投稿日 2026年09月25日
「指の皮をむいて出血する」「かさぶたを剥がして傷が治らない」「頭皮を触り始めるとやめられない」。
繰り返す皮膚への行動に困っている場合、皮膚むしり症が関係していることがあります。
皮膚むしり症は、皮膚を繰り返しむしって傷をつくり、やめようとしてもうまくいかず、苦痛や生活への支障が生じる状態です。
傷の手当てと、行動を繰り返すきっかけへの対応を組み合わせて治療します。
この記事では、相談のためのセルフチェック、症状、治し方、受診先を説明します。
投稿日 2026年09月25日

「指の皮をむいて出血する」「かさぶたを剥がして傷が治らない」「頭皮を触り始めるとやめられない」。
繰り返す皮膚への行動に困っている場合、皮膚むしり症が関係していることがあります。
皮膚むしり症は、皮膚を繰り返しむしって傷をつくり、やめようとしてもうまくいかず、苦痛や生活への支障が生じる状態です。
傷の手当てと、行動を繰り返すきっかけへの対応を組み合わせて治療します。
この記事では、相談のためのセルフチェック、症状、治し方、受診先を説明します。

皮膚むしり症は、スキンピッキング症、皮膚摘み取り症などと呼ばれることもあります。
指や爪で皮膚をむく、かさぶたを剥がす、ニキビを繰り返しつぶすなどの行動が続き、傷になることがあります。
DSM-5-TRでは「強迫症および関連症群」に含まれますが、強迫性障害(OCD)と同じ病気ではありません。
診断では、繰り返す行動、皮膚の損傷、やめようとした経過、本人の苦痛や生活への影響を確認し、他の病気や薬物の影響なども検討します。

「診断テストで確かめたい」と思う方もいるでしょう。
以下は相談前に症状を整理するための項目で、医学的に検証された診断尺度ではありません。
合計点や該当数による判定は行いません。
傷が繰り返しできる、やめたいのに止められない、強い苦痛がある場合は相談してください。
すべての項目に当てはまる必要はありません。
一方、時々ささくれを触るだけで皮膚むしり症と決まるわけでもありません。
参考:NHS|Skin picking disorder(皮膚むしり症)
皮膚の見た目だけでは診断できません。
インターネットの画像と似ていなくても、困りごとがあれば受診できます。
医師は湿疹などの皮膚疾患、自傷を目的とした行為、外見への強いとらわれに伴う行動などとの区別も確認します。

ささくれや小さな凹凸が気になり、整えるつもりで触り始めても、皮膚を傷つけるまで続けてしまうことがあります。
傷がかさぶたになり、その手触りが再び気になって剥がすという循環も起こります。
「きれいにしようとしただけなのに悪化した」と感じる場合は、皮膚を整えることと、止めにくい反復行動を分けて考えます。
頭皮のかさぶた、顔のニキビ、かかとや足裏の硬い皮膚などが対象になることもあります。
乾燥や湿疹、ニキビがきっかけになる場合は、それらの治療も大切です。
かゆみの強い皮膚疾患が中心のこともあり、部位だけで判断できません。
画面を見ている間に手が動く場合と、鏡や指で気になる部分を探してむしる場合があります。
同じ人でも場面によって異なります。
自分では理由が分からなくても、診察で相談できます。
参考:International OCD Foundation|抜毛と皮膚むしりに対するComB治療
原因は完全には解明されていません。
感覚や感情、行動の習慣化、皮膚の状態、生活環境などが関わり、ストレスが強くないときにも起こる場合があります。
治療では「ストレスをなくせば治る」と決めつけず、前後の流れを整理します。
たとえば、手持ち無沙汰で指を触る、ざらつきに気づく、むしって一時的に整った感じがする、傷ができて再び触る、という流れです。
本人に合う介入点は、この流れによって変わります。
皮膚むしり症と抜毛症は、身体に向けた反復行動であるBFRBとして扱われます。
OCDでは不安を打ち消す確認や儀式が中心になることがありますが、皮膚むしりでは感触や自動的な行動が関わることも多く、同じ治療を一律に当てはめません。
OCDの症状も気になる場合は、強迫性障害の症状・原因・治療法をご覧ください。
OCDに用いる曝露反応妨害法(ERP)の進め方と注意点と、皮膚むしりで用いる習慣逆転法は、目的や取り組み方を区別して説明を受けましょう。
International OCD Foundation|抜毛と皮膚むしりに対するComB治療

習慣逆転法(HRT)では、むしり始める前の手の動きや、触りたくなる感覚を見つけ、皮膚を傷つけない別の動きを練習します。
触ってから気づく人は、気づけた時点から切り替える練習を始めます。
たとえば、手のひらを膝に置く、両手で柔らかい物を持つなど、むしる動きと両立しにくい行動を選びます。
痛みを与えて止める方法や、長時間手を拘束する方法は用いません。
皮膚むしりのある大学生34人を対象とした比較試験では、4回の認知行動療法を受けた群で、待機群より症状や皮膚損傷などの改善が報告されました。
ただし小規模な研究であり、全員が4回で治るという意味ではありません。
参考:Schuckら(2011)|皮膚むしりに対する短期認知行動療法の無作為化比較試験
生活場面を短く記録し、むしりやすい時間、場所、気分、手の動きを振り返ります。
触るたびに細かく採点する必要はなく、代表的な場面を治療者に伝えられれば十分です。
気になる部分を探す行動が続く場合は、拡大鏡や毛抜きをすぐ使える場所から移す、鏡の前にいる時間を見直すなどの工夫を検討します。
乾燥やかゆみがある場合には、皮膚科で相談したケアを続けます。
感覚、感情、考え方、動き、環境をまとめて評価するComBという方法もあります。
特定の対策を全員に勧めるのではなく、行動を引き起こす要因に合わせて組み合わせます。
参考:International OCD Foundation|抜毛と皮膚むしりに対するComB治療
薬を使うかどうかは、症状の程度、行動療法の利用状況、併存するうつ病や不安症などを踏まえて検討します。
SSRIを使う場合も、皮膚むしりそのものを対象にするのか、併存症を治療するのかを確認します。
成人66人を対象とした12週間の無作為化比較試験では、N-アセチルシステイン(NAC)による皮膚むしり症状の改善が報告されました。
ただし、一つの成人研究から子どもへの効果や長期の効果を断定することはできません。
NACを含め、研究で有効性が報告されたことと、国内でその疾患への使用が承認されていることは別です。
薬やサプリメントを自己判断で始めず、適応、保険での扱い、副作用、併用薬との関係を医師に確認してください。
参考:Grantら(2016)|皮膚むしり症に対するN-アセチルシステインの無作為化比較試験
まずは、むしりやすい場面を一つ選び、その場面でできる工夫を試します。
「一日中絶対に触らない」と決めるより、何が役立つかを確認しやすくなります。
たとえば動画を見る間は両手で持てる物を使い、気づいたら手を移す、といった練習を相談します。
手袋や指サック、指輪などは、手が皮膚に向かうことに気づいたり、別の動きに置き換えたりする補助になる場合があります。
ただし、特定の商品で治るとする十分な根拠はありません。
傷への貼付や保護は、蒸れ、かぶれ、締めつけを避け、医師・薬剤師に方法を確認してください。
傷がある場合は適切な手当てを行い、感染の兆候がないかを確認します。
むしれなかった回数だけでなく、途中で手を止められたこと、傷が増えなかったこと、生活に戻れたことも振り返ります。
参考:NHS|Skin picking disorder(皮膚むしり症)
工夫しても傷が増える、触る時間が長い、眠れない、外出できない場合は、対策を増やし続ける前に相談してください。
むしってしまったことを失敗と決めつけず、治療者と手順や環境を調整します。
家族は「またやったの」と責めるより、痛みやかゆみがないか、本人がやめにくさを感じているかを確認します。
気づいていない場合には、本人と相談した合図で知らせる方法があります。
子どもでは、湿疹や乾燥の治療、学校での負担、年齢に合った行動の練習を一緒に検討します。
発達障害との関連が気になっても、皮膚むしりだけで診断せず、生活全体について相談しましょう。
むしることを止められない、傷が繰り返しできる、強い苦痛や生活への支障がある場合は、精神科・心療内科に相談できます。
傷、感染、湿疹やニキビなどの評価は皮膚科が担当します。
どちらから受診しても、必要に応じて連携を相談できます。
赤みや腫れが広がる、膿が出る、熱を持つ、痛みが強い、発熱する場合は、早めに皮膚科などで診察を受けてください。
出血が止まらない、深い傷がある場合は、通常の精神科予約を待たず身体の処置を優先します。
診察では、触る部位、起きやすい時間、傷の経過、やめようとして試したことを伝えます。
言葉にしにくければメモでも構いません。
画像を何度も撮影して確認する必要はありません。
かもみーるの受診方法は、かもみーる心のクリニック仙台院やかもみーるのオンライン診療のご案内をご覧ください。
皮膚むしりの相談や行動療法の対応は事前に確認してください。
傷の処置や感染の評価には、対面での皮膚科診療が必要になる場合があります。
精神科医
はじめまして、小金丸と申します。 これまで大学病院やクリニックなど様々な医療機関で積み上げてきた臨床経験を活かし、少しでもみなさまが生きやすくなるお手伝いができればと願っています。 みなさまひとりひとりの悩みに向き合い、お力になれるよう一生
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こんにちは、川本と申します。 不安や気分の落ち込み、不眠などの症状をはじめ、日常生活や仕事でのストレスによるお悩みについて幅広くご相談を承っております。 心の不調は、ご自身でも原因がはっきりと分からなかったり、「このくらいのことで受診しても
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この記事の監修者
医療法人社団弘愛会理事長
赤堀 将太郎こんにちは、赤堀将太郎と申します。 心療内科のクリニックに受診するまでに心理的なハードルが大きいかと思います。 そういった場合、「かもみーる」で病院に行くべきかどうかなど気軽にご相談ください。 オンラインで御対応いたします。 また現在、どうしても仕事がつらくて休職したいと思っているが病院に行くのを迷っている方に対して、場合によっては診断書を発行することも可能です。(オンライン診察となります) そういった場合も遠慮なくお申し付けください。
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