズム睡眠・覚醒障害)には、睡眠時間帯が遅くなるタイプや早くなるタイプ、睡眠と覚醒のリズムが不規則になるタイプなど、いくつかの種類があります。
病型によって睡眠リズムのずれ方や日常生活への影響、適切な治療方法が異なるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。
睡眠・覚醒相後退障害は、眠くなる時刻と自然に目が覚める時刻が、一般的な生活時間帯よりも大幅に遅くなる病型です。
例えば、午前3〜5時ごろにならないと眠れず、昼近くまで起きられないといった状態がみられます。
一方で、本人の自然な睡眠時間帯に合わせて生活できる場合には、十分な睡眠時間を確保でき、睡眠の質も比較的保たれることがあります。
しかし、学校や仕事に合わせて朝早く起きようとすると、睡眠不足による強い眠気や集中力の低下が生じ、遅刻や欠席につながる場合があります。
この病型は、思春期から若年成人に比較的多くみられます。
単なる夜更かしとは異なり、早く眠ろうとしても寝つけず、睡眠時間帯を前倒しすることが難しい状態が持続する点が特徴です。
睡眠・覚醒相前進障害は、眠くなる時刻と目が覚める時刻が、一般的な生活時間帯よりも大幅に早くなる病型です。
例えば、夕方18〜20時ごろには強い眠気を感じ、深夜1〜3時ごろに自然に目が覚めるといった睡眠パターンがみられます。
本人の睡眠リズムに合わせて生活できれば、十分な睡眠時間を確保できる場合があります。
しかし、夜間の仕事や家族との団らんなどに参加することが難しくなり、生活上の支障が生じることがあります。
中高年以降にみられることが多い病型ですが、加齢に伴う自然な早寝早起きや、うつ病などによる早朝覚醒とは区別する必要があります。
非24時間睡眠・覚醒リズム障害は、体内時計が地球の24時間周期にうまく同調できず、睡眠と覚醒の時刻が日ごとに少しずつずれていく病型です。
例えば、ある日は午前0時に眠れていても、数日後には午前2時、さらに時間が経つと午前4時というように、睡眠時間帯が徐々に遅くなっていくことがあります。
そのため、学校や仕事の時間帯に合わせて生活できる時期と、昼夜が逆転して日中に活動することが難しくなる時期が繰り返される場合があります。
この病型は、光による体内時計の調整が難しい全盲の方に比較的多くみられますが、視覚に問題のない方にも生じることがあります。
睡眠時間帯が一定して遅い睡眠・覚醒相後退障害とは異なり、睡眠時刻が長期間にわたって連続的に移動していくことが特徴です。
不規則睡眠・覚醒リズム障害は、睡眠と覚醒のリズムが不規則になり、昼夜を通じて睡眠が複数回に分かれる病型です。
例えば、夜間にまとまって眠ることができず、数時間ごとに眠ったり起きたりする状態が繰り返されます。
24時間全体では一定の睡眠時間を確保できていても、夜間の不眠や日中の眠気によって生活に支障が生じることがあります。
アルツハイマー型認知症などの神経変性疾患がある方や、一部の神経発達症の方などでみられることがあります。
また、日中の活動量や光を浴びる機会が少ない生活環境も、睡眠リズムの不規則さに関係する場合があります。
ただし、睡眠が細切れになる原因はほかにも多くあるため、睡眠時無呼吸症候群や身体疾患、薬剤の影響などとの区別が重要です。
夜勤や交代勤務、海外渡航などによって、体内時計と実際に睡眠を取る必要がある時間帯が一致しなくなることもあります。
交代勤務による睡眠障害では、夜勤中の強い眠気や、日中に眠ろうとしても十分に眠れないといった症状がみられます。
睡眠不足や集中力の低下が続くと、仕事中のミスや事故の危険性が高まる場合があります。
時差障害(時差ぼけ)は、複数の時間帯をまたぐ海外渡航などによって、体内時計が現地の時刻にすぐには適応できないことで生じます。
夜間の不眠や日中の眠気、疲労感などが現れますが、多くの場合は現地の生活時間帯に徐々に適応していきます。
これらは、体内時計そのものの周期や位相に問題がある病型とは異なり、勤務時間や移動によって生じる体内時計と生活時間帯の不一致が主な原因です。

次の状態が繰り返される場合は、睡眠リズムの問題を疑う手がかりになります。
・夜遅くまで眠気が来ず、予定した時刻に寝つけない
・朝の目覚ましで起きられず、遅刻や欠席が続く
・休日には遅い時間に眠り、十分に寝ると比較的元気になる
・就寝・起床時刻が毎日ずれていく
・睡眠時間が細切れになり、昼夜の区別がつきにくい
・眠気、集中力低下、疲労感が学業や仕事に影響している
これらは診断基準そのものではありません。
睡眠不足、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、薬剤の影響などでも似た症状が起こります。

概日リズム睡眠障害は、体内時計の働きや光を浴びる時間帯、生活習慣など、複数の要因が関係して生じます。
私たちの体には、睡眠や覚醒、体温、ホルモン分泌などのリズムを調整する「体内時計」が備わっています。
体内時計の周期には個人差があり、必ずしも正確に24時間ではありません。
そのため、毎日の光などの刺激によって、体内時計を地球の24時間周期に合わせる必要があります。
この調整がうまくいかない場合や、体内時計と学校・仕事などの生活時間帯が大きくずれた場合に、睡眠や日中の活動に支障が生じることがあります。
体内時計の周期や、眠くなる時間帯には個人差があります。
朝早くから活動しやすい「朝型」の人もいれば、夜遅くに活動しやすい「夜型」の人もいます。
こうした傾向には遺伝的な要因も関係しており、時計遺伝子と呼ばれる遺伝子群の働きが、体内時計の周期や睡眠時間帯に影響することが知られています。
特に睡眠・覚醒相後退障害では、体内時計の特性や光に対する反応の違いなどが、睡眠時間帯の遅れに関係していると考えられています。
ただし、夜型の体質であること自体は病気ではありません。
睡眠時間帯を調整することが難しく、学校や仕事などの日常生活に継続的な支障が生じているかどうかが重要です。
光は、体内時計を調整する重要な刺激の一つです。
一般的に、体内時計の適切な時間帯に朝の光を浴びると、睡眠と覚醒のリズムが早まる方向に働きます。
一方、夜間の光は、浴びる時間帯によって睡眠リズムを遅らせる方向に作用することがあります。
例えば、朝遅くまで寝ていて日光を浴びる機会が少なく、夜遅くまで明るい室内で過ごす生活が続くと、睡眠時間帯がさらに遅くなる場合があります。
また、スマートフォンやパソコンの画面から出る光も、夜間の体内時計に影響する可能性があります。
特に短波長の青色光は、メラトニンの分泌を抑制し、眠気が生じる時刻に影響することがあります。
ただし、スマートフォンの影響は光だけではありません。
動画やゲーム、SNSなどによって覚醒状態が続いたり、就寝時刻が遅くなったりすることも睡眠リズムに関係します。
思春期には、生理的な変化によって睡眠時間帯が遅くなりやすいことが知られています。
例えば、小学生のころは午後10時ごろに眠れていた子どもが、中学生や高校生になると、夜遅くまで眠気を感じにくくなる場合があります。
これは単なる生活習慣の問題だけではなく、思春期に伴う体内時計や睡眠調節機構の変化も関係しています。
さらに、夜間のスマートフォン使用や勉強、部活動などによって就寝時刻が遅くなる一方、学校の始業時刻は変わらないため、慢性的な睡眠不足が生じやすくなります。
睡眠・覚醒相後退障害は思春期から若年成人に比較的多くみられますが、思春期の夜型傾向がすべて病気に当たるわけではありません。
就寝時刻や起床時刻が日によって大きく異なる生活も、睡眠リズムの乱れに関係します。
例えば、平日は朝早く起きる一方、休日には昼過ぎまで眠る生活を繰り返すと、睡眠時間帯が遅い方向にずれたり、週明けに起きることが難しくなったりする場合があります。
また、夜勤や交代勤務では、本来眠気が生じやすい時間帯に働き、覚醒しやすい時間帯に睡眠を取る必要があります。
そのため、体内時計と実際の生活時間帯が一致せず、不眠や日中の強い眠気が生じることがあります。
ただし、生活リズムが不規則だからといって、必ず概日リズム睡眠障害になるわけではありません。
体内時計の特性や生活環境などが複合的に関係しています。
体内時計の働きは、年齢や健康状態によっても変化します。
加齢に伴って睡眠時間帯が早くなる傾向がみられるほか、認知症などの神経変性疾患では、睡眠と覚醒のリズムが不規則になる場合があります。
また、光による体内時計の調整が難しい全盲の方では、睡眠時間帯が日ごとにずれていく非24時間睡眠・覚醒リズム障害が生じることがあります。
このように、概日リズム睡眠障害の原因や背景は病型によって異なるため、睡眠時間帯のずれ方や生活環境、ほかの疾患の有無などを総合的に評価することが重要です。

概日リズム睡眠障害は、ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの神経発達症、うつ病などの精神疾患と併存することがあります。
ただし、これらの疾患がある方に睡眠の問題がみられても、必ずしも概日リズム睡眠障害とは限りません。
睡眠リズムのずれが生じている原因や、ほかの睡眠障害が関係していないかを確認することが重要です。
ADHDのある方では、入眠困難や夜型傾向、睡眠時間帯の遅れなどがみられることがあります。
特に、睡眠・覚醒相後退障害との関連が報告されています。
背景には、体内時計やメラトニン分泌のタイミングの違いに加え、ADHDの特性や生活習慣など、複数の要因が関係すると考えられています。
例えば、夜間に興味のある活動へ集中して就寝時刻が遅くなったり、時間管理の難しさから生活リズムが不規則になったりする場合があります。
また、併存する不安症状や、ADHD治療薬の種類・服用時刻などが睡眠に影響することもあります。
一方で、ADHDによる夜更かしや入眠困難と、体内時計そのものの位相が遅れている睡眠・覚醒相後退障害は、必ずしも同じ状態ではありません。
そのため、睡眠時間帯が遅くなる原因を確認し、ADHDの症状や服薬状況、睡眠習慣などを総合的に評価する必要があります。
ASDのある方でも、寝つきの悪さ、夜間の覚醒、不規則な睡眠リズムなど、さまざまな睡眠の問題がみられます。
その背景には、感覚過敏による寝室環境への適応の難しさ、不安、生活習慣の変化への対応の難しさなどが関係する場合があります。
また、一部ではメラトニン分泌や概日リズムの調整に関する違いも報告されています。
例えば、寝室のわずかな音や光が気になって眠れなかったり、予定の変更によって普段の就寝習慣が崩れたりすることがあります。
ただし、ASDに伴う睡眠の問題がすべて概日リズム睡眠障害によるものとは限りません。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など、ほかの睡眠障害が関係している場合もあります。
そのため、睡眠時間帯のずれだけでなく、感覚特性や生活環境、併存する疾患なども含めて評価することが大切です。
うつ病では、寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めるといった不眠症状がみられます。
一方で、睡眠時間が長くなる過眠が生じる場合もあります。
また、気分や意欲が一日の中で変化する日内変動がみられることもあり、睡眠と覚醒のリズムに影響する場合があります。
例えば、うつ病によって朝起きられなくなった場合と、睡眠・覚醒相後退障害によって朝起きられない場合では、その背景が異なることがあります。
睡眠・覚醒相後退障害では、本人の自然な睡眠時間帯に合わせれば、比較的良好な睡眠が取れる場合があります。
一方、うつ病では、十分な睡眠時間を確保しても気分の落ち込みや意欲の低下、疲労感などが続くことがあります。
ただし、両者は併存することもあるため、睡眠の状態だけで判断することはできません。
朝起きられない、昼夜逆転しているといった症状がある場合には、睡眠リズムだけでなく、気分や意欲の変化、症状が始まった時期なども確認することが重要です。
関連記事:睡眠障害と発達障害の関係|ADHD・ASDで眠れない原因とは

概日リズム睡眠障害の診断では、睡眠と覚醒の時間帯がどのようにずれているか、その状態がどの程度続いているか、日常生活にどのような支障が生じているかを確認することが重要です。
診察では、普段の就寝・起床時刻だけでなく、平日と休日の睡眠時間の違い、日中の眠気、学校や仕事への影響、服薬状況、勤務形態などを詳しく確認します。
また、睡眠不足や不眠症、うつ病、睡眠時無呼吸症候群などでも似た症状がみられるため、ほかの疾患が関係していないかを評価します。
概日リズム睡眠障害の診断では、睡眠日誌が重要な役割を果たします。
睡眠日誌とは、毎日の就寝時刻、実際に眠りについた時刻、起床時刻、昼寝の有無などを記録するものです。
一般的には、少なくとも7〜14日程度、可能であれば平日と休日の両方を含めて記録します。
必要な記録期間は病型によって異なり、非24時間睡眠・覚醒リズム障害などでは、さらに長期間の記録が必要になる場合があります。
例えば、毎日午前3〜4時ごろに眠り、昼近くに起きる状態が続いていれば、睡眠・覚醒相後退障害を疑う手がかりになります。
一方、就寝・起床時刻が日ごとに少しずつ遅くなっている場合には、非24時間睡眠・覚醒リズム障害の可能性を考えます。
このように、一晩の睡眠状態だけでなく、複数の日にわたる睡眠パターンを確認することが、病型の判断に役立ちます。
必要に応じて、腕時計型の活動量計を使用して睡眠と覚醒のリズムを調べることがあります。
アクチグラフィは、身体の動きを連続的に記録し、睡眠と覚醒の時間帯を推定する検査です。
日常生活を送りながら数日から数週間にわたって記録できるため、睡眠日誌と組み合わせることで、睡眠リズムをより客観的に評価できます。
ただし、活動量計は身体の動きから睡眠を推定するものであり、脳波を測定して睡眠状態を直接判定する検査ではありません。
そのため、活動量計の結果だけで診断を確定するのではなく、睡眠日誌や診察で得られた情報と合わせて判断します。
睡眠ポリグラフ検査(PSG)は、睡眠中の脳波や呼吸、心拍、筋肉の動きなどを記録する検査です。
概日リズム睡眠障害の診断に必ず必要な検査ではありませんが、睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害など、ほかの睡眠疾患が疑われる場合に検討されます。
また、専門的な睡眠医療機関では、必要に応じてメラトニン分泌の時刻を調べることがあります。
例えば、薄暗い環境でメラトニンの分泌が始まる時刻(DLMO)を測定すると、体内時計の位相を評価する手がかりになります。
ただし、こうした検査はすべての患者さんに必要なわけではなく、実施できる医療機関も限られています。
概日リズム睡眠障害の診断では、特別な検査を一律に行うのではなく、睡眠記録と診察を基本として、必要な検査を組み合わせることが大切です。

概日リズム睡眠障害の治療では、単に「早寝早起き」を心がけるのではなく、睡眠日誌などで睡眠・覚醒のパターンを確認し、病型に合わせて体内時計と生活時間帯のずれを調整します。
光を浴びる時刻の調整、生活環境の改善、必要に応じた薬物療法を組み合わせます。
治療の目標は、睡眠時間を十分に確保しながら、学校や仕事などの日常生活への支障を減らすことです。
光は体内時計を調整する重要な刺激です。
一般に、体内時計の適切なタイミングで朝の光を浴びると睡眠・覚醒の時刻を早める方向に、夕方から夜の光は遅らせる方向に働きます。
ただし、作用は時計の時刻だけでなく、本人の体内時計の位相によって変わります。
睡眠・覚醒相後退障害では、起床後の適切な時間帯に自然光や専用の高照度光を利用し、睡眠時間帯を前倒しすることがあります。
反対に、睡眠・覚醒相前進障害では夕方の光を利用して睡眠時間帯を遅らせる場合があります。
いずれも病型や生活状況に合わせた計画が必要です。
睡眠・覚醒相後退障害などでは、睡眠日誌をつけながら、起床時刻と光を浴びる時刻をできるだけ安定させます。
夜間は強い照明や明るい画面を避け、食事や運動の時刻も大きく変動しないようにします。
休日だけ大幅に遅く起きる習慣は、睡眠時間帯の遅れを維持する要因になることがあります。
ただし、極端に早い時刻に目覚ましを設定して睡眠時間を削ると、日中の眠気や集中力低下を悪化させることがあります。
睡眠時間帯の調整は段階的に行い、十分な睡眠を確保することが大切です。
夜勤・交代勤務の場合は、勤務予定や安全性を踏まえて光環境と睡眠時間帯を検討します。
体内時計の調整にはメラトニンが関与します。
海外の診療ガイドラインでは、睡眠・覚醒相後退障害の一部の患者さんに対して、適切な時刻にメラトニンを使用する方法が条件付きで推奨されています。
日本で使用される薬剤には、メラトニン製剤のメラトベルや、メラトニン受容体作動薬のロゼレム(ラメルテオン)があります。
両者は作用する仕組みに共通点がありますが、国内で承認されている効能・効果は異なります。
薬剤 | 主な特徴 | 国内承認・注意点 |
メラトベル(メラトニン) | メラトニン受容体を介して睡眠・覚醒の調節に関与 | 小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善。概日リズム睡眠障害全般への承認ではない。 |
ロゼレム(ラメルテオン) | MT1・MT2受容体に作用し、入眠を促す | 不眠症における入眠困難の改善。概日リズム睡眠障害の病名に対しては国内承認適応外。 |
その他の睡眠薬 | 薬剤により覚醒を抑えるなど作用機序が異なる | 不眠症状を軽減する場合があるが、体内時計のずれ自体を修正するとは限らない。 |
認知行動療法は、睡眠に関する生活習慣や考え方、行動を見直すことで、睡眠の問題を改善する治療法です。
特に、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)は、慢性不眠症に有効性が認められている治療法であり、睡眠に対する過度な不安や、眠れない状態を長引かせる行動習慣などに働きかけます。
一方、概日リズム睡眠障害では、体内時計と実際の生活時間帯のずれが問題となるため、光療法や睡眠・覚醒時刻の調整などが治療の中心になります。
概日リズム睡眠障害に不眠症が併存している場合や、眠れないことへの不安が強い場合には、認知行動療法を組み合わせることがあります。
例えば、夜になると「今日も眠れないかもしれない」と不安になり、長時間ベッドの中で眠ろうと努力することで、かえって寝つきが悪くなる場合があります。
このような場合には、睡眠に関する考え方や行動を見直すことが役立つ可能性があります。
概日リズム睡眠障害は、光療法や生活リズムの調整などによって改善する場合があります。
ただし、治療効果には個人差があり、症状が再発したり、長期的な治療が必要になったりすることもあります。
治療を続けても改善しない場合は、光を浴びる時間帯や薬剤の服用時刻が適切か、ほかの睡眠障害やうつ病などが関係していないかを確認します。
また、睡眠時間帯を大きく変えることが難しい場合には、学校や職場と相談して始業時刻を調整するなど、生活環境を工夫することも選択肢になります。
治療の目標は、睡眠リズムを整えるだけでなく、十分な睡眠を確保し、日常生活への支障を減らすことです。
朝起きられない、昼夜逆転が続く、睡眠時刻が日ごとにずれるなどの症状によって、日中に強い眠気が続くなど学校や仕事に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
概日リズム睡眠障害が疑われる場合は、精神科、心療内科、もしくは睡眠外来への相談が適しています。
ADHDやASD、うつ病などの鑑別のためにも、睡眠外来にも対応している精神科、心療内科が良いでしょう。
また、強いいびきや睡眠中の無呼吸がある場合は、呼吸器内科や耳鼻咽喉科などでの検査が必要になることもあります。
受診時には、可能であれば1〜2週間程度の睡眠記録を持参すると、診断に役立ちます。
概日リズム睡眠障害は、体内時計と社会生活の時間帯が合わず、睡眠や日中の生活に支障が生じる病気です。
睡眠相後退、睡眠相前進、非24時間型など複数の病型があり、治療方法はそれぞれ異なります。
睡眠日誌で実際のリズムを把握し、必要に応じて光療法や薬物療法、生活調整を組み合わせることが大切です。
精神科医
はじめまして、小金丸と申します。 これまで大学病院やクリニックなど様々な医療機関で積み上げてきた臨床経験を活かし、少しでもみなさまが生きやすくなるお手伝いができればと願っています。 みなさまひとりひとりの悩みに向き合い、お力になれるよう一生
本日相談可能
精神科医
こんにちは、大越と申します。 発達障害をはじめ、うつ病、双極性障害、適応障害、不安障害・パニック障害、睡眠障害など、さまざまなこころの不調について診療しています。 特に、休職に関するご相談や発達障害についてお話を伺う機会が多くあります。仕事
本日相談可能
就寝・起床時刻が大きくずれている、朝起きられない、昼夜逆転が続くなどの症状は、概日リズム睡眠障害を疑う手がかりになります。特に、十分な睡眠時間を確保できれば比較的元気に過ごせるものの、学校や仕事の時間帯に合わせられない場合は注意が必要です。ただし、セルフチェックだけでは診断できないため、症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。
治らない病気とは限りません。光療法や生活リズムの調整、必要に応じた薬物療法によって改善する場合があります。ただし、体内時計の特性によっては再び睡眠時間帯がずれることもあり、長期的な対応が必要になる場合があります。治療しても改善しない場合は、ほかの睡眠障害の有無や治療方法を見直すことが大切です。
ADHDのある方では、夜型傾向や入眠困難、睡眠時間帯の遅れがみられやすく、睡眠・覚醒相後退障害との関連も報告されています。ただし、ADHDがあるからといって必ず概日リズム睡眠障害になるわけではありません。睡眠の問題には生活習慣や服薬、ほかの疾患なども関係するため、原因を総合的に評価することが重要です。
この記事の監修者
医療法人社団弘愛会理事長
赤堀 将太郎こんにちは、赤堀将太郎と申します。 心療内科のクリニックに受診するまでに心理的なハードルが大きいかと思います。 そういった場合、「かもみーる」で病院に行くべきかどうかなど気軽にご相談ください。 オンラインで御対応いたします。 また現在、どうしても仕事がつらくて休職したいと思っているが病院に行くのを迷っている方に対して、場合によっては診断書を発行することも可能です。(オンライン診察となります) そういった場合も遠慮なくお申し付けください。
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